ご冥福を。
めいふく【冥福】
死後の幸福。みょうふく。
「−を祈る」
(大辞林 第二版 より)
小さいころから親は転勤が多くて、今の会社も転勤が多くて。小さいころから転校・引越しを繰り返してきた。
だから別れることには慣れている。
・・・つもりだった。
友達との別れ、家族との別れ、大切な人との別れ、たった23年の人生でもいろんな別れがあった。
その時々では辛いと思うけれど、今生の別れではないはずだし、生きてさえいればどんなに遠く離れていても会うこともあるかもしれない。
引越しでの別れならば、新天地での出会いがある。恋人との別れならば、次の恋人に出逢うためのきっかけでもある。
「別れがあれば出逢いがある」
と思っていた。
けれども、どうやらそういことばかりでもないみたいだ。
友達が遠いところへ行ってしまった。
誰も行くことのできない遠いところへ。
しかも自らの意思で、逝ってしまった。
最期にあいつが何を考えていたのかは分からないけれど。
そんな決断をする勇気があるのならばどんなことでも乗り越えられただろうに。
それほど何があいつを追い詰めてしまったのだろう。
考えても考えても答えなんか見つからない。
分かるのはあいつはもういないっていう事実だけ。
この悲しい事実だけ。
何億といるたくさんの命。たくさんの人生。
そのどれもがたった一つしかない、異なる人生。
何億分の一の選ばれた人生。
そんな人生、どうやって生きるかは本人次第。
勿論、自分で幕を引くのも本人次第。
お前はそれでよかったのか?
自分で決断したんだもんな。後悔なんかしないよな?
だったら俺ができることは
お前のこれからの幸福を、めいいっぱいの幸福を祈ることだけだな?
そう願いたい。