2012年06月19日

記事投稿を優先しています。書き込んでもらいました方々、明日までお待ちください。

シンプルなApple TVリモコン

機械を単なる道具として扱うのか、それとも信頼の置ける相棒として捉えるのかは人それぞれ。どこの会社でもそうだと思うが、営業車両は社内の人間しか使用することがないから、結構雑に扱われがちだ。自分のクルマには愛情を持って接しているので、車内にはチリ一つないように掃除しているが、でもそんな人間は珍しいことも分かっているつもりだ。やっぱりね、機械は道具でしょ?安い、壊れない、使いやすい、この三条件さえ満たせばそれで充分じゃないの?もちろんこの見方を否定するつもりはさらさらないし、至極最もな意見だと思っているが、世の中、それでは満足しない人間も結構居るのだ。

個人的には上記三条件にシンプル・質感を加えたのがアップル製品だと思っているが、日経新聞を流し読みしていたら、ちょっと驚くべき記事を見つけたので、ついつい紹介したくなってしまったのだ。で、それは何かというとApple TVのリモコン。なおアップル公式では、"Apple TV用Apple Remote"と呼んでいるが、一般的にはTVリモコンの方が分かりやすいので、この記事ではTVリモコンと呼称している。

さて、このブログでも"AppleTV vs auBOX No.1"と称した記事を投稿しているので、関心ある方はぜひとも読んでいただきたいのだが、この写真を見ると一目瞭然。

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iPhoneの素晴らしい点は常時使用する物理的なボタンがホームボタンたった一つであること、そしてそのホームボタンを押せばすぐにホーム画面に戻れることだと思うが、同様にこのAppleTVのリモコンも驚くほどボタンが少ない。多機能をボタンの数で解決しようと試みる日本メーカー製品のTVリモコンと多機能であるがゆえに操作機器をできるだけシンプルにしようとするアップルとの設計思想との違いとでも言おうか、もう発想が根本的に異なるのだ。

【Apple TV用Apple Remoteのボタン割り当てについて知りたい方はこちらをクリック】

驚愕するアップルTVリモコンの製造方法

とまあ、ここまではよくあるアップルの話で特段驚くべきことでもないのだが、ちょっと凄すぎるのはこのアップルTVのリモコンの製造方法だ。なにが凄いってこの写真をまずは順番に見ていただきたい。

Apple Remote正面写真
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Apple Remote裏面写真
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Apple Remote電池フタを取り外したところ
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上端部拡大写真
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下端部拡大写真
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材質として使用しているのはアップル十八番のアルミユニボディ。ユニボディってなに?って言う方はこちらをクリック。

Macbook Pro ユニボディ(2分54秒)


そう、このリモコンには継ぎ目、継ぎ手が一切無いのだ。となるとここで生じるのは以下の疑問だ。金属加工パーツに継ぎ目、継ぎ手が一切無いとなると、ボタンなどの可動部分は一体どうやって作っているのだろう?このリモコンは真ん中が一番膨らんでいるが、そこの厚さは6ミリ。アルミユニボディそのものの厚さは非公開ゆえに分からないが、内側の寸法はおそらく5ミリ前後だろう。

っていうことは動画で紹介されているように、7~8ミリ厚ぐらいのアルミ板を削りだして6ミリにして、その内側を全部くりぬいているっていうことか?そしてそのくりぬいた部分、しかも5ミリ前後の空間に可動部品を何らかの手法で入れ込んでいるということになるが、そんなことが技術的に可能なのか?

2011年2月の時点でこのリモコンがちょっと凄いというのは気が付いていたのだが、まさか厚さ6ミリのアルミ金属の内側をくり抜いて、そのくり抜いた後に可動部品などを落とし込むなんて、そんなことがあり得るわけ無い。おそらく表板と裏板との二分割。そして両者を接着してその継ぎ目の痕跡を磨き上げて消しているのではないのか?それぐらいに考えていたのだ。なぜならそこまでTVリモコンにお金をかける意味が見当たらなかったからだ。が、その推測も日経新聞を読んでいたら間違っていることに気が付いた。以下該当箇所を引用する。

