前回のエントリーでエンジニアを募集して半年が経ちました。その後どうなったのか?と気にしてくださる方もいて、直接お会いした方にはお話ししていたのですが、募集をしたこのブログの場できちんと結果報告ができていなかったので、今日は結果報告をしたいと思います。

結論から言うと、チームができました。そして第一弾の開発が完了して9/1にサービス開始されました。

■ チームができました
2/27にブログに記事を書いて、その後ブログのフォームから連絡いただいたり、知人を通じて連絡をいただいたりして、32人の方とお話しさせていただきました。たまたまですが、16進法的にも区切りの良い数になりました。

中には遠方から連絡いただいた方もいて、Skypeで会話させていただいたり、東京に来る際にお会いさせていただいたりした方もいました。1人は今回私たちの開発チームに参加するために家族で仙台から引っ越してきてくれました。

4月に1人、5月に1人、6月に2人、8月に2人が入社して、全部で6人のエンジニアが入社して、ワイワイと話したり笑ったり議論したりしながら日々開発を進めています。ビジネスサイドの人も必要なので、社内で2人異動してきてもらって、私を除いて合計8人のチームになりました。

6人のエンジニアはベンチャー系の人が2人とエンタープライズ系の人が4人で、スピード感と安定感の双方を重視しながら仕事をしています。バイモーダル、ですね。もともと「2枚のピザのルール」に基づいて6〜8人のチームを作ろうと思っていたので、イメージしていたのとかなり近いチームになったかな、と思っています。

ブログでもし人が集められなかった他の手段を考えなければ、と考えていたのですが、かなりたくさんの方にSNS等でもシェアしていただいて、おかげさまで無事ブログだけでチームをつくることができました!

■ 何をやっているのか
自社開発と言うと「何を作っているの?」とよく聞かれるのですが、経営陣や関連部署と会話しながら、戦略を一緒に考えて、システムをどんな風にするかも考えて、経営的な優先順位と、チームの既存システムの理解などの今の状況とを考えながら、必要に応じて順番を柔軟に入れ替えたりしながら開発を進めています。

そんな風にして4月から手がけているものが3つあって、その中の一つの「お月玉」が第一弾としてつい先日9/1にサービス開始されました。これは毎月1億円の現金を良い感じにデザインした現金書留で送る!というもので、景品表示法の関係で迂闊なことを書けないので詳しくはこちら。この仕組みだと、抽選券の枚数が見えないとイマイチ面白くないですよね。当然、スマホで見たい。

というわけで、もともとあったスマホアプリに追加開発をして、現在の自分の抽選券の枚数が見えて、抽選日には抽選結果が見えるようにしました。見た目はシンプルですが、守るべきルールや作法の類をきちんと確認して守りながら、クレジットカードの基幹システムと連携して売上速報のデータから抽選券の枚数を計算したり、1人の人が複数枚のカードを使っている時に合算して処理したり、フロントのスマホアプリの部分に加えて、裏側で各種既存システムとの連携含めてそこそこやることがあります。この辺りの仕組みを作っていました。データ連携なのでもちろんDataSpiderも使った!

■ 事業会社に開発チームを作った半年間を振り返る
振り返ってみると細かいところでは色々と調整したりもしましたが、会社の経営陣や各部門との会話についても、チームのメンバーひとりひとりとの会話についても、ちゃんと話せばやっぱり分かってくれるよなぁ、という感想です。

業務用のみんなに配布されているPCではなく開発用のMacbook Proがなぜ必要なのか、なぜ開発用に大きなディスプレイが別途必要なのか、なぜ開発用のソフトやライブラリを細かく申請するやり方が自社開発のスピードを落とすのか。それから、作るものの詳細が決まる前に調査も兼ねてプロトピングすることの重要性、その時にクラウドの費用は確定的なことは分からないのである程度柔軟に使えるようにしておくことの必要性の説明、などなど。コンプライアンスやガバナンスのレベルを落とさずに、なおかつアジリティも担保するには現実的にどこが落とし所として最適なのか。

最初は少し苦労してあまりスピーディーに進められず、なのでいち早く4月に入ってくれた1人目のエンジニアの人は一ヶ月開発用PCがない状態、という申し訳ないことになってしまいました。開発用PCを持たない開発者の悲しさとは。Slackに参加してもらうのにも一週間。が、徐々に「こういうものが必要になるのね」という理解が浸透し、また進め方も関連部門も私たちの方も徐々にこなれてきたこともあり、8/1に5人目と6人目のエンジニアが入社した時には、入社時には開発用Macも届いていて、Slackアカウントも即日発行されるようにまでなりました。

最初はチェックしている部門から「えっ」という反応が返ってくることはあっても、「そうですよね、ビックリしますよね」とにっこり笑って伝わりやすいような言葉を選んで丁寧に話していけば、一緒に解決策を考えてくれるケースが多くて、そこは本当に助けられたなぁと思います。

■ 異文化混在環境のおもしろさ
それから文化面での話ですね。「心理的安全性」、「HRTの原則」、「ぜったい怒らないこと」、「さん付けの徹底」、「お互いに短所については一切見ずに長所だけを見るようにする」、「妥協せず徹底的に成功を目指す」などについては、面談の際にも、チームのキックオフの際にも、チームの大原則として何度も繰り返してきているので最初から共有できている。最初から浸透している。ですが、6人のエンジニアのうち4人はエンタープライズ系、2人はベンチャー系なんですね。で、ベンチャーだったらこういうのできて当たり前!というのがあるじゃないですか。それが大企業だと非常識、ということがある。

ある日、こんなことがありました。

「コーヒーメーカー持ってきちゃダメですかね?社則を見る限りダメとは書いてないんですが……」

まあ、実際のところ良いのかもしれない。ただ、匂いとか音とかを気にして持ってきていなかった周囲の人たちは、たぶんあまり良い気分にはならない。

「炊飯器はどうなんですか?持ち込んじゃだめですか?炊き立ての米が食べたいんです」

炊き立ての米が食べたい……分からなくもない。
ですが、これについては個人的にはアプレッソの初期の2000年の頃の経験があるんですね。

誰かが炊飯器を開発部屋に持ってきて、最初は炊き立ての米がオフィスで食べられてみんな喜んでいた。
だけどだんだん余るようになってきて、おにぎり状にしてラップでくるんで冷凍庫に入れて、電子レンジで温めて……あれ?炊き立て……じゃなくない?なんてことがあった。
ここで同じようになるかどうかは分からないけど、まあそんな風になることもある。

もともといた人たちやエンタープライズ系の人はこうした提案?質問?に最初絶句していたものの、「多分やめた方がいい。なんでかって言うと」と説明しようとしたり、前職での経験の話をしたりして、それで結局やめておこうってなったんだけれど、そのやり取りがなんか良いなぁ、と思ったんですね。異文化同士が触れ合った瞬間固有の緊張感と、理解し合うことでお互いの人間の幅や受容性がが少しずつ広がっていく瞬間。こういうのって良いなぁ、と。


とうわけで、ワイワイと楽しくやっております。取り急ぎ近況報告まで!

両利きの経営
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