江戸時代から続く紀州東照宮(和歌山市和歌浦西)の例祭「和歌祭」の練り物の1つ、「唐船(とうぶね)」で歌われた「御船歌(おふなうた)」が16日の祭で、約30年ぶりに復活する。昨年9月に音源が見つかり、「眠らせておくのはもったいない。歌い継ぎたい」と地元の有志が「御船歌部」を作って練習に励んできた。太鼓に合わせ、「ヨーイヤサー」を力強く繰り返し、和歌浦の名所などを歌うめでたい歌が街に響く。

 「和歌祭」は紀州東照宮創設の翌年、元和8(1622)年に始まった。メーンの神輿(みこし)渡御には、薙刀振(なぎなたふり)、雑賀(さいか)踊など、全国の東照宮の祭りに例がないほど多くの伝統芸能が登場することで知られる。中でも華やかなのが竜頭のある「唐船」で、これを引き回して歌われたのが「御船歌」だった。しかし、時代とともに歌い手が減り、昭和50年代後半を最後に祭りから歌だけが消えた。

 そんな中、昨年9月に県教委の無形民俗文化財の記録調査で、文化遺産課の蘇理(そり)剛志さん(33)が歌の音源を収録したテープを見つけた。御船歌を構成する「長唄」「端唄」「せり唄」「やれ節」の、「長唄」を除く3曲が入っていた。

 歌はゆったりしたリズムで、歌詞には「ヤレ一にゃ権現二にゃ玉津島…アーヨーイヨイヨーイヤサー」など、和歌浦の名所旧跡や情景が歌い込まれている。

 微妙な音のひねりや声の伸ばし方にまで規則性があり、蘇理さんは「ここまで技巧が凝らされたものは珍しい」と驚き、「眠らせておくのはもったいない」と、昨年12月に友人らと「御船歌部」を結成。実際に歌っていた人や、聴いた人の協力を受け、大学生や地元住民約10人も集まり、復活に向けた取り組みにつながった。

 太鼓を担当する和歌山大4年、須山恵里さん(22)は「打ち方が独特でいい音を出すのは難しい」。歌を指導する和歌山市西浜の松平寿彦さん(62)は「若者の熱意に、伝えずにおれない。今後が楽しみ」と目を細める。

 和歌祭に詳しい和歌山大教育学部の米田頼司准教授は「御船歌は江戸初期の原形をとどめている点で非常に貴重。復活は、祭りが活気づく機会にもなる」と話している。

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