今日までICC Fukuoka 2019に参加していたのだが、月曜日に福岡に向かう飛行機の中でアダチンこと安達真からFacebookの通知が来ているので見てみると、レクターの松岡さんが私と会ってみたいと書いてくれていて、翌日火曜日に私達は福岡で飲みに行くことになったのだった。そこにリンクアンドモチベーションの柴戸さんが加わり、私もShiftall岩佐さんを誘い、更に岩佐さんがZOZOテクノロジーズの金山さんに声をかけ、加えて松岡さんが懇親会会場で技術顧問の神様の及川さんに声をかけて及川さんも参加することになり、さらに・・・ということでなんだかすごいメンバーの飲み会が開催されることになった。

松岡さんが声をかけてくれたきっかけはこのブログだったらしく、もう10年以上も前に書いた風林火山の記事のことなどを覚えてくれていた。更に松岡さんが飲み会のことをFacebookに上げると今度は「小さなISV」の記事を今でも人に紹介している、と言ってくれている方がいたり、松岡さんに紹介されて入ったCTOのグループで参加の挨拶をポストすると、ブログを読んで影響受けましたとメッセージしてくれる方がいたり、今をときめくベンチャーの人たちからそんな風に言ってもらえるとなんだか嬉しくなってしまう。

何年か前に東京都の400m走でライバルだった近くの高校の友人と久々に再会した時があった。その時に彼は、「小野が高校1年生の時に出したタイムが刺激になって、あれが俺達の代の東京都の400mのレベルを底上げした」とまで言ってくれて、私の陸上生活は怪我をしたりもして結局最後まで都の決勝戦止まりだったけど、無我夢中で陸上ばかりやっていたあの頃のことを、そんな風に見てくれていた人がいたんだ、と、感無量でその日の夜は帰宅してから涙が止まらなかった。

ブログも陸上も、いや、それだけじゃなくて英語が話せるわけでもないのにシリコンバレーで仕事し始めたときも、24歳と無謀な年齢でアプレッソを始めたことも、セゾン情報で歴史ある会社をもっと良くできないかと色々と試みていることも、個人的な話だとネトゲも、最近だとワインも、子育ても、夢中になれることがあって、取り組んでいく中でうまくいかないことや壁にぶつかることがあっても夢中の力で突破していって、なんだかもう人生それでいいんじゃないか、と思うところがある。それを見て何か感じてくれる人がいたとしたら、もうこんなに嬉しいことはない。

「子育てに夢中って?」と疑問に思う人もいるかも知れないが、私は別に自分のことをイクメンだとは思っていないが、基本的に毎日3人の子供をお風呂に入れて頭も洗って歯も磨いて髪の毛も乾かして寝かしつけして、週末は公園に連れて行ったり家で子たちの話し相手をしたり一緒にゲームをしたりしていて、イクメン的な人から驚かれたりすることがあった。公園で遊んでいる時に子どもが大喜びするブランコ二人乗りの仕方を見つけて実施していたところ、あまりにもキャキャーとうちの子どもたちが喜んでいるのを見て、周囲の子どもたちが「あの・・・、おじさん、僕にもやって」と行列を作り始め、「おじさんじゃなくてお兄さんだから」「すみません、お兄さん僕にもやって」などと訂正させつつ、他の家の子どもにもブランコサービスを提供したこともあった。

これは私ではなく奥さんの夢中力の話になるが、家での料理いいよね、という話の流れから、ジャムがすべて手作りになり、ヨーグルトもすべて手作りになり、炭火で火を起こして七輪で焼き物をするようになり、さらに七輪で焼く干物そのものを家で干すようになり、そして義父が趣味で猟をやっているのだが、義父が獲ってきた鹿やイノシシを奥さんも一緒に捌いて「イノシシの内臓の処理中」というメッセージと写真とが私に送られてきたりする状態になっている。そしてそんな我が家の食事情を見て「このお店がオススメです」というようなつながりもできてくる。

冒頭に書いたCTOのグループでBASE CTOのえふしんさんこと藤川さんが私がお連れしたバーのことを今でも話していると書いてくれていたのだが、都内にあるそのバーは、今はもう世界で知られるバーになっていつも満席でなかなか入れないのだが、オープン初期の頃はまだそこまで知られてはおらず、最初お店に訪れた時に「今日はラム・コークがオススメです」等と言う。「ラ、ラム・コーク??まあでもそれをお願いします」と注文すると、「分かりました」と言って何やらすり鉢を出してきてカウンターでゴリゴリやり始める。何をするのかと思ったら、その場でコーラから作り始めるラム・コークなのだった。そういう驚きと遊び心とに満ち溢れた、これぞバーに求める非日常性、というバーと出会えたりする。他にもOWNERSをやっているukkaの小林さんが同じくCTOのグループに私の食のことについて書いていたのだが、小林さんをお連れした都内の別のバーでは、バーなのにヒグマを一頭買いしている。一頭買いと言っても、よく焼き肉屋などであるような山形牛の一頭買いではなく、ヒグマの一頭買い、である。

心が動いたら、色々なことを気にしてブレーキをかけるようなことはあまりせず、好奇心の赴くままにそのまま突き抜けていきたい。そんな生き方をしていきたいと、あらためて思った一夜であった。