「起業してほぼ確実に成功する方法」

ホリエモンのこのエントリを、まあそうだよねーと思いながら読んでいたのだが、はてブのコメントを見たところ結構ネガティブな反応が多かったので驚いた。

どうも最近ネットでは、「長時間働くのは格好悪い」「海外ではそんな働き方誰もしていない。日本人格好悪すぎる」というようなエントリがよく話題になるようだが、私なんかはこうしたエントリを読む度に、

打ち込んでいることにできるだけたくさんの時間を使おうとするのってそんなに格好悪いことですか??

と思うわけである。例えばshi3zさんとかはiPadが発売されるからということでサンフランシスコまで出向いてすぐにレビュー中継を配信したりしている。iPhoneの時もそうだったけど、自分が情熱を傾けている対象に対して、この上でどんなものを動かしたら面白いだろう、何が必要になってくるだろうと必死で考えて、徹夜で仕事して会社に泊まって、私はそんなshi3zさんを、ものすごく格好良いと思うけどな。たまに喧嘩するけど。

ちなみに、ブクマコメントで「ホリエモンの言う起業家はネトゲ廃人と似ている」という指摘があったので、先日までWoWに心酔して没頭しており、現在はブラウザ三国志のネトゲ廃人と化しつつある私としては、起業+ネトゲ廃人ということで呼びましたか?と感じるところもある。ちなみにブラウザ三国志は「1日5分で遊べるゲーム」みたいに言う人もいますが、あれは嘘です。少なくとも世界の覇権を夢見る同盟の盟主の場合には。戦略を練る時間や書簡のやり取りの時間を全部含めると、5000時間プレイしたWoWとほとんど変わらないペースで時間かかってます*1。すみません脱線しました。

起業の話に戻すと、私自身、最初の2年間は年末年始もゴールデンウィークもなく、730日間1日も休まず仕事をした。その結果、没頭するのは良いがやはり徹夜の連続はダメだ、という結論に至り、「徹夜をしてはいけない理由」というエントリを書いたりした。ホリエモンと大きく前提が違うのは、ホリエモンは「やりたいかどうかではなく、儲かるかどうか」を基準に考えるべきだと言っているのに対して、私の場合には「自分がやりたいことで、自分がやって意味がありそうなこと」という考えでいるので、はっきり言ってホリエモンのように効率は良くないし、成功の確率も下がると思うが*2、確実に言えることとして、

エネルギッシュに活動している人はそれなりのアウトプットを出しやすい

ということがあると思う。ただし、そのエネルギーに巻き込まれる周囲の人に迷惑をかける人も少なくないけど。

先程のネトゲの話ではないが、これは仕事だけでなく、何かに取り組むこと全般に言えると思うわけですね。例えばニコニコ動画で徹底的にこだわったコンテンツをつくって「才能の無駄遣い」をしている職人に、「何そんなに時間かけてるの?海外ではそんな人いないよ。格好悪い」などという人がいたら、その人はよほど効率良くアウトプットを出せる人か、自分は何かに打ち込むことも効率的に成果を出すこともできないのに斜に構えて格好つけているだけのダメな人かどちらかだろう。

分裂勘違い君がコメントで、「そこまでやっても失敗するときは失敗するし、そこまでやらなくても成功するときは成功する」と書いていて、これは確かにそのとおりで、要領良くスルスルッと効率的に会社の立ち上げを成功させる人もいる。そういうことに慣れているとか、地頭が異常に良く、人の気持も理解でき、先見性もあり、しかも弱いところも持っていてオールマイティーだとか。もちろん、そういう人でもあまり上手くいかないこともあるけど。

別に誰もが熱血根性論で物事に取り組まないといけないとは思わないけど、もし、「長時間かけて何かに取り組むなんて格好悪い、海外ではそんなことない」とか、そういう斜に構えた態度が広がっていくと、自分は精神的に去勢されてエネルギーがなくなって大した成果も出せないのに、何かに夢中に取り組んでいる人を馬鹿にしようとする、というダメな人達が増えて行ってしまうのではないかと心配です。


*1 ところでドワンゴには「ブラウザ三国志への資金投入は給料の20%まで」という「20%ルール」があるという噂ですね。恐ろしいです。
*2 そもそも私が取り組んでいるミドルウェアの領域は、「小さなISV」本である「Eric Sink on the Business of Software」でも「ベンチャーが手を出しては行けない危険な領域」としてはっきり書かれているくらいですね。