中川昭一経済産業相は14日午後、緊急記者会見し、帝国石油から申請のあった東シナ海のガス田の試掘権を許可することを正式に表明した。東シナ海でのエネルギー権益確保への意思を、日本政府として明確にする狙いがある。ただ、中国側が強く反発するのは必至で、エネルギー権益をめぐる日中の対立はさらに深まりそうだ。
試掘権を許可しても、実際に試掘を実施するかどうかは明確ではなく、政府と帝国石油は、中国との関係などを考慮しながら慎重に判断する。
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この問題が浮上してから一年と数ヶ月、やっと試掘権の付与まで到達しました。実は、この海域での埋蔵資源は1960年代から明らかになっており、帝国石油はじめとする4社が1966年に政府に試掘権の申請を行っているのです。しかし日本政府は「中国を刺激する」という情けない理由で今まで許可をしませんでした。実に苦節40年です。
どこに試掘権を与えたかを調べていたら、的確な地図を見つけました。

中国に対する上で、的確な場所であるといえます。しかし、良く見るとその上に「日韓共同開発区域」というどでかい区域があります。しかも完全に日本EEZ内です。なぜこんなに広い日本のEEZ内の海域を韓国と共同開発しなければならないのか?? 不覚にもこの鉱区の存在を今まで知りませんでした。疑問に思い調べて見ると、「極東Blog」さんや、「殿下様沸騰の日々」さんで既に過去に取り上げられていたようです。詳細は独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の説明を見るとよくわかります。簡単にまとめると、
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・1972年一方的に韓国が日本側EEZ内に鉱区を設定してきた。
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・あわてた日本が韓国と協議を開始。
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・日本が妥協してこの区間を共同開発区域とすることで決定。協定が結ばれる。
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・日本の権益を損ねるとして国会で何度も協定の批准が廃案になったが、1978年にとうとう法案が成立し、この区域を韓国と共同開発することが正式に決定。
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いや、驚きました。このような国益をむざむざと奪われるような協定が韓国と30年前に締結されていたとは・・・本当にこの情けなさにはなんと言って良いか・・・屈辱以外の何者でもないではありませんか。30年前の日本ってこんなに酷い状況だったのでしょうか。
この事実には落胆しましたが、30年前のことを今から憂いていても仕方ありません。それより、今回中国が同様のことを行おうとしたときに、日本が強い態度に出て、30年前の過ちを繰り返さない努力をしていることを評価したいと思います。中国は、中国側は全て中国が採るが、日本側の鉱区を共同開発しようと馬鹿げた提案してきていますが、今のところこの提案に聞く耳を持っていません。日本は30年前と同じ過ちを犯してはいません。中国は今回の試掘権の付与に関して、お決まりの理屈の通らない抗議や、牽制工作に出ているようですが、絶対に怯むことなく断固とした対応をとることを強く希望します。
参考書籍
日本の国境
山田 吉彦

中国の戦略的海洋進出
平松 茂雄

