先週は久しぶりにシリコンバレーに行ってきた。

訪問先は大きく2つあり、ひとつはシリコンバレーで勢いのある企業。
もうひとつはシリコンバレーで活躍する日本人エンジニアだった。

具体的には企業としては

・先月ニューヨーク証券取引所に上場したZendesk
・企業向けオンラインストレージを提供しIPO申請中のBox
・YCombinator出身のAllan氏率いるインキュベーターRun Way
「日本を代表するビッグデータ技術者集団が米国で起業」Treasure Data
「10年連続10万行の男」の石黒さんのIP Infusion

日本人エンジニアとしては

・Twitterの川本さん
・Twitterの中川さん
・Facebookの松信さん
・Treasure Dataの太田さん
・IP Infusion石黒さん

にお会いしてきた。

訪問の際のディスカッションの詳細はNDAもあり書けないのだが、全体を通じて印象に残ったのは、

「シリコンバレーの企業は今やるべきことについて明確なフォーカスを持っている」

ということだった。

例えば、

「今年何を成し遂げるか」
「今クォーター何を成し遂げるか」

ということが極めてクリアになっている。

これは当たり前のことだと言う人もいるかもしれないが、
ビジネスには常にトレードオフがある。

例えば年間を通じて目指すべきものがあるとしても、
それに該当しないもののやらなければならないと思えることも多くある。
そのトレードオフをどうするかが悩ましいところなのだが、
切り捨て方が豪快というか、「今期はこれをやる。分かったな?That's all.」的な
ドラスティックな割り切りが物事を前に進めている。

また、例えば開発プロセスについても、特にWebサービス系の企業は全面的に
アジャイルを採用しているところが多かったが、
かといって最初からアジャイルだったかというと決してそんなことはなく、
立ち上げのフェーズでフォーカスしているのは

「サービスを成功させること」

どんな丁寧に作り上げて拡張性も高く美しいコードから成るソフトウェアを作っても、
それが世の中に受け入れられなければ意味がない。
だからサービス立ち上げのフェーズではとにかくサービスを動くようにし、
アイデアが実現するまでの速度を最重視する。
これはビジネスのステージを意識した上での明確なフォーカスだ。

サービスが立ち上がり普及してからも良い方向の変化が継続的できるのも、
やはりフォーカスが明確だからだ。

顧客の声に耳を傾けて製品をブラッシュアップするのがフォーカスなのであれば、
直接顧客の声を聞き、顧客のユースケースを完全に把握した上で製品の仕様に落としこむ
チームが編成される。

エンジニア個人についても同様の傾向が感じられた。

例えば普段の技術系の情報収集をどうしているかの話題について、

「自分の専門分野を掘り下げて行きたくて。
いろいろな情報を広く集めるのは、以前やってみたけどうまく行かなかったんですよね」

「仕事が好きで仕事ばかりしてしまうというか、あまりそれ以外のことで
色々と情報収集して、という感じでもないんですよね」

というような意見が多かった。

これは以前書いたエントリの「4. 最新情報を血眼になって追いかけない」
と通ずるところがあるだろう。

また、流行に流されない、という観点では、

「当然アジャイルも検討したが、戦略的にウォーターフォールを採用している。
いや採用してるだけじゃない。本当のガチのウォーターフォールだ。
見ろ、これが本場シリコンバレーのウォーターフォールだ!!」
→ うぉぉ

という会社もあったし、

テスト自動化やCIの話題について

「企業向けのソフトで漏れがあると大変だし、
人がテストするときはテスト仕様書以外でいろいろ見ながらテストしてるから。
毎日手動テストを全部流してる。毎週とかではなく文字通り毎日。
もちろん自動化に向いてるところは自動化しているけど、
企業戦略として手動でテストしている。」

とコメントする企業もあった。


賛否両論あるだろうが、ともかくフォーカスが明確なのである。

そしてフォーカスする方向性もあまり一般にこういうのが良いとされているから・・・ということではなく、
あくまでも自分たちに合ったものをきちんと考えて選んでいる。


あと余談だがFacebook本社の無料ランチはすごかった。