本誌追わなくなると感想カテゴリーが無駄になるので『咲日和』全7巻を軽く振り返ってみました。数字は登場回数です。


清澄⑨
 明るくおバカな優希と発案係の久がメインで回ってる。部長回・高遠原回・映画回にも出演してて出番的にも申し分ない。ただ主人公と相棒をあまりはっちゃけさせるわけにはいかない分、ネタとしては大人しいイメージも。英語回のおまけのテンション高い二人が好き。
龍門渕⑨
 初期から安定して毎回おもしろかった。いたずらっ子の純くん&国広くんコンビとアクティブお嬢な透華がいればネタには事欠かないでしょう。金の力と万能執事でネタの制限がないのもでかい。○○たんイェイ~の文化を作り出した功績は大きい。

鶴賀⑨
 とにかく遊んでふざけて巻き込む智美が一気に空気を持っていく。ものすごく動かしやすいキャラなんだろうと思う。個人的に咲日和のMVP。やっぱり周りを振り回すアクティブなアホがいるとおもしろい。諫め役のゆみがポンコツ化しないので相乗効果が発生。ジュース回の「賢いな」の応酬はこの二人ならでは。茶目っ気のあるモモもエース級。

風越⑧+池田⑨
 池田中心かと思ったら案外振り回される側で、キャプテンの天然ネタがメインな印象。そして池田家三つ子は本編でほとんど描写がない分ネタの作りやすさ的に救世主なのでしょう。ただ個人的には雀士の麻雀以外の日常を見たかったので、ただの子どもあるあるネタの池田の巻はハズレ回。迷子回ラストのオチは見事。

宮守⑤
 好きな高校なんだけどアクティブに引っかき回す役がいない分パンチに欠ける。笑いというより豊音の無邪気さと皆の仲の良さにほっこりする回。じゃんけんとか挙手で白望の手が伸びてないのが地味に好き。

永水④
 たぶん一番ネタ出しに苦労したと思われる回。ツッコミ不在で毒がなさすぎる。貫禄でいじられがちな霞が年相応に遊んでるところが見られたのは大きな収穫。

姫松④+愛宕②
 さすが大阪人はなんでもボケとツッコミで話が作りやすそう。スエハラ~とか末原焼きとか、やっぱり末原さんは名前より名字の印象が強い。「土下座」「マカロン」等、スパイス係の由子が陰の立て役者。三年トリオの掛け合いが好き。

有珠山③
 毎回おもしろいけど登場が遅すぎた。爽と智美は立ち位置が似てるけど、ゆみと違って誓子も由暉子もすぐ乗っかるので全体的にフリーダム。なのに本編とのギャップがない分インパクトを感じない不思議。プレゼント回のクジ引きはスピード感のある起承転結のお手本のよう。恥ずかしがる爽は貴重だけどむしろノリそうなのになーと思ってたらおまけの一コマがおいしかった。

臨海③
 毎回おもしろい。登場の遅さが悔やまれる。留学生のカルチャーネタは鉄板。ネリーのフリーダム感が肝。ガイトさんもギリギリポンコツ化しないで笑いを取れる。ダヴァンと友情を確かめ合うコマと缶から落ちるネリーを助けに飛び込むコマがなんか好き。

阿知賀⑧
 どこか弾け切れてない感があってインパクトに欠ける。真面目な灼が巻き込まれてるときが一番おもしろい。「吉川さん!」「中島さん!」のノリとその後のおまけコマは好き。

白糸台④
 先輩たちが落ち着いてるので淡が道化役を一身に背負ってる。愛すべきバカという感じで微笑ましい。照はおかし好きの天然気味でなかなかのギャップ…と思ったら本編でも麻雀やってないときはそんな感じだった。

千里山④
 同じ大阪でも姫松より品があるというか。なんとなくこっちの方が上流階級のイメージ。というよりメインの三年トリオの関係性が洋末由より柔らかめなのか。あるあるネタが多い気がする。

新道寺③+佐賀
 咲日和界のダークホース。毎回何かしらインパクトを残してくれる。哩のポンコツぶりはおそらく本編とのギャップが最大。「おああー」も「おいで」も「連載しろてか」もいいけど姫子の裏拳喰らうコマが一番好き。聖人すばら先輩の意外なお茶目っぷりもすばら。最終巻の姫子との「い~~」がなんかツボ。

大人⑥
 やっぱり一番出番の多いふくすこコンビが印象的。すこやんいじりはもはや伝統芸。引っかき回すテレビの人のおかげではあるけど「アラサーだよ!!」の破壊力はすごすぎた。

その他(部長② 煎餅 映画 高遠原② 湯町②)
 マホとか閑無は出番が少ないながらも活躍してた印象。部長回や煎餅回みたいな他校との交流は貴重でよかった。チャット回のゆみの「そういえばうちは引き戸だったな」はキリッとしたまま間抜けで好きなコマ。



 スピンオフやメディアミックスは基本スルーの私もこれは全巻揃えました。麻雀や部活に関する描写が大部分を占める本編に対して、それ以外の日常を描いた咲日和はキャラの性格や関係性を補完できるありがたい存在です。呼び方や私服の情報も得られるし。正直初期はキャラ人気第一の日常系4コマかぁ…と思ってました。手探り感があって漫画としてはあまりおもしろくないなーと。それがだんだんインパクトのあるネタが多くなって、新道寺回あたりから完全に勢いに乗った感があります。回によっては一本一本オチをつけながら全体で一つの話として起承転結になっているという見事な構成。単行本だと各回のおまけ一コマと巻末のおまけの巻が追加というサービス精神。かなりのお得感がありました。咲日和登場巻一覧表を作ったので、持ってない人も好きな高校の出る巻だけでも買ってみては。



 実は私、絵を描き始めたとき「普通の漫画はハードル高いけど4コマ漫画なら簡単に作れんじゃね?」などと軽く考えておりました。しかし4コマには4コマの難しさがあるとすぐに思い知らされました。


4コマの楽なところ
・デフォルメでいい
・バストアップだけでもいける
・背景ほとんど描かなくて済む
・コマ割り考えなくて済む
・凝った構図使わなくてもいける

4コマの大変なところ
・“間”のコマはまずないので結局1本につきキャラを5~8人くらいは描く必要がある
・狭いコマで順番どおり台詞を読めるようにキャラや吹き出しの位置を工夫する必要がある
・3コマ目で落ちちゃうとか5コマ目がほしいということがある

 自分は絵を描きたいんじゃなくてネタを作りたいタイプなので、今後もコマ数にこだわらずコピペ多用と省エネ法を使っていきます。そして地味に楽できるのが吹き出しの色分けです。色で誰が喋ってるか判別できればキャラを描かなくて済むという。有珠山5人が髪色バラバラだからできる裏技です。

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