4/2 - 4/15
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- 2017
アリアンヌ ブルトン・ウルク 個展
「reliefes」Ariadne BRETON-HOURCQ
アリアン
ブルトン・ウルクは、フランス人。マルセイユを拠点に活動しています。
研究者だった父の転勤に伴い、国境を越えて様々な文化圏で育った彼女の表現は、どこか無国籍な風合いです。中国には特に縁が深く、行きつ戻りつ30年の歳月を数え、制作に深く影響を与えたといいます。
幼少期からの、そして中国で少しづつ積もっていった、潜在的なあるいは表層の記憶に刻まれた風景が、そこにあるかのようです。時のうつろいと並行する、景色に溶け込む、身体的な、そして視覚的な揺らぎを印画紙に焼き付けようと試み、また、和紙のなかに探ります。
デジタルから遠く離れた銀盤写真と、インディアンインク(墨汁)の無限のグレートーンは、写真表現とドローイング表現の境界を曖昧にしながら、豊かな奥行きを与えています。抽象とも具象ともつかない全てを包括するような不思議なフォルムは、鑑賞者に限りないイマジネーションを与え、それぞれの記憶のなかの風景を揺り起こしてくれることでしょう。