「たのしみは 春の桜に 秋の月 夫婦仲よく 三度くふめし」

 江戸時代の歌舞伎役者、五代目市川團十郎「吾妻曲狂歌文庫」 

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 江戸歌舞伎の黄金時代を作った五代目市川團十郎(1741~1806年))は文才にもたけ、「花道つらね」の名で狂歌師としても知られていた。

 狂歌は社会風刺や皮肉、滑稽(こっけい)などを和歌の文体に込めて作られ、江戸時代中期の天明のころは「天明狂歌」といわれ絶頂期を迎えた。残念ながら現在はすっかり廃れてしまっている。

 團十郎のこの歌は恐妻家、もとい愛妻家の筆者の好きな狂歌だ。人生の楽しみは、春に花を愛で、秋には名月を眺め、そして妻と仲良く食事をすることなんだと。臆面もなく妻との三度の食事が楽しみと詠んだ團十郎に、ただただ感服。

 ところで狂歌といえば、幕末に黒船がやってきた際の騒動を皮肉った「泰平の眠りを覚ます上喜撰 たった四杯で夜も眠れず」が有名だが、狂歌三大家の一人、大田南畝(なんぽ)(1749~1823年)の辞世の歌と伝わるのが「今までは人のことだと思ふたに 俺が死ぬとはこいつはたまらん」。

 凡夫の大半は死の恐怖とこの世への未練から、恐らく南畝と同じような心境になることだろう。平易な言葉で自由に表現するところに狂歌のよさがあるが、この歌は自らの死と向き合い、正直な思いを明るく滑稽に詠んでおり、南畝の真骨頂といえる。

 筆者も定年間近。團十郎のように妻との宴を楽しみつつ、南畝に負けない辞世の歌に今から挑戦してみるか。(板坂洋司)

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