2008年06月24日
キレるスーパーゲーマーの話
昨夜の彼との会話はこの一言から始まった。
彼は1000万人以上のアクティブユーザーを誇るWoWの世界において、
世界最激戦区と言われるBG9の3onで6位まで上り詰めたスーパープレイヤー。
彼とはここ1ヶ月ほどWoWのアリーナを一緒にやらせてもらっているのだが、
アリーナ新参者の私はいつも彼から教えられてばかりである。
そして、彼は割とよくキレる。
アリーナというのはWoWの対人戦の中で、
2対2、3対3、5対5などで腕を競う試合だ。
ゲームで生計を立てるプロのプレイヤーも多数参戦しており、
ちょうど今現在も賞金2000万円のトーナメントが開催されたりしている。
私とのレベル差があまりにも大きいため、彼はアリーナ対戦中によくキレる。
勝っているときは機嫌が良いのだが、
負けが続くと、みるみると機嫌が悪くなっていき、
キレ気味の発言をしたり、イヤミを言ったりする。
その彼が昨夜、冒頭のようなことを言ったのは、
レベル差の大きいこのチームでキレる癖がついてしまい、
互いに高レベルで尊重し合っていたはずのチームの中でも
よくキレるようになってしまったからだという。
私は彼がキレることについて、毎回畏縮こそするものの、
これまでまったくイヤだと思ったことがなかったので、
「いや、まったく問題ないので、今日も存分にキレてください」
と返したのだが、このように相手がキレてもまったく嫌な気分にならないケースについては
一考の価値があると考え、エントリを書こうと思った次第である。
まず第一に、彼がキレる理由は明白だ。
それは、高みを目指しているからである。
事実、彼の飽くなき探求心と練習と才能とで、彼は世界で指折りのポジションを手にした。
アリーナのチームに誘ってくれた時に彼が言った言葉は、
「一緒に上を目指しましょう」というセリフだった。
にもかかわらず、私は失敗して謝ったりしながら彼の足もとにも及ばないところでもたもたしている。
ここで、相手は初心者なんだしこのくらいのものだろうと割り切る人もいるのだろうが、
彼は妥協しない人であり、自分に楽々とできるこの程度のことがなぜできないのかと腹を立てる。
ムービーを撮って問題の箇所を指摘し、なぜこんな失敗をしたのかと問いただす。
彼が最初にキレたとき、ああ、これは今まで幾度となく見てきた光景だ、と思った。
私がディジャブだと感じたのは、キレるスーパープログラマーたちのことである。
ずば抜けて優秀なプログラマーの中には、もちろん性格も温和で人当たりの良い人もいるが、
キレやすいスーパープログラマーというのは相当数存在する。
例えば未踏関係のミーティングで参加者がキレる場面が思い出されたり、
以前アプレッソで仕事をしてくれていた、SkypeのJava APIをオープンソースで開発して
そのままSkype オフィシャルAPIとして採択されてしまった超優秀な某氏に至っては、
キレて会社のWikiのビジョンの項目を勝手に書き換えて問題になったことがあったりもした。
そういえば梅田望夫の書籍にも、送られてきたフロッピーディスクの梱包が本来あるべき姿から
遠すぎるという理由で狂乱しながら梱包を破って床にたたきつけるハッカーの話が
紹介されていたような気がする。
キレるスーパープログラマーについても、キレる理由は明白で、
やはり高みを目指しているからである。
理想を高く持っているので、そこにたどり着けていないことにもどかしさを感じてキレる。
キレること自体は一般にあまり大人げない行為であるわけだが、
もしそのキレる原因というのが上記のような情熱に根差したものである場合、
その人のキレ気味の発言やしぐさは、情熱ゆえの熱暴走なのでまったくイヤなものではないし、
職場やプロジェクトやアリーナのチームに温和な空気を保ち続けることよりずっと
大切なことなのではないかと、
結局最後に負けが込んできて少しキレ気味の発言をし始めた
スーパーゲーマーの彼とアリーナで試合をしながら、考えた。
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この記事へのコメント
精神のブレで自分のプレイを台無しにしないために、
行動を律します。メンタルに影響しますから。
チームプレイならなおさらです。
自分は印象は全く逆でやはり6位なのは理由があるなと思いました。
記事読ませていただきました。
キレることとキレる理由は別問題ではないかと思います。
キレる理由は納得できるものだとしても、現実的にキレるという行為は他人に不快感を与えることが多いので、直すべきだと思います。
その理由を理解して許してくれる人がいるとしても、全ての人に理解してもらうのは現実的には難しく、その彼のためにも、キレない方がいいと諭すべきではないでしょうか。
個人的な意見でした。
しかし、僕が一緒に試合をしてきたbg9のhigh rankerどもは8割キレやすい人で構成されています。
やはり情熱もとい執念というものが大切なのでは・・・?
熱くなったらインターバルを置くことをお勧めします。

