2008年07月14日
高校時代、陸上部の先輩は私にそう言ったのだった。
私は当時、反抗心だけで、
型なんて覚えずにあんたなんて追い抜いてやるさ、と思ったものだが、
だからと言って一人だけ部活とは別に練習をするわけにもいかず、
動き作り、走り込みなど、先輩から言われたとおりに、
望ましいとされる同じ動きを自分自身の体が自然に動くようになるまで、
毎日、夜遅くまで何度も練習した。
面白いのは、型を覚える練習を何ヶ月も繰り返していると、
ある時点でふと自分にあった「型」というのが見つかることだ。
例えば、陸上の短距離走では初速をつけるために
スタート後しばらくは前傾姿勢を取るのだが、
私の場合には前傾姿勢をその後しばらく取り続けると
タイムが良くなることがわかってきた。
最終的には、400m走で250m付近まで前傾に近い姿勢を取り続ける
スタイルが定着して、高校2年の頃にはちょうど50秒*1で
400mを走りきることができるようになった。
これとまったく反対の事例として、プログラミングの場合、
最初は電波通信社のマイコンBASICマガジン(通称ベーマガ)の
読者投稿プログラムを自室のPC-8801に見よう見まねで打ち込み、
ここを変えたらこうなりそうだという箇所を見つけて
少しずつ変更しながら覚えていくという、
型がまったくない状態で学習を始めたのだが、
やっていくうちに、ここはコードが重複しているからまとめようとか、
ここは後で読み返したときにわかりにくいからこうしようとか、
特にオブジェクト指向言語を使うようになってからは、
自分で考えたと思っていた工夫が、
デザインパターンとして一般的な「型」として
すでに名前がつけられていた、ということがよくあった。
また、「型」という答えが最初から与えられていない分、
自分がどうきれいに整理するか何時間も考えた課題に対して、
別のやり方が「型」として提供されている場合には
同じテーマについて考えたことがある分、すぐに理解できた。
実は今日このテーマでエントリを書こうと思ったのは、
私が最近没頭してやまないWoWのアリーナという対人戦で、
ここ半年ほどがむしゃらに練習し、装備も集め、
しかしどうしても超えられない壁があり、
もはや自分には才能がないのか、と半ばあきらめかけていたところが、
昨夜23時頃に、少しだけ「型」が見えた気がしたのである。
ここで相手の流れが止められれば、という勝負の分かれ目で、
自分がどう動けばいいのかが、ああ、こうすればいいのか、と、
ふと理解できたのである。
この半年間の、時に苦しく、
時にその他の多くのことを犠牲にしながら続けてきた練習が、
ここにきてようやく実を結び始めたのかもしれない。
だから昨夜のアリーナは、
先日エントリに書いたスーパーゲーマーの彼にも、
14試合中、2回も褒めてもらえた。
陸上競技の話でも、プログラミングの話でも、ゲームの話でも、
すべてに共通するのは、
「型」が身について自分のものになるまでには
それなりに回数をつまなければならないし、
逆に「型」なしで自分のスタイルで始める場合にも、
自分なりの「型」が見えてくるのは、
やはりそれなりに経験を積んだ後である。
頭では理解できてもだからといって即、
自分がそのとおりに行動できるわけではないということは、
スポーツやプログラミングやゲームだけでなく、
達人と呼ばれる人が存在する世界に身をおいたことがある人なら
誰しも理解するところだろう。
これから新しく何か始めることがあって、
すぐに自分が他の人のようにはうまくできないことがあっても、
何かを身に着けるのには、大抵の場合、時間がかかるのだ。
だから、これは面白い、と思えるものがあったら、
最初の何ヶ月か何年かダメでもすぐにあきらめずに、
何度落ち込むことが合っても、場数を踏んでいこう。
昨夜23時頃に、そう心に決めた31歳の夏であった。
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この記事へのコメント
楽しくなってきましたね。

