ベンチャー支援をしている知人から、総務省のプロジェクトでこんなんつくりましたということで、「事業計画作成とベンチャー経営の手引き」という資料が送られてきたのだが、これが無料で配布されている資料とは思えないほどの非常に充実した内容で、いつか会社を始めるかもしれないと思っている人にはきっと役に立つだろうと思ったのでブログで紹介したいと思う。
「事業計画作成とベンチャー経営の手引き」は218ページにわたるパワーポイントの資料からなる(PDF版もある)。
冒頭に下記のように宣言されているだけあって、その内容は実に生々しい。
例えば取締役会運営の項目では、次のような記載がある。
普通、VCの人は立場上、こういうことはあまり言いたがらないものだ。
しかしベンチャー運営の実態として、上のような問題に頭を抱える企業経営者は私が知っている限りでも数多くおり、それを理由にVCからお金を入れてもらわなければよかったと不満をもらしている人もいる。こうした陥りやすい問題が事前に把握できていれば、そうならないようにしたいという希望をVCなどの投資家にはっきりと伝えながら交渉を進めていくことができ、資金調達後の投資家とのコミュニケーションも円滑に進みやすくなる。
上に挙げた内容は218ページ中の1ページのさらにほんの一部分で、こうした生々しくかつ実践的な内容が、事業計画書作成のポイント、事業計画書テンプレート、会社設立手続き、オフィスの決定と整備の方法、知財戦略、契約書の作成方法、NDA締結の意味、弁護士の使い方活かし方、エンジニアスキル評価制度、給与とストックオプションの決め方、資金調達までのステップとそれによって生じる責任、資本政策見本例など、多数の表やグラフなどの視覚的資料とともに項目ごとにまとめられており、さらに丁寧なことに各章の終りにはチェックリストまで付いている。
もちろん、ここで触れられているのは、どのようにやっていくかというHowの部分で、何をつくるのかというWhatの部分は自分自身で考えていかなければならない。
また、実際には、突然エンジェルが莫大な投資を決断してくれるなど、ここに書かれている「スタンダードなやり方」とは異なる形で事態が進展していくことも多々ある。
しかし、Whatが見えていながらもHowで行き詰ったとき、本資料はきっとあなたに何かしらのヒントを与えてくれるだろう。
近いうちに、あるいはいつの日にか自分で会社を立ち上げてみたいと思っている人にとって、これ程実践的に役立つ資料はなかなかお目にかかれないのではないか。
資料のダウンロードは以下のURLの「事業計画作成とベンチャー経営の手引き」から:
・総務省報道発表資料「事業計画作成とベンチャー経営の手引き」及び「事業計画作成支援コースの運営とベンチャー支援上のポイント」の公表
→ 公開期限が切れてしまったようです。制作を担当したブレークスルーパートナーズさんの資料ダウンロードから同資料がダウンロードできます。
関連エントリ
・ベンチャー企業の始め方
・スーパーマリオとの会食
・心に残るプレゼンは、必ずと言っていいほど事前に用意周到に準備されている
同資料についての他の方のエントリ
・ヘッドハンター岡島悦子のインサイト - 事業計画書のバイブル登場!
・巳野聡央の「新しいモノづくり」×「新しいビジネスモデル」の情報発信ブログ - 事業計画の作り方って誰に教えてもらいます?
