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2014年01月19日

KDDI、auの春モデルを1月22日に発表――タブレットやファブレットをラインアップか

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新製品に注目! auが2014年春モデルの発表会を1月22日の午前10時に開催します

久方ぶりにau2014春モデル情報を集めていたら、LGの曲面スマートフォン"LG G Flex"が発表されそうであるとの記事を目にした。曲面スマートフォンといっても分かりにくかったので早速調査開始。以下の動画を見ると、高さ方向、つまり長手の方向が湾曲しており、強度も保証されているという。


普段使用している時には平面で、電話をかけるときには横(短辺)方向に湾曲してくれれば、5インチスマートフォンでもだいぶ電話をかけやすいんだけれど・・・・と思っているので、縦一方向の湾曲固定を知った段階で少々拍子抜けしてしまった。触れたこともない製品に最初からけちを付けるのも変な話だが、湾曲することでどんなメリットがあるのだろう?

湾曲ディスプレイの秘密とは? LGが湾曲ディスプレイ採用グローバルスマホ「LG G Flex」を公開!!
ひとつは通話がしやすくなること。一般的に、ディスプレイが大型化するとスピーカーを耳に当てたときにマイクが遠ざかってしまう。このため通話がしにくくなる、というのがこれまでの常識だった。しかしLG G Flexはボディが曲がっているためマイクが口元にくる。ひいては通話がしやすくなるというのだ。

LGがもっとも強くアピールするのが動画視聴の際のメリットで、これが端末開発の発端にもなっている。具体的には、ディスプレイを曲げることでユーザーは動画コンテンツに没入できる。また画面に奥行きが出るため、劇場のような臨場感を味わうことができるとのことだ。(途中省略)

このほか背面が丸みを帯びているため、手にもよくなじむ。また指とディスプレイの距離を一定に保てるため文字入力がしやすく、フリックなどによるWebサイトのページ遷移もやりやすいという。

いまは横幅58.6ミリのiPhone5sと横幅70ミリのAQUOS PHONE SERIE SHL22を併用しているのだが、毎日のように携帯電話で長時間話していると横幅70ミリはものすごく疲れる。経験的には連続・断続を問わず横幅70ミリの携帯電話で毎日1時間、週5時間も話していたら持っているのが嫌になるほど腕がしびれるといっても決して大げさではないと思うが、その点秀逸なのがiPhone5s。初代iPhoneの横幅61ミリよりもさらに狭い現行iPhone5sの58.6ミリは実に扱いやすく、長電話をしても決して疲れることはないのだ。

長電話しがちな営業職の人は、5インチスマートフォンよりもガラパゴス携帯やiPhone5sのように横幅が狭いスマートフォンが便利だろうけれど、もし普段は平面で電話をかけるときにだけ横(短辺)方向に湾曲するスマートフォンが開発されればこれは買いかも・・・・と思っているので、ちょっとLGには期待している。

【2013年04月07日】 ドコモiPhone発売によるメーカーの淘汰の可能性と次期iPhone5Sのデザインがちょっと驚き

さて以下の画像は2013年4月に投稿した記事より再掲した画像だ。次期iPhone5sの湾曲する方向は、高さ方向ではなく、横方向に湾曲するんじゃないの?という予想画像だが、こうして改めて見るとLGは縦方向、次期iPhone5s湾曲方向は横方向と実に対照的だ。3枚目の写真は、そのあまりの精緻さゆえにいまだにその製造方法が解明されていないアップルのテレビリモコンだが、これも湾曲方向は横方向。

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個人的には現行iPhone5sの横幅58.6ミリは通話主体で考えると実に扱いやすく、この横幅を維持して欲しいのだが、Androidスマートフォンの大画面化に対抗するにはやはりiPhoneも画面を大きくせざるを得ないのであろう。そういえば最近次期iPhoneは大画面で2種類あり・・・との噂がまことしやかに囁かれているが、大画面化を果たしつつ、なおかつ扱いやすさを損なわないようにするには、LGが採用した縦方向湾曲よりも、次期iPhone5sの予想記事が採用した横方向湾曲に分がありそうな気がするのだが、果たしてどうだろう?

