スプリンターズS回顧 ゆとり世代
今年のスプリンターズSは前半3ハロンが33秒6、存外のスローペースだったという話を複数名から聞いたのだが、本当にそうなのだろうか? スローペースであるのは間違いないのだが、私はスプリンターズSにしても高松宮記念にしても、 「元々そういうレースだった」、もしくは 「年々スローペースになりつつあるレースだった」 と考えるほうが正しいのではないかと思う。
■スプリンターズSの前半3ハロンタイムと勝ち馬
2008年 33秒6 スリープレスナイト
2007年 33秒1 アストンマーチャン
2006年 32秒8 テイクオーバーター
2005年 32秒9 サイレントウィット
2004年 33秒6 カルストンライトオ
2003年 33秒3 デュランダル
2002年 33秒7 ビリーヴ
2001年 32秒5 トロットスター
2000年 33秒0 ダイタクヤマト
1999年 33秒2 ブラックホーク
1998年 32秒9 マイネルラヴ
1997年 32秒6 タイキシャトル
1996年 33秒5 フラワーパーク
1995年 32秒9 ヒシアケボノ
1994年 32秒4 サクラバクシンオー
1993年 33秒2 サクラバクシンオー
1992年 32秒8 ニシノフラワー
1991年 32秒2 ダイイチルビー
1990年 32秒4 バンブーメモリー
※2002年は、新潟芝1200m
■高松宮記念の前半3ハロンタイムと勝ち馬
2008年 33秒4 ファイングレイン
2007年 33秒8 スズカフェニックス
2006年 33秒7 オレハマッテルゼ
2005年 33秒3 アドマイヤマックス
2004年 32秒9 サニングデール
2003年 32秒9 ビリーヴ
2002年 32秒9 ショウナンカンプ
2001年 33秒5 トロットスター
2000年 33秒1 キングヘイロー
1999年 32秒6 マサラッキ
1998年 33秒7 シンコウフォレスト
1997年 33秒0 シンコウキング
1996年 33秒1 フラワーパーク
スプリンターズSは、G1昇格当初32秒4、32秒2、32秒8と究極のスピードレースに相応しい快速ペースが続いていた。しかし2000年辺りをターニングポイントとして、平均前半3ハロン33秒2ぐらいのレースに変わってしまったのだ。2004年と2007年は不良馬場だったとは言え、その傾向は明らかではないだろうか。
高松宮記念に至ってはそれがさらに顕著で、G1昇格直後から33秒台。特に近3年は33秒7、33秒8、33秒4という超スローペースとなっている(2007年は重馬場)。1200mG1はスピード自慢の集まるレースではなかったのか? 競走馬は年々遅くなっていってるのか?
答えは否である。過去3年の1200m戦クラス別の平均前半3ハロンタイム(JRA全競馬場、良馬場限定)を出してみたのだが、2歳新馬も最速で32秒台に突入しようかというご時世、3歳新馬や未勝利戦の平均は33秒9。古馬500万下で33秒7。つまり近年のスプリントG1は、500万下クラスの平均とほぼ同等のペースでしかないということだ。
重賞、G1クラスのスプリンターとて、テンに遅い馬ばかりが集まったわけではない。行こうと思えば速い馬はいる。前半32秒台で行ける馬だって毎年1頭や2頭はいるはずだ。だがしかし、行かないのだ。最初から 「32秒台で行く気がない」 のだ。
特に重賞クラスにおいて、ラスト3ハロンタイムはこの7〜8年で飛躍的に上昇しているのだが、前半3ハロンタイムは下落の一途。テンに速いはずの馬は、瞬発馬の末脚を警戒するあまり、自ら持ち味を殺す形となっている。
現代の瞬発馬は前半33秒台では消耗せず、問題なく末脚を温存できる。長距離レースだけの問題ではなく、短距離重賞でのこの傾向こそが、真の 「スローペース症候群」というものではないだろうか。
■スプリンターズSの前半3ハロンタイムと勝ち馬
2008年 33秒6 スリープレスナイト
2007年 33秒1 アストンマーチャン
2006年 32秒8 テイクオーバーター
2005年 32秒9 サイレントウィット
2004年 33秒6 カルストンライトオ
2003年 33秒3 デュランダル
2002年 33秒7 ビリーヴ
2001年 32秒5 トロットスター
2000年 33秒0 ダイタクヤマト
1999年 33秒2 ブラックホーク
1998年 32秒9 マイネルラヴ
1997年 32秒6 タイキシャトル
1996年 33秒5 フラワーパーク
1995年 32秒9 ヒシアケボノ
1994年 32秒4 サクラバクシンオー
1993年 33秒2 サクラバクシンオー
1992年 32秒8 ニシノフラワー
1991年 32秒2 ダイイチルビー
1990年 32秒4 バンブーメモリー
※2002年は、新潟芝1200m
■高松宮記念の前半3ハロンタイムと勝ち馬
2008年 33秒4 ファイングレイン
2007年 33秒8 スズカフェニックス
2006年 33秒7 オレハマッテルゼ
2005年 33秒3 アドマイヤマックス
2004年 32秒9 サニングデール
2003年 32秒9 ビリーヴ
2002年 32秒9 ショウナンカンプ
2001年 33秒5 トロットスター
2000年 33秒1 キングヘイロー
1999年 32秒6 マサラッキ
1998年 33秒7 シンコウフォレスト
1997年 33秒0 シンコウキング
1996年 33秒1 フラワーパーク
スプリンターズSは、G1昇格当初32秒4、32秒2、32秒8と究極のスピードレースに相応しい快速ペースが続いていた。しかし2000年辺りをターニングポイントとして、平均前半3ハロン33秒2ぐらいのレースに変わってしまったのだ。2004年と2007年は不良馬場だったとは言え、その傾向は明らかではないだろうか。
高松宮記念に至ってはそれがさらに顕著で、G1昇格直後から33秒台。特に近3年は33秒7、33秒8、33秒4という超スローペースとなっている(2007年は重馬場)。1200mG1はスピード自慢の集まるレースではなかったのか? 競走馬は年々遅くなっていってるのか?
答えは否である。過去3年の1200m戦クラス別の平均前半3ハロンタイム(JRA全競馬場、良馬場限定)を出してみたのだが、2歳新馬も最速で32秒台に突入しようかというご時世、3歳新馬や未勝利戦の平均は33秒9。古馬500万下で33秒7。つまり近年のスプリントG1は、500万下クラスの平均とほぼ同等のペースでしかないということだ。
重賞、G1クラスのスプリンターとて、テンに遅い馬ばかりが集まったわけではない。行こうと思えば速い馬はいる。前半32秒台で行ける馬だって毎年1頭や2頭はいるはずだ。だがしかし、行かないのだ。最初から 「32秒台で行く気がない」 のだ。
特に重賞クラスにおいて、ラスト3ハロンタイムはこの7〜8年で飛躍的に上昇しているのだが、前半3ハロンタイムは下落の一途。テンに速いはずの馬は、瞬発馬の末脚を警戒するあまり、自ら持ち味を殺す形となっている。
現代の瞬発馬は前半33秒台では消耗せず、問題なく末脚を温存できる。長距離レースだけの問題ではなく、短距離重賞でのこの傾向こそが、真の 「スローペース症候群」というものではないだろうか。
10:46│レース回顧