2006年12月27日

エンジニアの進むべき道についてエジケンのブログを読んで考える

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エジケンこと江島健太郎の1週間ほど前のエントリにはどのような意味があったか。

それは一言で言えば、確かな能力を身に付けるよりも、確かでない何かに向かっていくことこそがエンジニアの進むべき道なのだと、エンジニアが目指すべき方向性を再定義したことにあると思う。

誰しも足りないところを指摘されて不安を煽られれば焦る。だから、何か面白そうなことを思いついても、その分野について専門的に知りもしないのに何を偉そうなことを言っているのだ、あの本やこの本はもう読んだのか、読んでいない?だったら論外だ出直して来いなどと言われると、萎縮して自分は何も知らないのに思いつきだけで言葉を発してしまったと反省して、次からはちゃんと知識を確実に身に付けてから発言しようと心がける。そうやって叩かれて、今ある技術に対する理解を深めて、間違いのない確かな提案や発言のできるエンジニアになっていくことが、仕事のできるエンジニアになっていくためのパスとして定着してしまっているところがあると思う。

一方で、エジケンが提唱し自ら実践しているエンジニア像とは、こんなものがあったら人の生活が大きく変わるかもしれないという、これまでの経験を総動員していると言いながらも結局は直感でしかないその不確かな感覚に身を委ね、しかも Google よりも何よりも客観的に見たとしても今自分がやっていることが世界で一番ホットだと言い切りながらもその確信と同じくらいの確率で起こりえる失敗の可能性を自覚しつつ、しかしそれでもその不確かな方向に進んでいく、そんなエンジニアである。大成功した人が後に美談としてこういうことを語ることはよくある。しかし今まさにチャレンジの真っ只中にあるエジケンの立場でこれを言い切ることはとても勇気がいることで、それだけにエジケンの言葉は生々しく、力強い。

また一方で思うのは、エジケンにも、私を含むその他のエンジニアにも、そもそもエンジニアとして失うものなんてほとんどないのではないかということである。不確かなものに向かっていこうとしたときに失われそうに思えるものはいくつもあって、例えばそれはキャリアであったり収入であったり大手企業や名の知れたベンチャー企業に所属しているというブランドであったりするわけだが、不確かな何かを目指すことでそれらは一時的には失われるかもしれないが、チャレンジしている人の周囲には同じようにチャレンジしている人が集まってきて何にも替えがたい人間関係ができたりするし、誰も手を出していない領域に挑んでいるうちに気付いたらその分野のナンバーワンになっていて引っ張りだこというブルーオーシャン的な話もよくある。そう考えると、不確かな領域を目指すという英雄的なことを宣言しているエジケンのような人が実は一番計算高く、確かな成功に、場合によっては爆発的な成功に、しかも好きなことをしながら、一歩一歩着実に向かっているようにも思う。


過去の記事のランダムピックアップ(手動):
スーパーマリオとの会食



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5 案外、歴史的書物かもしれない
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立場の人間にぜひ読んでもらいたい。
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lalha at 03:08 │IT業界  │Comments(3)TrackBack(1)

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この記事へのコメント

1. Posted by kenn   2006年12月27日 10:55
そうだったのか!!
2. Posted by 小野和俊   2006年12月27日 12:18
> エジケン

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3. Posted by kenn   2006年12月28日 05:27
ありゃ、編集部に確認します。

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