ここからは完全妄想の世界に入ってしまうのだが、もし本当にこのデザインでiPhone5Sが発売されるとしたら、これは驚愕以外のなにものでもないのだ。というのも真ん中が厚く、両端部が薄い製品の場合、ホールド感は確かに優れるものの、部品の集積配置の制約が一段と厳しくなり、その困難さは従来の、直方体形状のスマートフォンなど比べものにならないからだ。

直方体形状であれば左右端部に配置できた部品が必然的に中央寄りに配置されることになり、となると従来中央に位置していた部品が玉突きで押し出されるように移動していく。行き場を失った部品はさらに薄さを要求されるという堂々巡りとなり、まさに部品製造会社泣かせのデザインと言っていいだろう。

そして少しは言及してくれるかな・・・・と期待しているのが、Firefox OS搭載スマートフォンだ。Tizenとは異なり、すでに世界各国で発売されていることから、こちらの方がより現実的。新しいOS好きなので、低価格で日本語が使用できるのであればぜひとも1台購入してみたいなと思っているが、その発売元のMozilla財団、調べてみると以前よりもGoogle依存度が高まっているようだ。

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【2013年02月27日】 スマートフォン向け各種OSの特徴とFirefox OSの実態とは?
Mozilla財団公式サイトでGoogleが最大の収入源であると明記されており、かつまた2010年度時点では収入のほぼ100%をGoogleに依存している事実を考えると、FirefoxはGoogle別働隊という見方もできなくはないのだ。市場占有率が90%を超えていたWindowsOS全盛時代、世界各国でマイクロソフトと当該国では軋轢(あつれき)が生じていたが、その経験則からGoogleも市場占有率はほどほどにしておかないとマイクロソフトの二の舞になると踏んでいるのだろう。

iOSとの二強体制に突入したAndroid OSの市場占有率は70%前後で、ますます寡占化が進んでいる。が、あまりにも高まると今度は火の粉が我が身に降りかかってくる可能性がある。火の粉がかからぬようにはしたいが、レゾンデートルであり、かつまた収益源であるOSの検索窓口だけは抑えたい。携帯電話会社のガス抜きを計りながらも、肝心要の自らの収益基盤の権利窓口だけは絶対に手放さない。それらの様々な思惑が複雑に絡み合った結果、自らは黒子に徹しつつ、Mozilla財団に寄付するという形を取ったような気がするのだ。

【公式サイト】Mozilla の現状
Mozillaの収入の大半は、Firefoxブラウザの検索機能によるものです。Googleは最大の収入源であり、Mozillaは2011 年 12 月に、Googleとの間で双方にとってメリットのある重要な収益契約について交渉したことを発表しました。この新しい契約によって、Mozilla がGoogleとの間で長年にわたって築いてきた検索に関する関係が、さらに少なくとも 3 年間延長されます。

【2013年11月22日 19時00分13秒】FirefoxをリリースしているMozilla財団は収益の90%をGoogleに依存
インターネットブラウザで最大シェアを占めるのは、Microsoftの「Internet Explorer」で、第2位にMozilla Foundationの「Firefox」、第3位にはGoogleの「Chrome」、というレポートがNETMARKETSHAREで発表されています。このうち、第2位にいるMozilla Foundationは、以前から収益の大半を「Chrome」を持つGoogleに依存していますが、2012年にその割合が90%に達していることが明らかになっています。

こうなってくると、ひょっとしたらWindows Phoneについての言及があったりして・・・・と思わせるのが、今年になってから流れ出したWindows Phone Xperiaの噂。当ブログでも何度か触れたようにWindows Phoneそのものの出来映えはとても素晴らしく、iPhoneやNexus5とほぼ同等の完成度といっても良いかと思う。

ただ惜しむらくはアプリの絶対数の少なさ。ゆえにあまり他の人にはお勧めできないが、Windows Phone Xperiaが発売されれば、少なくとも起爆剤の一端にはなるような気がするのだ。アプリが少ないから発売しないのか、機種がないからアプリが少ないのか、このあたりはまさに鶏と卵の関係とそっくりだが、現時点で今年一番気になる端末ではある。

でも個人的にauに期待したいのは、Nexus5発売とパケット定額段階制の導入だ。LGファンの人には悪いけれど、曲面スマートフォン"LG G Flex"発表よりも【Nexus5導入+パケット定額段階制】の方が遙かにインパクトはでかい。

