2005年12月14日

私がシリコンバレーで学んだ5つの教訓

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1. 会議を最適化する

ミーティングのゴールを明確に設定する。
ミーティングの最後に必ず結論と ToDo を確認する。
ミーティングの回数をできるだけ少なくして時間もできるだけ短くする。
ミーティングのトピックごとに関係する人だけ集めて最少人数で議論を行う。
(途中であなたはこのトピックに関係ないから退席して良いです、と指示がでる)

会議を最適化することで労働時間中の実作業時間を最大化させ、労働時間全体を圧縮する。そして、早く帰る。

この体験は、その後自分が会社で会議をしていく上で大きく役立った。
XM(eXtreme Meeting)にも、この時の体験が直接的にも間接的にも影響を与えたと思う。


2. おかしなことを言われても、注意深く耳を傾ける

アドバイザーとしてプロジェクトに参加していたテクニカル・コンサルタントが、技術的に明らかに間違った発言をしたことがあった。

私を含む日本から来ていた何人かのメンバーは、あんな基本的なこともわかっていない人間の意見は聞くべきではないというムードになっていた。

彼の言っていることはおかしい、という指摘を受けて、マネージャのダグラスは、技術的に間違えているとしても何かあるに違いないと言ってますます注意深く彼の話に耳を傾けた。

結果としては、彼が技術的に間違ったことを言っていたことも事実だったし、そういうことだったのか、と皆をうならせるものが彼の言おうとしていたことの中にあったことも事実だった。

この体験を通じて、泥の塊を投げつけられたとしても、その中に何か光るものがあるはずだと探していこうとする姿勢の大切さを学んだ。


3. 行き詰ったら、どんなに忙しくてもリフレッシュする

プロジェクトが思うように進まず、どうしたものかと頭を抱えていたときに、ダグラスが突然、スキー板は持ってきたかと聞いてきた。持ってきていないと答えると、じゃあ現地で借りればいいかなどとぶつぶつつぶやいている。

次の日から3日間、私たちはオフサイトミーティングという名目で、休暇を取るのではなく仕事の一環として、レイク・タホにスキーに出かけた。

リフレッシュの効果には驚くべきものがあった。帰ってからの私たちの生産性は、滑りながら考え付いた新しいやり方が功を奏したこともあって、出かける前の数倍になったので、結局はスキーに出かけたことが効率向上につながった。

他にも、忙しいときに登山に出かけたり、森に散歩しに行ったりした。


4. 最新情報を血眼になって追いかけない

アナリストやコンサルタントの場合には違うのかもしれないが、少なくとも私が所属していたチームのエンジニアは、血眼になって最新情報を追いかけたりはしていなかった。
これは、情報にキャッチアップしいくのではなく、情報を提供する側になる、という視点から見たときにとても重要なことだ。

新しい考え方や製品が日々現れては消えていく時代にあって、最新の情報にキャッチアップし続けようと努力することは、それが楽々とこなせる人を除いて、キャッチアップすることに手一杯になって、その人から新しいものを作る要素を奪ってしまう危険性がある。

知識が摘み取る創造力の芽で書こうとしたことは、これと近いことだ。
日本のエンジニアはアメリカの最新情報についていこうとしすぎているのではないかと私は思う。


5. リスクを楽しむ

私がシリコンバレーで仕事をしたのは、サン・マイクロシステムズに新入社員として入社して研修を終えた後の半年ほどの短い期間だ。

帰国後何ヶ月かで日本でアプレッソという会社を始めたのだが、その一番大きなきっかけとなったのが、シリコンバレーのベンチャー企業(Imperito Networks という会社で今はもう潰れてしまった)の CTO のアロンゾと話をしたことだった。

当時23歳だった私は、日本発のソフトウェアを開発してみたいと漠然と思っていたが、自分が会社を始めるのは今の時点ではまだ無理だと思っていた。仮に始めたとしても、自分が持っている技術が、世の中に出して一つの会社を支えることが出来るものなのかどうかに不安があった。

そんな私に、彼は自分がベンチャーに参加したときの話をしてくれた。
彼はシティバンクのシティダイレクト開発プロジェクトに携わっていた人間で、当時全盛だったネットスケープから多額のストックオプション付きのオファーを受けていた。
だが彼は、どこかでこの選択は間違えていると感じ、そのオファーを辞退してベンチャー企業に入った。その理由を彼は、「I just wanted to take risks.」と説明した。

リスクを取ることはマイナスのことではなく楽しむべきことなのだという発見は、その後私が物事を判断していく上で重要な視点となった。





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lalha at 02:12 │仕事  │Comments(8)TrackBack(7)

