2012年12月20日

いまだに素晴らしいiPhone5のタッチパネルフィーリング

正直なところ、iPhone5とiPad miniさえ持っていなければその差は分からないと思う。比較さえしなければGoogle Nexus7,ZETA SH-02E,Kindle Fire HDといったAndroid端末のタッチフィーリングは悪くないのだ。特にSH-02Eは、おそらく現時点で国産端末の頂点を極めるほどの完成度の高いAndroidスマートフォン。でもSH-02EからiPhone5に持ち替えると、すごくホッとするのもこれまた事実なのだ。

SH-02Eは機能や仕様の面で完全にiPhone5を凌駕しており、感性以外の項目点でiPhone5が勝てる箇所は少ないように思うが、なかでも微妙な差ながらも確実に存在するのがパネルのタッチフィーリング。iPhone5にシャープは液晶パネルを供給していることから、ひょっとしたら今現在、自分が手にしているiPhone5のそれはシャープ製なのかもしれないが、それでも味付けが微妙に異なる。

SH-02Eのパネルのタッチフィーリングは素晴らしく、画面応答、画面追随性、画面切り替え、拡大縮小のどれをとっても文句は出ない。初めて手にしたスマートフォンがSH-02Eならば充分に満足できる製品となっており、誰もがこれでいいじゃないの?と思うだろう。

だが指の先に画面が吸い付いているかのような、より人間の指の動きに忠実な反応というか、画面が絹のように滑らかに人間の指に合わせて動いてくれるかのような感覚、感性はまだまだiPhone5の方が一枚上手だ。幼少の頃運動会でムカデ競争をした経験は誰にでもあるかと思うが、そのムカデ競争に例えるのならば、前者から最後尾の者までが一寸の狂いも無く、綺麗に手足の可動部分がものの見事に揃っているのがiPhone5だという気がする。GALAXY S III αはまだ触れていないので断定はできないが、Androidスマートフォンが追いつこうとしてなかなかその境地に到達できないのが、このタッチフィーリングだろうと思う。

もう自分の感性がiPhoneフィーリングにピタリと当てはまって、他のAndroidスマートフォンだと納得しなくなっているのかもしれないが、やはり多くの人が記事を書いているようにiPhoneのタッチパネルのフィーリングは素晴らしいのだ。となると誰しもが思うのが、ではなぜ?という疑問だ。その疑問に技術的な観点から解説した記事が日経新聞に掲載された。

iPhone 5中核部品に見た、究極の「独り勝ち戦略」

2012/12/19 7:00

「驚きがない」――。米Apple(アップル)の最新スマートフォン「iPhone 5」に対し、世間では「完成度は高いが、ユーザーを驚かすような目新しさがない」という評価が定着している。しかし、iPhone 5に搭載された部品を詳細に解析していくと、それが事実ではないこと分かった。中核部品に自らが開発した技術を盛り込むことで、「究極の独り勝ち」を目指す新しいメーカーの姿が見えてきた。

【ディスプレイ】 自らの特許をベースに開発、他の追随許さず

iPhone 5は、「Apple史上で最も薄いディスプレイ」(同社)を搭載した(図1)。筐体(きょうたい)表面のカバー用ガラスを含めた、ディスプレイの厚さは約2.2mm。従来機種「iPhone 4S」の約3.1mmに比べて、約0.9mm薄い。

ディスプレイの薄型化に向けて、Appleが新たに導入したのが「インセル」と呼ばれるパネル技術である。これまで外付けだったタッチパネルの機能を液晶パネルに内蔵するものである。実現するための技術的なハードルは高く、製造が高価になるため用途が限られてきたが、iPhone 5に搭載されたことで本格的な離陸期を迎えたといえる。