コスパ最強は当たり前としても、やはり現時点ではいろんな意味でNexus5は、ガラパゴスGALAXY,Xperia,ARROWS,AQUOSよりも完成度の高い携帯電話だと思っている。スマートフォン初心者にとっては、キャリアが力を入れているガラパゴススマートフォンよりもNexus5の方が遙かに分かりやすく、扱いやすく、そして維持費が安いのは厳然たる事実であり、日本国内におけるiPhoneのシェアが図らずしもそれを証明してしまっている。繰り返すが、Nexus5を買わずしてAndroid OSを語るのは片手落ちそのもの。その意味で大手3キャリアの中で先陣を切ってNexus5を導入して欲しいのだが・・・・

Lancer2000lancer2000 at 18:19│コメント(2)トラックバック(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2013年02月27日

ドコモ、新OS「タイゼン」スマホを年内発売

2013/2/27 10:08

【バルセロナ=遠藤賢介】 NTTドコモは26日、韓国サムスン電子などと開発を進めるスマートフォン(スマホ)向けの基本ソフト(OS)「TIZEN(タイゼン)」の搭載スマホを年内に発売すると発表した。既存のOSと異なり、通信事業者によるサービスの運営に制限がほぼ無いのが特徴で、国内ではKDDIが取り扱う米モジラ財団のOS「ファイヤーフォックスOS」との競争にもなりそうだ。

ドコモはサムスン電子製の搭載スマホを販売する見通し。仏通信大手のフランステレコムも年内にタイゼンを使った端末を発売する。タイゼンはサムスン電子と米インテルを中心に、通信会社のドコモや韓国KT、端末メーカーの中国華為技術(ファーウェイ)、富士通など計12社が開発に参画している。

OSの仕様を全面公開しており、通信会社などによるOSの改良などに制限がない。アプリ(応用ソフト)の開発に次世代のウェブ標準言語「HTML5」を採用するなど、ファイヤーフォックスOSと基本戦略は同じだ。

記者会見したドコモの永田清人取締役執行役員は「タイゼンはHTML5の動作が最も優れている」とファイヤーフォックスOSとの違いを強調。ドコモの主力商品である米グーグルのOS「アンドロイド」搭載端末とすみ分けるため、当面は中級価格帯の商品に搭載する考えだ。

業務はほぼ100%Windows。なのでMacintoshやLinuxは知らなくても日常生活に支障を来すことは全くないのだが、でも本職は自称PCライターなのでいろんなOSに触れるのが好きだ。新しいOSが出ると、一体どんな感じなのかなと興味津々で記事を読んでしまうが、だから自宅でも様々なOSが稼働中。

■Windows XP,Vista,7,8
■Macintosh Lion & Mountain Lion
■Ubuntu 12.04
■Chrome OS

複数のマシンにこれだけOSを入れている人は珍しいかと思うが、中でも最近その設計思想がようやく分かってきたChrome OSは実にユニークなOSだ。詳細は以下の記事を読んでいただきたいのだが、個人的には方向性として充分にありかなと思っている。

特筆すべきはなんといっても起動迅速、ウイルス皆無、バックアップ不要。日本国内では発売されていないChrome OSなので、国内知名度はないに等しいが、その使い方のすべを知っている人にとっては実に有益なマシンとなること請け合いだ。もちろん全てのソフトがブラウザ上で動作するので長所短所いろいろとあるが、基本、かゆいところに手が届かなくても我慢できれば買い、いや孫の手みたいに届かなければ満足しないっていう人はWindowsだと思う。

【2013年01月16日】 国内未発売のChromebookを徹底的に使い込んでみた感想

【2012年12月11日】 米国で品切れ状態!Google謹製Chromebookを米国アマゾンで購入しようとしたら・・・

【2012年12月27日】 米国でベストセラー!Google謹製Chromebookがついに米国アマゾンから届いた!

とそんなことを考えていたら、日経新聞と読売新聞にスマートフォンの新しいOSの記事が掲載されていた。

スマホOS「第3極」 KDDI搭載機販売発表

携帯電話の国際展示会「モバイル・ワールド・コングレス」開催前日の24日夜(日本時間25日未明)、モジラのゲイリー・コバックス最高経営責任者(CEO)はスペイン・バルセロナで「インターネット(の世界)は一つか二つの会社にコントロールされるべきではない」と述べた。グーグルの「アンドロイドOS」とアップルの「iOS」が約9割のシェア(占有率)を握るスマホOS市場に対し、自社の「ファイアーフォックスOS」で、対抗する姿勢を強調したものだ。

