昨年末あたりから、開発加速のためにエンジニアを募集しようと、
商用媒体にいくつか広告を出したりしてみたのだが、
なかなか良い人が見つからず、困っていたのである。

何か方法はないかと社内で立ち話をしているとき、
ふとこんな風に思ったのである。

「Twitterに書いてみたらどうなるかな?」

その発言から5分もしないうちに、私は急いで席に戻って、
Twitter に社員募集のメッセージを書き込んだ。

これが、2月19日のことである。

その後、4月7日現在までに、約30人の人からリプライをもらったり、
DMをもらったり、会社見学に来てもらったりした。
結果的には現時点でもう出社している人が一人おり、
あと二人のエンジニアが近日中に開発チームに参加してくれることが決まっている。
今まさに面接の最中の人も何人かいる。

このエントリで書きたいことは、
Twitterで実際に採用活動ができた、
ということではない。

Twitterで採用活動をしてみたら、
今までの採用活動と全然違うことが起こった、

ということである。

■ はじめて会った、という気がしない
役職上、面接というのはかなりの回数、面接官の立場で経験してきたつもりだ。
これまで私が見てきた従来の採用活動と、
今回の Twitter の社員募集とで決定的に違ったことの一つは、

はじめて会った気がしない

ということだった。

それもそのはずである。
なぜなら Twitter で、
今日こんな楽しい事があったとか、
こんなエントリを書いたとか、
この音楽が好きとか、
こういう風になりたいとか、
眠いとか、酒飲みたいとか
今の仕事のここがいやとか、
一日ゲームばかりしてたとか、
そういう書き込みをお互いに見ているわけである。

従来のスタイルの面接では、
応募者からは志望動機、これまでの経歴、などが説明され、
企業側は会社の事業内容や会社の雰囲気、勤務形態
などについて説明するスタイルが一般的だった。

これが、今回のTwitterでの採用活動では、面接での会話は次のようなものだった。

まず企業側からの質問は、
「ブログで○○についてかなり調べて書かれてましたけど、
どのあたりに興味を持たれて始めたんですか?」
とか、
「Twitterに今の仕事がつまらないと書いてましたけど、
どのあたりが不満だったんですか?」

という感じで話が進み、
応募者側からの質問はと言えば、
「以前ブログでジョエルテストやってるってみましたけど、
例えばデイリービルドとかどんなレベルでやられてますか?」
とか、
「風邪治りました?」とか、
お互いにある程度相手のことを知っている前提で話が進むのである。

従来のスタイルが、まったくの他人同士が初めて会ってガードを上げながら
コミュニケーションしていくものだったのに対し、
以前から愚痴も嬉しかったことも聞いている知り合いが、
会社に興味を持って応募してきてくれたような感じで話が進んでいく。
しかも実際にはお互い一度もあったことがないのに、である。

時々、就職してみたら会社の雰囲気になじめないのでもう辞めたいとか、
採用してみたら職務経歴書に書いてあるようなスキルが全然なくて困ったとか、
そういう就職にまつわる不幸な話を耳にすることがあるが、
ネットコミュニケーションと仕事を決めることととの結びつきが強くなってくるにつれて、
そういうことは起こりにくくなってくるのではないか。

今回、実際に Twitter で社員を募集してみて、
そんな風に思った。


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