日経エレクトロニクス誌では電子デバイスの解析・評価などを手掛けるエルテックと、複数のディスプレイ技術者・関係者の協力を仰ぎ、iPhone 5のインセルパネルを分析した。そこから見えてきたのは、Apple自らが技術開発を手掛け、それをパネルメーカーに作らせるという、これまでにない構図だった。

■米国や日本で数多くの特許を出願

Appleが採用したインセル技術を使ったパネルは、詳細が明らかにされていないものの、ジャパンディスプレイ(旧・東芝モバイルディスプレイ(TMD))とシャープ、韓国LG Displayの3社が供給しているもようだ。

端末メーカーの中で現在、インセル技術を推進するのは、Appleのみ。競合他社は、筺体表面のカバーガラス(強化ガラス)にタッチ入力用配線を形成する「カバーガラス一体型」技術を導入し始めているところだ。

分析の結果、今回iPhone 5に採用したインセルパネルの技術開発をApple自らが手掛けていると、日経エレクトロニクス誌は推測した。そのように考える最大の根拠は特許だ。同社は、米国や日本などでインセル技術の特許を多数出願している(図2)。

■パネル構造は特許のものと同じ

パネルメーカー3社は、この技術を基に、生産しているとみられる。我々が入手したiPhone 5用パネルの構造は、Appleの特許に書かれているパネル構造と、「ほぼ同じもの」(エルテック)だった。

液晶パネルの開発は、機器メーカーからの画面寸法や表示性能などの要求仕様に対して、パネルメーカーが自社の技術を用いて設計し、生産していくのが一般的な流れだ。半導体業界のような「ファウンドリービジネス」がほぼ存在しないため、「Appleのように、機器メーカー自らがパネル技術を開発するのは珍しい」(パネル設計に詳しい技術者)といえる。

■狙いは二つ

Apple自らが開発を進めた狙いとして考えられるのは、以下の二つだ。

まず一つが、同社が複数社からパネルを調達した場合に、互換性を確保しやすくなること。インセル技術には、タッチ入力の検出の方法によって「光学式」「抵抗膜式」「静電容量式」など、幾つかの検出方法が存在する。

パネルメーカー各社が得意とする方式は異なるため、「ユーザーインタフェース(UI)に直結するタッチ性能に、各社で差が出る可能性がある」(インセル技術に詳しい技術者)。Apple自らが技術を開発すれば、こうした問題は起きない。

■競合他社はマネできない

もう一つの狙いが、今回用いたインセル技術を、競合他社に導入させないことだ。Apple社が特許を保有する以上、パネルメーカー3社は、他の機器メーカーに向けて、今回の技術を導入したインセルパネルを供給できない。Appleは製品の競争力の源泉となる主要部品を自社で囲い込めるわけだ。

推測されるこれら二つの狙いのうち、パネルメーカーに与える影響が大きいのが後者だ。これまでは、「まず、最新技術を盛り込んだパネルを先行の機器メーカーに提供し、歩留まりが安定した段階などで他の機器メーカーに展開できた」(パネル設計に詳しい技術者)。しかし、今回はその手が使えない。「Apple社は競争力を維持できるが、パネルメーカーにとってはうま味が少ない」(同氏)といえる。

とはいえ、パネルメーカーにとって同一パネルを大量に買い取ってくれるAppleとの取引を止めるのは自殺行為に等しい。

今後、パネルメーカー各社は、自らが技術開発を手掛けるAppleのようなメーカーと、どう付き合うべきかを考える必要に迫られている。

■外付けのタッチ機能をパネルに導入

Appleが開発したインセル技術は、どのようにタッチ入力を検出しているのか。結論から言えば、薄膜トランジスタ(TFT)基板上にセンサー配線を形成することで、投影型の静電容量式タッチセンサーの機能を内蔵している(図3)。