NTTドコモは韓国サムスン電子などと「タイゼンOS」を共同開発しており、新世代のスマホOSを巡る動きは活発化している。

KDDIやドコモは、スマホを利用した音楽や映像の配信、通信販売などのサービスの利用料金を増やし、収益をあげることを経営目標に掲げる。日本の携帯電話市場は飽和状態であるうえ、無料通話アプリ(ソフト)の普及などで音声通話やデータ通信の料金収入増が見込めないからだ。

しかし、現在のスマホOSにはそれぞれ制約があり、携帯電話各社が独自サービスを展開するのは難しいのが実情だ。ファイアーフォックスOSなど次世代OSは、プログラムの基本技術の公開度とOS改造の自由度が従来のOSに比べて高い。利用者は端末の種類に左右されず同じサービスを受けることも可能なので、独自サービスを提供したい携帯各社にとっては有利だ。


スマホ「第3のOS」探る 13年度にも導入、開発に独自色

それらの記事に掲載されていた表をコピペして組み合わせたのが以下の表だが、うちの嫁さんなんかに見せてもこれはすぐにゴミ箱だろう。というのも彼女レベルで一番必要とする情報が全く反映されていないからなのだ。なにが欠落しているかというと、【両OSとも仕様が無償で公開されており、通信会社やメーカーは自由に改良し、様々なサービス、機能を追加できるようになる見通し】なのは分かった。でもそれって通信会社目線でしょ?利用者目線で一番大事な情報である、どれが使いやすいの?っていうことが全く書かれていないじゃないの?それにそもそもOSなんてどうでもいいし・・・・とこう来るわけだ。

主要スマートフォン向けOSの特徴
Android iOS Windows Phone 8 Firefox OS Tizen 
グーグル アップル マイクロソフト モジラ サムスン電子,インテルなど 
利用料
無償 有償 無償 無償 
OS改良の自由度
一部に制限あり 改良できない 制限あり ほぼ制限なし ほぼ制限なし
アプリ利用
自社OSのみ 自社OSのみ 自社OSのみ ほかのOSで利用可能 ほかのOSで利用可能 
シェア   
69.7% 20.9% 3.0% 
特徴
OSの更新が頻繁でソフト開発のコストが増す。端末によって性能差がある。 制約が多く、携帯電話会社が独自のサービスを提供するのが難しい。ワードやエクセルなどの編集が可能。OSの開発自由度は低い。OSの改良がほぼ制限なく可能で、携帯電話会社が独自のサービスを提供しやすい。 

スマホOS「第3極」 KDDI搭載機販売発表

こういう記事を読むと確かに嫁さんの言うことも一理ある。携帯電話会社が始めようとするサービスって要するに音声・データ通信以外で儲けようとしているわけでしょ?とてもじゃないけれどユーザ側の立場にたったサービスを開発するとも思えないし、より使い勝手が悪くなりそう・・・・と、このあたり関心ある方はこの記事を読んでいただきたい。

【2013年01月18日】 百害あって一利なしのプリインアプリが無くならない本当の理由

とどのつまりGoogleやアップルの手のひらで踊っていると、いいところは全部Google&アップルに持って行かれてしまい、取り分は少なくてうま味は少ない。だからAndroid,iOSに続く第3のOSに大いなる期待と希望を持ってしまうのだろうが、個人的にはさほど状況が改善するとも思えないのだ。この表を見ていると、米モジラ財団が提供するFirefox OSはなにやらいいとこ取りで前途洋々、意気軒昂のOSのようにも感じるが、そのお金がどこから出ているのかご存じだろうか?

【公式サイト】Mozillaの現状

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Mozillaの収入の大半は、Firefoxブラウザの検索機能によるものです。Googleは最大の収入源であり、Mozillaは2011年12月に、Googleとの間で双方にとってメリットのある重要な収益契約について交渉したことを発表しました。この新しい契約によって、MozillaがGoogleとの間で長年にわたって築いてきた検索に関する関係が、さらに少なくとも3年間延長されます。

Firefox、少なくとも3年は延命 - MozillaとGoogleが契約合意

GoogleはMozillaの最大の支援者である。MozillaはWebブラウザ「Firefox」のデフォルトの検索サービスプロバイダーをGoogleとし、Googleからロイヤルティ(使用料)を徴収する契約を交わしていた。Mozillaの財務報告書を見ると、この契約からの収入は2010年と2009年にそれぞれ、Mozillaのロイヤルティ収入全体の84%と86%を占めた。ちなみにMozillaの2010年の収入は1億2300万ドルで、そのうちロイヤルティ収入は1億2100万ドル。つまり、Googleとの契約からの収入がロイヤルティ収入に占める割合が、Mozillaの売上げ全体に占める割合とほぼ変わらない状態である。そのGoogleとの契約が延長合意に至らないまま2011年11月末の期限を迎えたため、Mozilla危機説がささやかれるようになった。