爽快な読後感
これからの時代の標になるかも・・・
シリコンバレー精神好きだ〜
ウェブ時代の名言集
冒頭に下記のように宣言されているだけあって、その内容は実に生々しい。
説得力ある合理的な事業計画」をどう作成し、日々の経営にどう活かすのか、相談相手の少ないベンチャー経営者の参考にしていただくこと、指針を少しでもご提供することを意図している。こういった努力の結果、日本から急成長ベンチャーが1社でも多く生み出されることを強く祈願したい。
P.5 総務省 ICTベンチャー向け事業計画作成支援コースの意義 より
事業計画作成について詳しく記された書籍は10年来多数出版されているが、その結果として高成長ベンチャーが続々生まれた、という状況にはまだあまり至っていない。
その理由としては、①ベンチャー社長、ベンチャー創業準備中の方にとってこれらの書籍を使いこなすことが決して容易ではないこと(複雑すぎたり細かすぎたりする。普通の人には、なかなか全部を理解できない。一方、かゆいところに手が届いているわけでもない)、②ベンチャー社長が苦労している日々の課題解決にはほとんど触れず、事業計画作成だけにとどまっていること、さらに、③ベンチャー社長の経営能力にも極めて大きな改善余地があるが、強化方法はほとんどカバーされていないこと(社内の意思決定、事業計画の日々の実行、社内組織・体制構築、社長自身の成長等)などがある。
本マニュアルはこれを鑑み、ベンチャー社長、ベンチャー創業準備中の方が一人で(あるいは仲間と)読み、できるかぎり考えを深め、質の高い事業計画を作成できるような内容とした。またその事業計画に基づき、社長としてどう経営し、事業構築のリーダーシップを発揮すべきか、状況に応じいかに方向修正すべきか、自分自身をどう変革し成長させるべきか詳細に述べた。
P.6 本マニュアルのねらい より
例えば取締役会運営の項目では、次のような記載がある。
【陥りやすい問題点】
VC等の投資家が社外取締役、オブザーバーとして取締役会に参加する場合は、経営方針に関する本質的な議論よりも、月次決算の確認、予算達成状況等の確認・追及になることが比較的多い。質問も、何人かの投資家がそれぞれ納得するまで続けるので、膨大な時間を取られることがある。
【ベンチャー社長が取るべきアプローチ】
取締役会は機関決議等にとどめ、通常は毎月極力1時間程度で終了するよう、議事を進める。株主の質問だといって極端に遠慮せず、ある程度は仕切る。そうしないと、時間がいくらあっても足りない。出席しているVC間には遠慮が見られ、お互いの振舞いに対してあまりチャレンジしないことが常なので、社長が遠慮するとスピーディーに進められない。
P.105 取締役会の効果的な運営 より
普通、VCの人は立場上、こういうことはあまり言いたがらないものだ。
しかしベンチャー運営の実態として、上のような問題に頭を抱える企業経営者は私が知っている限りでも数多くおり、それを理由にVCからお金を入れてもらわなければよかったと不満をもらしている人もいる。こうした陥りやすい問題が事前に把握できていれば、そうならないようにしたいという希望をVCなどの投資家にはっきりと伝えながら交渉を進めていくことができ、資金調達後の投資家とのコミュニケーションも円滑に進みやすくなる。
上に挙げた内容は218ページ中の1ページのさらにほんの一部分で、こうした生々しくかつ実践的な内容が、事業計画書作成のポイント、事業計画書テンプレート、会社設立手続き、オフィスの決定と整備の方法、知財戦略、契約書の作成方法、NDA締結の意味、弁護士の使い方活かし方、エンジニアスキル評価制度、給与とストックオプションの決め方、資金調達までのステップとそれによって生じる責任、資本政策見本例など、多数の表やグラフなどの視覚的資料とともに項目ごとにまとめられており、さらに丁寧なことに各章の終りにはチェックリストまで付いている。
もちろん、ここで触れられているのは、どのようにやっていくかというHowの部分で、何をつくるのかというWhatの部分は自分自身で考えていかなければならない。
また、実際には、突然エンジェルが莫大な投資を決断してくれるなど、ここに書かれている「スタンダードなやり方」とは異なる形で事態が進展していくことも多々ある。
しかし、Whatが見えていながらもHowで行き詰ったとき、本資料はきっとあなたに何かしらのヒントを与えてくれるだろう。
近いうちに、あるいはいつの日にか自分で会社を立ち上げてみたいと思っている人にとって、これ程実践的に役立つ資料はなかなかお目にかかれないのではないか。
資料のダウンロードは以下のURLの「事業計画作成とベンチャー経営の手引き」から:
・
→ 公開期限が切れてしまったようです。制作を担当したブレークスルーパートナーズさんの資料ダウンロードから同資料がダウンロードできます。
関連エントリ
・ベンチャー企業の始め方
・スーパーマリオとの会食
・心に残るプレゼンは、必ずと言っていいほど事前に用意周到に準備されている
同資料についての他の方のエントリ
・ヘッドハンター岡島悦子のインサイト - 事業計画書のバイブル登場!
・巳野聡央の「新しいモノづくり」×「新しいビジネスモデル」の情報発信ブログ - 事業計画の作り方って誰に教えてもらいます?
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起業家へのアドバイス爽快な読後感
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コメント
コメント一覧 (7)
参考にしてますw
ブレークスルーパートナーズさんのサイトからダウンロード可能です。
http://www.b-t-partners.com/
ご指摘ありがとうございます。本文の方にもブレークスルーパートナーズさんの資料ダウンロードページへのリンクを追記しておきました。
http://b-t-partners.com/?page_id=140
ありがとうございます、資料ダウンロードページ修正しておきました。
https://b-t-partners.com/document
ありがとうございます。URL修正しました。