◆2013 天皇賞(春)予想より、一部抜粋
競馬最強の法則WEB ラップギア 2013 天皇賞(春)予想より、一部抜粋
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昨年の有馬記念を圧勝し、1歳年上の三冠馬オルフェーヴルに並ぶほどの評価を手に入れた(8)ゴールドシップ。残るはオルフェーヴルとの直接対決。負けられない。競馬界を盛り上げるためにも、それまでは何があっても負けられない。そういった立場で出走する単勝1.3倍見当の(8)ゴールドシップではあるのだが、本当にそうなのだろうか? それは他でもない、(6)フェノーメノの存在がそう思わせるのだ。
かたや二冠+有馬記念で三冠馬とも肩を並べるG1・3勝馬。それに対して(6)フェノーメノはG2・3勝ではあるもののG1・0勝の馬。3000mを超える距離も経験なく、たしかにパッと見は(8)ゴールドシップのほうが圧倒的優勢にも見える。
ただ同世代ではあるものの、王道を歩んできた(8)ゴールドシップと、弥生賞での不運から一度道を踏み外した(6)フェノーメノ。実は直接対決は1度しかない。昨年の日本ダービー、(6)フェノーメノ2着、(8)ゴールドシップ5着。(6)フェノーメノが先着しているのだ。
しかしそこは超瞬発コース、東京芝2400mの日本ダービー。圧倒的な持久力が売り物で、瞬発力は並でしかない(8)ゴールドシップにとっては不利なレース。そこでの先着を論ずるつもりはない。
それを抜きにしても、セントライト記念と日経賞の勝ちっぷりは神戸新聞杯と阪神大賞典に劣るものではなく、エイシンフラッシュに足元をすくわれたものの、古馬を相手に天皇賞(秋)2着は菊花賞勝ちにも匹敵。(6)フェノーメノが(8)ゴールドシップに対して卑屈になるところは何もないのではないか。
ひとつ差があるとすれば有馬記念。(8)ゴールドシップは有馬記念、常識はずれの圧勝で一気に株を上げたのだが、今みるとその有馬記念はメンバー的に今ひとつだった感もある。秋4走目で“出がらし”状態だったエイシンフラッシュと、(2000mまでは強いのだが)2100mを超えると途端に信頼度の落ちるルーラーシップが相手。
(8)ゴールドシップが有馬記念で3着ルーラーシップに付けた着差は約1馬身3/4、それに対して(6)フェノーメノが天皇賞(秋)で3着ルーラーシップに付けた着差は1馬身1/4。2000mよりも着差のつきやすい2500m、2000mまでは強いのだが2100mを超えると信頼度の落ちるルーラーシップ。ルーラーシップを基準に考えると、常識はずれの圧勝で一気に株を上げた(8)ゴールドシップ有馬記念でさえも、天皇賞(秋)(6)フェノーメノと互角の内容と考えることもできる。
問題は3000m超の距離で(8)ゴールドシップが負ける姿をまったく想像できないこと。これで相当悩んだ。悩んだのだが、(6)フェノーメノは3000mを走った経験がないだけ。血統的にはまったく問題なく、少なくとも折り合いに不安はない。いわば菊花賞前の(8)ゴールドシップと同じ状態でしかない。
実は昨年の有馬記念、出てくるなら(6)フェノーメノを本命にするつもりだった。ジャパンカップで5着に敗れた事も踏まえて、そけれでも雑誌企画でフェノーメノ本命の原稿を用意していたのだ。結局その直後にフェノーメノ有馬記念回避の連絡を貰ってその記事はお蔵入りとなってしまったのだが、たしかに(8)ゴールドシップに対する勝算があるつもりだった。
(8)ゴールドシップの有馬記念圧勝で意気消沈していたのだが、しかし……たしかに映像的には凄かったのだが、(8)ゴールドシップの有馬記念、実はラップ的にはそれほどでもない。並みのG1勝ち評価であり、それ以上ではない。それを踏まえて再考する。(6)フェノーメノは強く、(8)ゴールドシップ相手でも勝負になる。距離経験のなさを割り引いても、オッズほどの差はない。
(後略)
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回顧
2013天皇賞(春) ラップタイム
13.0-11.9-11.6-11.4-11.5-11.6-11.7-12.5-12.1-12.4-12.5-12.8-12.9-11.9-11.8-12.6
ラップギア ▼10▼1△8
ゴールドシップの敗因については色々言われているけど、ラップギア的見解からは 「瞬発戦になったから」。これ以外にはあり得ない。
逃げたサトノシュレンが後続に飲み込まれたのは 「12秒8−12秒9」 の箇所であり、これはサトノシュレンが失速したと言うよりは後続が一斉にペースを上げたせい。ただしサトノシュレンはその直後に大失速してしまうのだが。
そして、ゴールドシップが外を併せていたジャガーメイルの脚色に見劣ったのは 「12秒9−11秒9」 の箇所。他馬が一斉に加速している地点で(▼10)瞬間的に加速できず、ゴールまでジリジリと伸びて最後は差し返し。
神戸新聞杯、菊花賞、有馬記念、阪神大賞典。近走ゴールドシップが強い競馬を見せたレースはすべて▼1〜▼3程度の平坦戦だった。瞬発戦になって瞬発力のない馬が瞬発力に見劣った。それだけのことだ。
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