小野和俊のブログ

個人的なブログです。

2006年05月

高校の陸上部に入って最初に教えられたことは、400m 走は最後まで全力で走り抜けることはできないから、ペース配分が大切だということだった。

先輩曰く、

1. 最初の 100m スタートダッシュ
2. 次の 100m 全力疾走
3. 次の 100m ペース維持
4. 最後の 100m ラストスパート

これは一見、言葉を変えただけで全部全力疾走じゃないかという風にも見えるのだが、実は3番目の 100m で少し力を抜くというのがポイントで、実際、どこかでうまく力を抜かないと良い結果が出ない。

この力の抜き方には人それぞれに得意不得意があって、前半力を出し切ってトップを取る方が精神的に楽だと感じる人、最後まで力を溜めておいて一気に抜き去る方が楽だと感じる人、さらには満遍なく一定のペースを維持するのがやりやすいと感じる人と、人それぞれによって実力を出しやすいペース配分というものがある。

興味深いのは、このペース配分の話は、1回の競走だけでなく、生活の中で接することになる様々な物事にも、多くの場合、まったく同じように当てはまるということである。仕事やキャリアパス、学生時代の受験勉強、あるいは趣味でやっているスポーツ、さらには人生そのもの。これまで私が見てきたペース配分の類型は次のようなものである。

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発想力やある分野における能力について他の人が足元にも及ばないような才能を持つ人が、時間を守るとか、字をそこそこ綺麗に書くとか、人のことを怒らせないとか、そういった誰でもできるようなことがまるでできない、ということは結構よくあることで、こういうケースは要するに、Lv.10 の人は Lv.5 の呪文は唱えられそうなものなのに、Lv.30 なのに Lv.3 の呪文が唱えられないことがある、ということなのである。

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諸君 私はプログラミングが好きだ
諸君 私はプログラミングが好きだ

諸君 私はプログラミングが大好きだ

設計が好きだ
実装が好きだ
デバッグが好きだ
コンパイルが好きだ
リファクタリングが好きだ
パフォーマンスチューニングが好きだ
ペアプログラミングが好きだ
クラスの名前を考えるのが好きだ
自分が書いたソースを眺めるのが好きだ

Java で C で
C++ で C# で
Perl で Ruby で
PHP で Python で
Lisp で VB で

この地上で行われる ありとあらゆるプログラミング行為が大好きだ

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Web の更新を検知するためのツールとして RSS リーダーが当たり前のものになってからも、私にははてなアンテナの方が安心して使えるように感じられて、RSS リーダーと平行してはてなアンテナを今でも愛用している。というより、はてなアンテナと平行して RSS リーダーも使っている。気持ちがどちらに向いているかと言われれば、はてなアンテナの方に向いているのである。

はてなアンテナにはいくつかの問題があって、時々更新を見逃してしまったり、月初にはブログのカレンダープラグインが切り替わったことをコンテンツの更新と勘違いしてしまったり、同じコンテンツの更新が何度も検知されてしまったり、意味に基づいてマークアップされた RSS を解析する RSS リーダーと比べると、正確さという意味ではまったく勝ち目がない。

それでも私がはてなアンテナを好んで使っているのは、はてなアンテナが私に送ってくるメールが、まるで情報に比較的通じている知人から送られてくるメールのように感じられるからである。

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Thunderbird はよくできたメーラーなのだけれど、使い続けていると起動後に受信トレイの内容が表示されるのが遅くなってきたり、メールの自動受信が動作しなくなったりすることがある。

この件について以前バグレポートしようかと思ったのだけれど再現方法がわからず、開発の仕事で使うわけでもない割にレポートに手間がかかりそうだったのでまだレポートしていない。知り合いで同じ問題で困っている人が結構いたので、とりあえず私が見つけた回避方法を書いておく。同じ問題で困っている人は試してみる価値があるかもしれない。

* 5/17 追記 hiragisan、vant さんからのコメントで、実は仕様だということが判明しました。hiragisan、vant さんありがとうございました。

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江島さんのブログへの平野啓一郎さんの書き込みを、読み終わってからも何度も読み返した。


それで、僕は今、小説を書いていて、本当によかったと思う。僕は、親類や友人を含め、小説を通じて、初めて自分という人間を、十分に理解されつつある気がします。注意深くあえて書けば、それは「本当の自分」なんかじゃなくて、要するに、自分という一個の人間の複雑な組成、「複数性」を理解されつつあるという感動です。それで僕のことをもっと好きになる人もいれば、嫌いになる人もいるだろうけど、それは納得のいく好き嫌いで、自分の様々な面を抑圧しながら人に好かれるよりはずっといいと思う。僕はやっぱり、意識の有無に拘わらず、「普通の人」として社会的な人間関係に自分を結びつけるために、その多くの部分を日常のコミュニケイションから削ぎ落としていたと思う。今はその部分の存在を、僕も相手も、一種の前提としてコミュニケイト出来ています。
「江島健太郎の千里眼 - 新潮6月号の梅田望夫×平野啓一郎の対談を読んで」への平野啓一郎さんのコメントより


平野さんのように小説を職業としていける人は少ないけれど、世間を渡っていくための当たり障りのないコミュニケーションには出さないけれども本当は自分にとって一番大切なこと、というのは誰にでもあって、ブログを書き始めると、ブログなしの人生なんてもう考えられないという風に感じる人が多いのも、ブログが今まで表現してこなかった、自分にとっての違和感とか、今感じている知的興奮とか、理由はうまく言えないけれども人に伝えたいこととか、そういうものを表現するための場所と機会を与えてくれるものだからなのだと思う。

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(SFC「卒業生の活躍」に寄稿)

SFC 在学中の4年間で、私は大きく変わったと思う。

新しいことに挑戦することに慣れていないと、恐れていつまでたっても挑戦することができない。だから次に挑戦しようとするときにも、前にも迷った挙句結局ダメだったじゃないかとますます恐れて、挑戦できない人の挑戦できないスパイラルはこのようにして形成されていく。そしてそのスパイラルの行き着く先には、多くの人が目指したり到達したりしている小さな目標に微笑みながら取り組む人の姿がある。

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久しぶりの大型連休、
私は最近つくった WoW (World of Warcraft) のセカンドキャラを育てようと、
小躍りしながらゴールデンウィークのほとんどをパソコンの前で過ごしていた。

ある人を無事遠くの町まで送り届けたと思ったその時、
他のユーザーが操作する赤い名前のキャラクターが現れ、
送り届けようとしていた人に魔法の呪文を投げかけて
私のクエストを失敗させた。

相手は自分よりずっとレベルが上であり、
対抗しようにも絶対に勝てないことがわかっている。

仕方なく他のことをして何時間か過ごして
また最初からやり直して送り届けようとすると、
やはり彼は同じところに隠れていて
目的地にたどり着く直前にエスコートを失敗させる。
他の人に嫌がらせをするためだけに、何時間もそこで待っている。

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