会社のウェブで報告した通り、先週、群馬県の神流町さんに新型の移動式チッパを納品しました。
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当日は田村町長もお越しになって、神流町が進める林業再生について、お話をいただきました。
town mayor
「麻生ヤード」と呼ばれるこの木材集積基地も今回の事業で整備された土地で、真新しい機材には今後の活躍が期待されています。
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当日は群馬県庁や群馬県森連、神流川森林組合の関係者にもお越しいただきました。
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このチッパは2018年の林野庁の補助事業で開発・実証を行った中型移動式チッパの商品化第1号となります。従って、脱着式となっています。ベースとなる車両はいわゆる増トン車(8トン車)です。
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CAT製の水冷ディーゼルエンジンを搭載しているので、据え置いての利用も可能です。
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反対側。
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本来はもっと早い時期に納品の予定だったのですが、コロナ禍の影響で、欧州の工場がロックダウンされて生産が遅れたほか、海上輸送にいつもの2倍以上の時間を要し、納期を何度も延ばしていただいての納品となりました。関係者の皆様には大変なご迷惑をおかけしたことを、ここでお詫び申し上げます。

今回は移動式チッパ以外に丸太を割る装置も納品させていただきました。
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スギ材が大径化するなかで、チッパをどんどん大型化すると、初期費用が増大するほか、運転経費も大きくなるので、割って投入するのが効率的です。試しに、直径60cmのスギを割ってみました。
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こちらも脱着式のフレームを採用しているので、トラックに載せたままでも、地面に据え置いても利用可能です。
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世界的にも珍しい、ディーゼルエンジンで油圧を発生させるユニットを搭載しているので、単体でも稼働できます。
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うまく割るにはちょっとコツが必要ですが、パワーは十分にあります。
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納品の後は生産性の実験を行いました。
事前に太物と細物の材をそれぞれ10本用意します。
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これらをこの計測装置?で重量計測。
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チッパが大型化して、丸太の直径が大きくなっているので今回最大150kgの体重計では重量オーバーが相次いだので、200kgまでの体重計をアマゾンで買って、次回の計測に備えたいと思います
testing method
計測にあたっては、共同で研究に取り組んでいただいている東京農工大学の岩岡先生にお越しいただきました。
testing
投入が始まると、ものの10分ほどで実験終了。
実験準備には相当の時間を要しますが、破砕はあっという間なんですよね
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破砕したチップはこんな感じです。
後でふるい振とう器を使って、詳しく粒度分布を計測する予定です。
水分もね。
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通し運転では、約30分で6.3トンのスギ材を破砕したので、定格の10トン/時を超える12~13トン/時は問題なく生産できることが判りました。また、この際の燃料消費は凡そ9Lでしたので、燃費は1トン/Lくらいでしょうか。

学術的な評価については、これまでHM6-300VM(今回のHM8-400VMより一回り小さな機種)で実施してきた試験結果と合わせて、学術論文にまとめて、日本森林学会の特集号に投稿する予定です。

というのも、チッパの生産性はオペレータの熟練度や、材の太さ、長さ、樹種に大きく影響されるため、それらをできるだけ排除した形での評価方法が必要なのです。チッパの評価と合わせて評価手法も検討しているところです。

実験結果の詳細な検討はまだですが、生産性に関する暫定的な結果は次の通りでした。

太物:約19トン/時(約25m3/時)
細物:約4.5トン/時(約5m3/時)

全然違いますよね。

燃費は太物・細物併せて528kg/L(0.67m3/L)でした。

あまり試験で沢山作ってもいけないので、合計1時間くらいで運転を終了しました。
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この度の商品化と納品に関しては、林野庁や群馬県、神流町といった行政の方々だけでなく、ドイツやスロベニア、日本国内の協力会社の方々、また現場の森林組合や森林組合連合会の方々、そして、輸送を担ってくれたフォワーダ(貨物輸送事業者)やトラック、荷物の揚げ降ろしのクレーンの方々、社内のスタッフ、ステッカー屋さんなど、大勢の方々の協力があったからこそ、形にできたのだと思っています。本当にありがとうございました。

P.S.今回の事業に関して融資と保証を実施してくださった八十二銀行さんにも御礼申し上げます。書き忘れていて申し訳ありませんでした