20121220_iPhone5_001


液晶パネル駆動用の共通電極(ITO)の上に新たに形成した金属配線と、TFTの「ゲート層」に追加した金属配線を、タッチ入力の検出に利用する。ユーザーの指先がパネル表面に触れた際に、それぞれの電極間の容量分布の変化を検出する仕組みだ。「一般的に用いられている、外付けの静電容量式タッチパネルの機能を、そのままパネル内部に導入した」(エルテック)ものである。

この記事からは、アップルは自社主導で数々の特許を持つタッチパネルを開発し、他社が容易にその技術を利用できない戦略を採用していることが分かる。ほぼアップルの独壇場と言っても良いユニボディが産み出す比類の無い質感と同様に、タッチパネル技術でもその追随を許してなるものかということなのだろう。

とはいえ、昨日掲載したアマゾンKindle Fire HDのあまりの完成度の高さからは、今後この価格(15,800円)のこの出来映えが事実上の標準となる可能性もあり得るのだ。その意味で2013年の第一弾アップル製品はおそらくiPad5(ひょっとしたらMacBook Air?)だろうが、価格面を含めた機能および仕様が気になるところ。IGZO液晶パネル搭載で劇的な変化をもたらすことができるかどうか、試金石となる気がする。

「インセル」型液晶パネルに秘められたアップルの仕掛け

「電話を再発明する」――。故スティーブ・ジョブズ氏が2007年1月にこう宣言して発表した初代「iPhone」は、タッチ・パネル機能と独自のグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)画面により、携帯電話機の操作と表示に革新をもたらした。第6世代品であるiPhone 5が示したのは、それから5年が経った今もアップルがタッチ・パネル関連技術で業界の先頭を走り続けていることだった。


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Lancer2000lancer2000 at 21:00│コメント(4)トラックバック(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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この記事へのコメント

1. Posted by michikusa   2012年12月21日 04:36
自分はむしろ差はなくなってきていると感じますね。

もちろんこれだけ他メーカーが頑張っている中、いまだにトップをキープしていることは十分凄いのですが、
以前のように明らかな差ではなく、機種によっては差は殆ど無いまでに肉迫していると思うのです。
2. Posted by Lancer2000   2012年12月23日 16:13
4 michikusaさん、レスが遅くなりまして失礼しました。

Engadgetの動画は今見ました。今から2年半前の動画ですが、当時は明確な差がありましたが、今現在は殆ど分からないレベルまで来ているのは事実でしょうね。

ただいま投稿した【モバイル機器BEST10】でも書きましたが、ZETA SH-02Eはもう殆どiPhone5同等です。追随を許さぬというのはちょっとオーバーな表現でしたが、でも私の指はiPhoneフィーリングに完全に染まっているのかもしれません。

品質同等になってくると、あとはいかにアップルワールドの楽しさをユーザにわかってもらうか?来年もアップル対グーグルの戦いは激しそうです。

3. Posted by michikusa   2012年12月24日 04:06
シームレスな操作性はAndroidには無いものですし、
アプリの差も大きいですね。

アプリの数自体はAndroidも揃ってきていますが、例えば同じゲームでも起動時の認証が遅かったり、場合によってはサイトにブラウザでドコモIDを入力してまで認証させられたり、端末の解像度によっては黒縁だったり、黒縁部分のタッチは受け付けなかったり(仕方がないことかも知れませんが)…。

あと、クレジットのみであるのも大きな弱みですね。
4. Posted by Lancer2000   2012年12月24日 16:38
4 michikusaさん、いろいろと書き込んでくれてありがとう!

>シームレスな操作性はAndroidには無いものですし

ZETA SH-02E & Nexus7
iPhone5 & iPad mini

この両者を持っているからよく分かるんですが、アップル製品は4インチだろうが、7.9インチだろうが、操作性は殆ど同じで戸惑う場面が全くないと言っていいぐらいです。

それに対してAndroidは細かいところが微妙に異なるので、4インチと7インチといってもメーカーが異なるとかなり戸惑う・・・こんな印象ですね。

今度はこのあたりを書いていくかもしれません!!

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