昨年3月にブラウザ三国志をはじめてから1年の月日が経ちましたが、この度、3月23日の3期終了のタイミングでブラウザ三国志を引退することになりました。

当初は「噂のゲームをちょっとやってみよう」と様子見程度の気持ちでゲームを開始したのですが、様々な人と出会い、各所で戦争し、さらにはサーバーで最大の勢力「竹馬連合」を形成し制圧ランキング1位に至り、最終的には3000人を超える君主から攻めこまれて敗北必至の状況に追い込まれ、「1日5分で軽めにプレイ」する予定のはずが、気づけばゲーム開始直後からプライベートの時間のほぼすべてを投入するよう状態が続く中で、黎明期も勝利も敗北も経験し、あっという間に一年という月日が過ぎてしまいました。かなり精力的に活動していたことに加え、各所で戦争していたこと、不義理を批判して敵を作ったこと等もあり、私が所属していた17-20サーバーの2chのスレッドは、常に私の名前で埋め尽くされていました。

ブラウザ三国志における人間関係は同盟の活動形態によって大きな温度差がありますが、私が一期に盟主を勤めていたプログラマー同盟にも増して、二期・三期に盟主を勤めていた溥杏同盟はとても人間関係が濃い同盟だったと思います。

ブラウザ三国志では、援軍を一掃するための「殲滅部隊」と本拠地や拠点を破壊するための「車部隊」とを1秒差で着弾させるのが基本戦略となっています。例えば朝8時22分15秒に殲滅部隊が到着し、朝8時22分16秒に車部隊が到着するわけです。溥杏同盟では、この1秒の間に、20人以上の同盟員が殲滅兵の着弾後に車部隊の破壊を狙った「差し込み」を行います。というのも、本拠地や拠点にダメージを与えられるのは車部隊であり、車さえ壊せれば本拠や拠点を守ることができるからです。通常の戦争では、この差し込みは着弾を受ける本人か、あとは2,3人が合わせられれば御の字ですが、溥杏同盟は200名の同盟員のうち、多いときには30人以上がこの1秒の間に、ラグも考慮した上でミリ秒単位で援軍を着弾させるように調整して出兵指示を行います。

ブラウザ三国志では、戦争が始まれば何日も徹夜が続くようなこともありますが、溥杏同盟では、こうした「差し込み」をはじめとして、同盟員一丸となって「ツールを使っているとしか思えない」と評価される密な連携を手作業で行い、互いに助け合いながら戦争を進めてきました。それでも、多勢に無勢の戦争ではどうにもならないこともあります。ギリギリまで粘り、陥落して行った同盟員からの書簡に多くの仲間が涙し、どんな劣勢に追い込まれたとしても、できることは全部やって戦い抜こうと互いを励ましあいました。

戦時中に送られてくる同盟員からの書簡には一言一言が忘れられないような重みのあるものが多く、私は二十歳を過ぎてからこんなにも毎日涙する日があるのか、というくらい毎日のように泣きました。仕事で客先に移動する道中、前日に送られてきた書簡の文面を思い出し、歩行中に涙が頬を伝うことも幾度となくありました。溥杏同盟員からの書簡には、何事にも全力で打ち込むのだ、という誇りと尊厳とが滲み出ていたからです。私が引退して何年もの月日が経っても、力を尽くして共に戦った溥杏同盟員の一人一人が、永遠の戦友であると断言できます。

限りある人生の中で、ゲームに多くの時間を費やし、熱意を燃やすことは一見滑稽なことであるようにも思えます。しかし、ブラウザ三国志の世界で、直接的な実利のないものに全力を注ぐことができるすべての人たち対して、私は心から敬意を表します。味方はもちろんのこと、戦争で敵対することになった相手に対してもです。

人を傷つけることを避け、争いごとを避ける現代社会において、ブラウザ三国志という戦争ゲームは、仮想空間で展開されるゲームではありながら、ある意味では現実世界以上に、現実に潜んでいる人々の感情を顕在化させるところがあります。表立っては言葉にしない征服欲、不満、そして嫉妬心や対抗心。そうした感情は、社会生活の中で単に表明されにくいだけであり、厳然として存在するわけです。ブラウザ三国志の世界では、これらの感情にもっともらしい理由をつけて宣戦布告することも珍しくありません。そして、こうした仮想空間が突きつけてくるものを直視することが、現実世界での人間的成長を促進するのではないかと思います。

最後に、どんな劣勢でも義理を通してくれた人たちについて触れたいと思います。今回の戦争で溥杏同盟が圧倒的不利だったにも関わらず、玉砕覚悟で特攻してくれた大日本帝国。、何の利益もなくとも共闘同盟として全力で戦ってくれた武帝、戦国連合、そして何より、溥杏グループとしてボロボロになりながらも合流し、最後まで戦ってくれた裏神Rに対して、最大限の敬意を感謝を表してこのエントリを終えたいと思います。

最高の1年でした。敵も味方も、みんな本当にありがとう。

溥杏同盟 盟主 lalha



2/15にブログにて3期終了のタイミングでの引退宣言をしましたが、その後多数の書簡をいただき、考え直した結果、盟主からは引退しますが、4期もアカウントは継続し、溥杏の一般同盟員として活動を継続することにしました。



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