素材を生かし、「無垢」を追求するアップルのモノ作り

2012/6/8 7:00

初代「iPad」の筐体(きょうたい)の内側には、段状の削り出し跡が見られ、真上から粗く削り出すだけだったことをうかがわせる。一方で「iPad 2」では、ほとんど削り跡が見えないように削られていることが分かる。さらに、サイドカッターと呼ばれる側面を削るドリルなど、特殊な形状のドリルを多数使うことで、アンダーカット(一方向からの加工では刃が届かない形状)の部分を多数作り出した。これにより、さらなる薄肉化や部品点数の削減を実現したのだ。

この進化した加工技術をフルに活用して作ったのが、Apple Remoteである。継ぎ目が一切なく、完全に閉じた1本の金属バー。どうやって中に部品を入れたのか「まるで魔法のようなアセンブリーだ」(山中氏)。

Apple Remoteの実際の作り方は、操作部や電池を入れる穴を5つ開け、そこから先ほどのサイドカッターなどを使って、空間を広げ、穴同士をつなげながら1つの大きな空間を作ったと推測できる。そこに基板などの部品を詰め込むという作業を行っているようだ。こうした周辺機器のデザインまで徹底的にこだわり抜く点も、実にアップルらしいといえよう。

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最もアップルらしいと多くのデザイナーが驚嘆したのが「Apple Remote」と呼ばれるリモコン。作り方は以下のように推察される。まず表面と裏面、側面に合計5つの穴を開ける。皿形の刃などを使って、穴から中をくり抜いて空洞を広げる。空洞をつなげて基盤を入れるスペースを確保するという、まるでトンネル工事のような加工。その後空洞に、基盤を入れ込む。すると、全く継ぎ目がない「魔法のような」金属板1枚のリモコンが出来上がる(切断協力:フナソー)


Apple TV本体とリモコンがセットで販売価格は8800円なので、リモコン単体はおそらく1000円とかそれぐらいだろう。その1000円とか1200円程度の商品に、現代工業最先端の精緻な技術を惜しげもなく取り込み、そして他社がどうやって製造しているのか、推測はできても断定できない製品を創り出しているアップルの底知れぬ設計思想の一端を垣間見た瞬間だった。それにしてもここまで徹底してやるとは、他社が逆立ちしてもマネできないわけだ。

惜しむらくはこのリモコンはApple TV本体とセット販売になっているために、なかなか店頭でその質感を確認するすべがないことだ。が、現在発売されているMacintosh製のノートPCは全てユニボディ搭載なので、ノートPCならばユニボディを確認することができる。全てのノートパソコンを知っているわけではないが、ノートPCを質感項目のみで評価したとしたら、このユニボディ搭載のMacintoshノートPCは他の全てのノートPCの追随を許さぬと言っていいぐらいに圧倒的な質感の高さを誇る。

そういえば次期iPhone5はユニボディを搭載する可能性があるという。現在のiPhone4Sでも充分すぎるぐらいなのに、ユニボディを搭載したとしたらハードウェア的な観点からの分析が非常に面白くなりそうだ。最後にアップルデザインの最高責任者はジョナサンアイブだが、その彼の最近の発言がGizmodoに掲載されていた。

【Appleのジョナサン・アイブ氏が現在開発中の製品について「最も重要で、私達の最高傑作」と語る】

Lancer2000lancer2000 at 20:34│コメント(2)トラックバック(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote

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この記事へのコメント

1. Posted by j. j   2012年06月20日 01:29
隊長、家電audio visual 、は全部アップルに持って行かれるってことですか、、、、
2. Posted by Lancer2000   2012年06月20日 20:09
4 j. j隊員へ。もしね、2013年3月までにアップル製のテレビが発売されたとしたら、多分みんな驚天動地!!

だってリモコンはアルミのむく板を削りだして、中にトンネル掘って空洞に仕立てるわけでしょ?で、ボタンの数はせいぜい数個。当然のことながらiPhone,iPadでも操作可能。

で、スクリーンタッチでなにやら出てくるのは新画面・・とまあ近未来的な指向性を間違いなく追求していると思うな・・・

でもその前にドコモiPhone、出て欲しいww

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