2011年12月10日

企業や組織のおける新規メンバーの受容について

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企業や組織が成熟し、安定してくると、メンバーの中に「今うまく行っているのだから、明日も同じようにうまく行くはずで、できるだけ現状を維持したい」という考えが芽生えてくることがある。

その結果、組織に新規のメンバーが加わった時、特に新規メンバーがその組織に取って何らかの形で刺激的だった場合、次のような事象が起こることがある。

  1. 既存メンバーが防衛的になり、自分たちの昨日までの平安が乱されないよう、新規メンバーが難しい仕事に手を挙げても任せずに簡単な仕事だけ依頼するようにしたり、こうしたらもっと良くなるのでは、という改善提案が新規メンバーから出てきても、「実績も出していないのに」と真剣に取り合わない、という事象が組織内で散見され始める。

  2. 組織が安定した状態が長く続くと、半年前には誰もが「改善が必要」と合意していたような不便さや非効率さも、「まあそんなものか」と日常に溶け込んで当たり前のことになってしまうことがあるが、これまで外部の世界を見てきた新規メンバーは「常態化した理不尽さ」に敏感なので、現状に問題がある、と指摘することがある。こうした指摘は、「自分たちのやり方を批判している」と受け止めることもあるが、慣れで麻痺した感覚を揉みほぐしてくれるマッサージのようなものとして機能することがある。

  3. 能力のある人は往々にしてクセがあり、それが既存メンバーの防衛的態度を助長させることがある。

  4. 一方、手を挙げた仕事を新規メンバーに任せてみると、長年いるメンバーが暗黙知として共有している前提を踏まえずに事を進めて大事故を引き起こすケースもある。

受け入れ側の組織としては、特徴のある人が参加した場合にも(3)の傾向があることを念頭に置きつつ(1)と(2)について留意し、一方で新規メンバーに傾聴しすぎて(4)が発生するリスクも考慮する必要がある。

(4)については、新規メンバーが手を挙げた仕事が大きな仕事だった場合の判断に関して、元マイクロソフト日本法人社長の古川享さんの天下一カウボーイ大会での講演での次の発言が一つのヒントになると思う。

「失敗したことがない人間には怖くて大事なことを任せられない。失敗したことを認められない人間か、失敗したことがないから次に大きな失敗してしまうかのどちらかだからだ」
古川享さん講演@天下一カウボーイ大会より


また、組織に加入するメンバーの立場になった場合の心がけとして、同じ古川さんの講演の中で強く印象に残る言葉があった。

「25歳から30歳くらいまでは、人を愚弄するなり罵倒するなり、近くにいると物理的に恐怖を感じると言われたり、それでもいい時期がある。ただし、どこかで強烈な個性と傾聴力のバランスを取るように切り替えていく必要がある」
古川享さん講演@天下一カウボーイ大会より


そういえば以前こんなエントリーを書いたことがあった。

バランス感覚を身に付けると、コミュニケーションの角と同時に能力の角も取れることがある

このテーマについては何年経っても時折考えることがある。


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lalha at 12:09 │仕事  │Comments(0)TrackBack(0)

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