2006年01月11日

プログラマーとデザイナーの境界

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UIデザイン・プログラマーの話を書いたときに、何人かの方からそもそもUIデザイン・プログラマーはプログラマーではないのではないかという指摘をいただいた。

プログラムが書けるデザイナー
今となっては信じられないことだが、HTMLが普及し始めたばかりの頃にはHTMLを書くのはプログラマーの仕事で、その素案を作るところまでがデザイナーの仕事だった時代がほんの少しだけあった。すぐにデザイナーがツールの活用やスキルの習得によってHTMLを自分で書くようになって、動きのないWebページのデザインはデザイナーが、掲示板のようなCGIプログラミングが必要な箇所はプログラマーが担当するようになった。そしてさらにその後すぐに、JavaScriptやCGIを自分で書くことができるデザイナーが現れた。

デザインができるプログラマー
かつてはスクリプト言語であれプログラミング言語であれ、自然言語以外の言語と名の付くものはプログラマーが担当する傾向があった。業務系のシステムを中心に、プログラムが関係するものについて画面やユーザビリティをデザインするのは、デザイナーではなくプログラマーだった。しかしソフトウェアが専門家によってだけではなく、より広く使われるようになってくるにつれ、プログラム設計上の都合が表に出ているソフトウェアは使いにくいものとされ、敬遠の対象となるようになってきた。ユーザビリティの意識の高まりの中で、リッチクライアントという言葉が流行し、画面や操作性、操作感に気を配ることができるプログラマーが注目されるようになってきた。

ユーザビリティ・デザインの対象範囲
ソフトウェアの手触りをデザインする際には、静的な画面デザインだけでなく、ユーザーのどのような操作に対してソフトウェアはどのように反応していくかを考えていく必要がある。この過程において、デザイナーは現在の技術でそれが実現できるのかどうかを念頭に置きながらデザインを作っていく必要がある。プログラマーは、ユーザーの体験をイメージしながらデザイン的な要素をよく考えてプログラムを開発していく必要がある。役割分担があってデザイナーが操作デザインを作成したとしても、手触りに決定的に関係する詳細な部分の仕様に書かれていない仕様については、プログラマーに委ねられているところがある。

UIデザイナブル・プログラマーとプログラマブル・UIデザイナー
こうした背景の中で、今日ではデザイナーとプログラマーとは、お互いに接近傾向にある。AJAXが脚光を浴びることでこの傾向は加速し、AJAXなWebアプリケーションの操作デザインができる人がデザイナーなのかプログラマーなのかは人によって定義が異なるのではないだろうか。過去の経歴から、デザイナー出身の人はプログラマブル・UIデザイナーと呼べるだろうし、プログラマー出身の人はUIデザイナブル・プログラマーと呼べるだろう。両者の間には、お互いに「あいつは基礎をきちんと学んでいない」というような批判が起こることもあるだろう。

UIデザイン・プログラマー
出身の違いこそあれ、UIデザイナブル・プログラマーとプログラマブル・UIデザイナーとが目指すところには本質的な違いはないと思う。UIデザイン・プログラマーという言葉は両者の総称で、プログラミング的な要素とデザイン的な要素の両方を気にかけながらUIデザインやその実装を行っていこうとする方向性や、それを実践している人を指す言葉だ。プログラムの設計の世界ではMVCに代表されるように見た目のデザインとプログラムのロジックやデータを分離していく傾向があるが、それを実践する人たちの境界は徐々になくなってきていると思う。


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lalha at 01:45 │プログラミング  │Comments(0)TrackBack(0)

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