1. 会議を最適化する

ミーティングのゴールを明確に設定する。
ミーティングの最後に必ず結論と ToDo を確認する。
ミーティングの回数をできるだけ少なくして時間もできるだけ短くする。
ミーティングのトピックごとに関係する人だけ集めて最少人数で議論を行う。
(途中であなたはこのトピックに関係ないから退席して良いです、と指示がでる)

会議を最適化することで労働時間中の実作業時間を最大化させ、労働時間全体を圧縮する。そして、早く帰る。

この体験は、その後自分が会社で会議をしていく上で大きく役立った。
XM(eXtreme Meeting)にも、この時の体験が直接的にも間接的にも影響を与えたと思う。


2. おかしなことを言われても、注意深く耳を傾ける

アドバイザーとしてプロジェクトに参加していたテクニカル・コンサルタントが、技術的に明らかに間違った発言をしたことがあった。

私を含む日本から来ていた何人かのメンバーは、あんな基本的なこともわかっていない人間の意見は聞くべきではないというムードになっていた。

彼の言っていることはおかしい、という指摘を受けて、マネージャのダグラスは、技術的に間違えているとしても何かあるに違いないと言ってますます注意深く彼の話に耳を傾けた。

結果としては、彼が技術的に間違ったことを言っていたことも事実だったし、そういうことだったのか、と皆をうならせるものが彼の言おうとしていたことの中にあったことも事実だった。

この体験を通じて、泥の塊を投げつけられたとしても、その中に何か光るものがあるはずだと探していこうとする姿勢の大切さを学んだ。


3. 行き詰ったら、どんなに忙しくてもリフレッシュする

プロジェクトが思うように進まず、どうしたものかと頭を抱えていたときに、ダグラスが突然、スキー板は持ってきたかと聞いてきた。持ってきていないと答えると、じゃあ現地で借りればいいかなどとぶつぶつつぶやいている。

次の日から3日間、私たちはオフサイトミーティングという名目で、休暇を取るのではなく仕事の一環として、レイク・タホにスキーに出かけた。

リフレッシュの効果には驚くべきものがあった。帰ってからの私たちの生産性は、滑りながら考え付いた新しいやり方が功を奏したこともあって、出かける前の数倍になったので、結局はスキーに出かけたことが効率向上につながった。

他にも、忙しいときに登山に出かけたり、森に散歩しに行ったりした。


4. 最新情報を血眼になって追いかけない

アナリストやコンサルタントの場合には違うのかもしれないが、少なくとも私が所属していたチームのエンジニアは、血眼になって最新情報を追いかけたりはしていなかった。
これは、情報にキャッチアップしいくのではなく、情報を提供する側になる、という視点から見たときにとても重要なことだ。

新しい考え方や製品が日々現れては消えていく時代にあって、最新の情報にキャッチアップし続けようと努力することは、それが楽々とこなせる人を除いて、キャッチアップすることに手一杯になって、その人から新しいものを作る要素を奪ってしまう危険性がある。

知識が摘み取る創造力の芽で書こうとしたことは、これと近いことだ。
日本のエンジニアはアメリカの最新情報についていこうとしすぎているのではないかと私は思う。


5. リスクを楽しむ

私がシリコンバレーで仕事をしたのは、サン・マイクロシステムズに新入社員として入社して研修を終えた後の半年ほどの短い期間だ。

帰国後何ヶ月かで日本でアプレッソという会社を始めたのだが、その一番大きなきっかけとなったのが、シリコンバレーのベンチャー企業(Imperito Networks という会社で今はもう潰れてしまった)の CTO のアロンゾと話をしたことだった。

当時23歳だった私は、日本発のソフトウェアを開発してみたいと漠然と思っていたが、自分が会社を始めるのは今の時点ではまだ無理だと思っていた。仮に始めたとしても、自分が持っている技術が、世の中に出して一つの会社を支えることが出来るものなのかどうかに不安があった。

そんな私に、彼は自分がベンチャーに参加したときの話をしてくれた。
彼はシティバンクのシティダイレクト開発プロジェクトに携わっていた人間で、当時全盛だったネットスケープから多額のストックオプション付きのオファーを受けていた。
だが彼は、どこかでこの選択は間違えていると感じ、そのオファーを辞退してベンチャー企業に入った。その理由を彼は、「I just wanted to take risks.」と説明した。

リスクを取ることはマイナスのことではなく楽しむべきことなのだという発見は、その後私が物事を判断していく上で重要な視点となった。