Mozilla財団公式サイトでGoogleが最大の収入源であると明記されており、かつまた2010年度時点では収入のほぼ100%をGoogleに依存している事実を考えると、FirefoxはGoogle別働隊という見方もできなくはないのだ。市場占有率が90%を超えていたWindowsOS全盛時代、世界各国でマイクロソフトと当該国では軋轢(あつれき)が生じていたが、その経験則からGoogleも市場占有率はほどほどにしておかないとマイクロソフトの二の舞になると踏んでいるのだろう。

iOSとの二強体制に突入したAndroid OSの市場占有率は70%前後で、ますます寡占化が進んでいる。が、あまりにも高まると今度は火の粉が我が身に降りかかってくる可能性がある。火の粉がかからぬようにはしたいが、レゾンデートルであり、かつまた収益源であるOSの検索窓口だけは抑えたい。携帯電話会社のガス抜きを計りながらも、肝心要の自らの収益基盤の権利窓口だけは絶対に手放さない。それらの様々な思惑が複雑に絡み合った結果、自らは黒子に徹しつつ、Mozilla財団に寄付するという形を取ったような気がするのだ。

Googleにその収入の100%近くを依存している以上、Firefox OSの開発にはGoogleの意向がかなり反映されていると捉えるべきだろうが、最後に掲載したKDDIの【我々にもまだ何ができるか見えていないところもある】という発言からも分かるように、ブラウザをベースとしたスマートフォンはやはり未知数だ。冒頭で書いたように、【かゆいところに手が届かなくても我慢できれば買い、いや孫の手みたいに届かなければ満足しないっていう人はAndroid】の可能性は充分にあるのだ。ひょっとしたらGoogleの狙いもそこにあるのかもしれない。新興国向けにはFirefox OSで低価格機を投入し市場占有率をしっかりと抑える。それ以外の国ではAndroid OSを発売し、表層的にはさまざまな入り口を用意しつつ、根っこの検索機能だけは手放さない。

こうなってくると、Tizenに期待したくなってくるのだが、ドコモが開発に参加しているというだけで、その出来映えは推して知るべし、たいしたものはできまい。その理由については長文になってきたのでまた次の機会に。

KDDIも来年製品化 期待高まる「第3のOS」  ジャーナリスト 石川 温

スペイン・バルセロナで世界最大級の移動体関連展示会「Mobile World Congress(MWC)2013」が現地時間の25日に開幕する。その前日にはインターネットブラウザー「Firefox」を手がける米モジラが、スマートフォン(スマホ)向けOS(基本ソフト)「FirefoxOS」の記者会見を開催した。製品化を明らかにしたKDDIをはじめとする携帯電話会社やメーカー各社の計画から、アップルのiPhone(OSはiOS)と米グーグルのAndroidに次ぐ「第3のOS」としてFirefoxOSにかかる期待が浮かび上がってきた。

■iPhoneとは対照的なアプローチ

FirefoxOSはWebページ作成の次世代言語「HTML5」に対応したブラウザーをベースとしており、通話機能やネット閲覧、メールなどスマホの機能をすべてHTML5で動作させようという取り組みだ。記者会見では、参入メーカーとして、中国のファーウェイ(華為技術)、同ZTE、同TCL(ブランドはアルカテル)、韓国のLG電子を紹介した。対応端末を採用する携帯電話会社としては、独Tモバイル、イタリアテレコム、米スプリント・ネクステル、チャイナユニコム、韓国KT、シンガポールのシングテル、スペインのテレフォニカなど世界で影響力を持つ大手企業が名を連ねた。日本からは、KDDIが製品化に向けて取り組んでいくことを正式に発表した。

世界のほとんどの携帯電話会社は、性能が低い端末でも動くFirefoxOSを安価なスマホに搭載して売っていく意向だ。特に新興国では、100ドル程度の価格帯のスマホを実現するOSとして期待が高い。実際、FirefoxOS搭載端末が最初に発売されるのはブラジルやコロンビア、ハンガリー、メキシコ、モンテネグロ、ポーランド、セルビア、スペイン、ベネズエラといった国々で、米国や日本、英国、フランスといった国から発売するアップルのiPhoneとはアプローチが対照的だ。