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1. 急がば回れってことだな  [ :: H & A :: blog ]   2005年12月19日 17:34
どれもこれもいちいちごもっともで、そうか、そうすればよかったんだってモノばかりです。やっぱしシリコンバレーってとこはスゴいとこなんですね。
2. シリコンバレーで学んだ教訓  [ Cagylogic ]   2005年12月20日 18:45
小野和俊のブログの私がシリコンバレーで学んだ5つの教訓という記事を読んだ。 おいらも一応、シリコンバレーの端っこで働いているんだけど、なんも学んでないかもなぁ。
3. 会議の最適化。  [ 福井県のビジネス交流イベント「アップグレードふくい」担当者ブログ ]   2006年04月21日 10:04
長い会議に出る度に思う無駄な時間。一番圧縮できるであろう、会議の最適化について、とても簡潔にまとめてらっしゃる小野和俊さんのブログを、自分へのメモ代わりに載せておきます。 会議を最適化する  ・ミーティングのゴールを明確に設定する。  ・ミーティングの最後に...
4. シリコンバレー  [ パンデイロ惑星 (PukiWiki/TrackBack 0.3) ]   2007年02月14日 13:03
シリコンバレーとはどういう場所なのか 勉強したいと思います。 ついでに英語も読めるようになりたいです。 シリコンバレー関連リンク シリコンの谷は、いま。 梅田望夫 ▲小野和俊のブログ:私がシリコンバレーで学んだ5つの教訓 http://blog.livedoor.jp/lalha/archi.....
5. フロンティア・スピリッツ  [ 浜村拓夫の世界 ]   2007年03月18日 11:20
普段、目をそむけて直視していないところに分け入ってみると、重要な発見をしたり、大きな利益を得る場合がある。 曰く「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と。 私がシリコンバレーで学んだ5つの教訓 5. リスクを楽しむ.7 /退
6. クリエイター  [ 沖縄在住のベースプレイヤー、安田陽(やすだよう)のブログ ]   2007年06月02日 09:00
ブランディングの本を読んでいたら、こんな記述があった。 「 他を意識せず飄々と我...
7. クリエイター  [ レキサスのじっくりコツコツ書いたブログ ]   2007年06月12日 17:30
こんにちは、ビジネスデザイン部の安田です。 コーポレートブランディングの本を読ん...

この記事へのコメント

1. Posted by N   2005年12月22日 13:40
内容の深いBLOGですね。
会議は本当にほっておくと収集がつかなくなってしまい
時間の無駄という事がおきてしまいますもんね。
2. Posted by shingoy   2005年12月23日 17:08
5 いいねぇ、小野君。勉強になるよ。
3. Posted by 浜村拓夫   2007年03月18日 10:35
5 5.リスクを楽しむ、という発想はスゴイ!
「これはリスクだから回避しよう」と判断する価値基準は、各人で勝手に作り出しているものでしょうか?
リスクを回避してばかりでは、リスクの中に埋蔵されているチャンス(お宝)も取り逃がすことになりますね。
虎穴に入らずんば虎児を得ず〜リスクを楽しめるだけの余裕、技術的な力量を身に付けたいもんです。(・∀・)
4. Posted by ささっち   2007年09月20日 21:48
そうですよね。忙しくても休暇は必要。精神論でがんばっていると、人間関係まで悪化した経験があります。
5. Posted by procy   2008年06月17日 11:57
通りがかりですが、私は今、あるベンチャー企業から入社の誘いを受けています。仕事の内容には強い興味がありましたが、やはり安定性やベンチャーの風土などに不安がありどうするべきか迷っていました。
しかしこの記事を読んで決心が付きましたリスクを楽しんでみるですか、とても愉快な発想だと思います。この記事を書いて頂いてありがとうございました。
6. Posted by 菊岡翔太   2009年10月02日 20:24
私は大学生の頃一年間アメリカへ派遣留学をした経験がありますが、今回記事を読ませていただいて小野さんの2番目の教訓はまさに私もアメリカにいたときに学びました。
渡米する前は、アメリカ人はすべてはっきりしていて、一見悪そうな意見は即否定するのかと思っていたのですが、実際はそうではなく、相手の意見を尊重しそのなかでいい部分がないのかを探している姿勢がよくわかりました。
日本では始めから「あいつの意見はダメだ」とか「話の最初が全然ポイントをつかんでいないから聞くのをやめた」ということが、実際かなり多く存在するかと思います。
そういう点で、私も彼らの姿勢がすごく参考になりましたし、自分もそういった人間でいたいなという風に思いました。
7. Posted by    2011年03月01日 05:16
あーシリコンバレー懐かしいわー
まじで懐かしいわーシリコンバレー

by地獄のミサワ
8. Posted by 赤塚慎也   2012年05月05日 18:30
シリコンバレーは、素晴らしいですね

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