January 09, 2007

王道16『転換』

ひいばあちゃんの死からしばらく、マミとは喧嘩になり別れた。原因は確か俺が冷たかったからだと思う。別にダメージはなかったが、ちょっとした影響はあった。それは、芸能に対してだ。最初から読み返せば解るが、俺は芸能人になりたいんじゃなくて成り行きでここまできた。なんとなくみんながすすめるからってだけで。
それが芸能志向の強いマミと別れた事によって、なんで俺がこれをやるのかという疑問がわいた。
というのも、当時ばーにんぐで俺がやらされていたのはアイドルになるためのレッスンで、そんなチンケな方向を目指すために重い荷物を背負ってるんじゃない。歌のレッスンはともかく、ういろう売りの話を100回読んでもういろう売りを間違わずに早口で朗読できるだけでトークがうまくなるわけじゃないし、ダンスの練習ときたらやるだけ無駄の一言だ。俺から言わせればふりつけでなくダンスなど練習しても、バックダンサーになるわけじゃないんだから意味がない。演技だって演技とは何かの神髄は教えずにただシチュエーションを決めた芝居ごっこだ。そんなレッスンなら宿題にしても同じ。わざわざ先生がついて教えるなら、今俺がやっているようにもっと違う事を教えた方がいい。
俺は急にやる気がなくなり、やめる事にした。別に芸能人でなければ特別な人間になれないわけじゃないし、あんな馬鹿なレッスンをしたことで特別な人間になれるとは、むしろ思えなかった。
俺は方向を転換、違う世界を模索することにした。
そうなると事務所もやめるしそろそろバイトを探さなければいけない。
俺は、考えた。
コンビニや飯屋などの肉体労働はやりたくない。頭を使う方が向いているが、計算なんかはイライラするに決まってる。
そこで、閃いた。ゲームだ。ゲーム自体はもうそんなに好きじゃなかったが、ゲーム雑誌で働くならばこの巧さで金が稼げる。もしくは時間が稼げる。おまけにファミコンをしながら金をもらうなんて出来すぎだ。これだろうと思い雑誌を見たところ、角川の雑誌がなんだかそんなのを募集していた。
俺が電話すると、副編集長が一度来いという。
翌週行くと、その人は俺を気に入ったらしく、履歴書も持たずにいったのに即採用だった。
早速ゲームをやるのかと思ったが、なんと初仕事は、当時の国際スポーツフェア、今で言うフジテレビ祭りでのステージだった。そこで名人としてやれと言うではないか。
せっかく芸能をやめたのに初仕事は芸能的なものだった…。
lalvguam at 01:47│Comments(0)王道〜俺の道(完結) 

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