KDDIの田中孝司社長も、1カ月ほど前まで「FirefoxOSは、いまもケータイ(従来型の携帯電話)を使っている層に向けたスマホならあり得る」とコメントしていた。しかし、KDDIは最近になって「初心者層に向けた安価なスマホだけでなく、幅広いユーザーを意識して検討していきたい」(取締役執行役員専務の石川雄三商品統括本部担当)と発言するようになった。FirefoxOSで製品を具体的に開発していくなかで、少し軌道を修正したようだ。

日本市場では、価格が安いからといってユーザーが飛びつくとは限らない。2年契約の割賦払いでの販売モデルが多い日本では、ユーザーの端末の価格に対する意識は、他の国と比べてやや薄い。価格よりも使い勝手やブランド力などで選ばれる傾向がある。

KDDIが採用を決めたのは、FirefoxOSに「革新性」を求めたからのようだ。Firefoxはウェブ技術をベースにしているため、従来のスマホ向けOSに比べて、「扱える開発者の数が桁違いに増える。我々にもまだ何ができるか見えていないところもあるが、参入する人が増えることで魅力的なプラットフォームになるのではないか」(KDDIの石川氏)と語る。

FirefoxOSは、誰でも開発に参画できるよう「オープンでフラットな関係」が構築されているという。KDDIでは、NTTドコモが取り組んでいるOS「Tizen(タイゼン)」の導入も比較・検討したというが、Tizenは開発に携わるサムスン電子の影響力が強く、完全にオープンとはいえなかった。「技術仕様的にもAndriodに近いところがある」(石川氏)ため、KDDIが新たなプラットフォームとして取り組むには魅力に欠けたようだ。

Androidの場合は、グーグルを頂点として、端末を開発する際にはサムスン電子や台湾のHTC、ソニーモバイルコミュニケーションズ、LG電子などが優先して開発できる環境にあった。Androidも開発当初はオープン性をアピールしていたが、実際はメーカーに序列があり、日本メーカーは後塵を拝していた。

その点、FirefoxOSは、いまのところ完全にオープンだ。「メーカー各社が(インターネット電話サービスの)Skypeのビデオチャット機能を使い、端末の仕様を話し合って決めている」(石川氏)というほど、参加する各社がフラットな関係だという。携帯電話会社に関しても同様で、例えばNFC(近距離無線通信、Near Field Communication)の技術はドイツテレコムが、セキュリティーに関する技術はKDDIが、それぞれノウハウを持ち寄るなど、各社が対等に開発に参加する環境になっているという。

FirefoxOSにはオープンな環境で様々な知見が盛り込まれることで、これまでにはない革新的なプラットフォームとして進化していく期待が高まっている。この点が多くの携帯電話会社やメーカーの支持を得たようだ。

■KDDIにとっては第4のプラットフォーム

KDDIによるFirefoxOS製品の投入は年内は難しいようで、早くて14年になる見込みだ。FeliCaやワンセグといった日本特有機能への対応もこれから検討を進める。

かつて「Android au」と声高に叫んでいたKDDIは、11年8月には「Windows Phone」を導入したものの1機種を出しただけの「ひと夏の思い出」に終わっていた。今では、本命端末を11年秋に出したiPhoneにしたかのようなそぶりを見せる。KDDIがFirefoxOSを採用すると、4つめのスマホプラットフォームと付き合うことになる。しかし石川氏は「iPhoneやAndroidなど、従来のOSを否定するつもりはまったくない」と繰り返した。

変化するトレンドを捉え、新しいプラットフォームを積極的に取り込むKDDI。いい意味で「節操がない」が、それが現在のKDDIの長所になりつつある。ただ“四つまた"ともなると、それぞれの「交際相手」への気遣いも必要になる。もちろん相手それぞれの個性を引き出す手腕も問われる。

日本の携帯電話会社は豊富なノウハウを持っているため、プラットフォーム側からの期待も高い。「モテキ」が到来したKDDIは、複数の交際相手を前にどのように立ち振る舞っていくかについて、これから腐心が必要になりそうだ。


【追記】 記事投稿を優先しました。書き込んでもらいました方々、明日までお待ちください。

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