Q&A

◆知った上で、それでも利用するよ

Q.

JRAの出す公式ラップは出鱈目です。それを信じてやっているのですか?

A.

出鱈目は言いすぎですよ(笑) しかし、特に新潟芝の直線部分なんかは、どう考えても変なラップがあることは知っています。たとえば上位がすべて平坦馬だったのに、公式ラップは瞬発戦決着。こういう時はかなり疑わしいですね。自分で測りなおすと、十中八九平坦戦です。

ただ、それでも全部デタラメというわけではなく、ほとんどのラップはある程度は信用できるものだと認識しています。なぜって、ラップギアである程度の傾向が出てしまう以上、やはりある程度は正しいんです。仮に全部デタラメだとしたら、(種牡馬系も含めて)ラップギアでの傾向なんて出てこなくなるはずですから。どの馬も 「瞬5平5消5」 みたいになっちゃいますよ。

極限まで簡略化、そして積み重ね方式にすることにより、そういった不純物を極力目立たない形にしてみたのがラップギアだということで。





ちょっと話は変わりますが、JRAの発表が信じられないですか? ゼッケンや馬装を取ったらほとんどの馬は見分けがつかなくなるでしょう? 我々は、JRAが 「これがディープインパクトだよ」 と言って出走させたら、うたがう余地もなく 「それがディープインパクトなんだ」 と信じて買うしかないんですよ。

仮にその馬がディープインパクトらしくなく大惨敗したとしても、“それがディープインパクトであること” 自体を疑う人はいませんよね。ソックリさんかもしれないのに。ある意味、それと同じことです。あっ、でもたまには疑ってみたほうがいいかも。俺の◎がこんなに勝てないはずはない。馬がすり替わってるんじゃないかって(笑)

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 06:35

ある回答の一例

予想を全部あてるのは無理なことですし、1着固定だと7割、8割は余裕でハズレるワケですよ。しかしそれでも、たとえハズレたとしても 「それでも◎はこの馬しかなかった」 と思えるのが理想的な予想だと考えています。負けを認めないという意味ではなくてね。逆にレース後に 「別の馬にしたらよかった」 と思ってしまうような予想は、自分としては最悪と捉えています。

最低限、レース後にも後悔しない◎を。心掛けているのはそれだけで、実際に好調時はたとえハズレたとしても、 「それでも◎はこの馬しかなかった」 と思えるレースが多いものです。

ものすごい高評価でも◎を打たない馬、結構いますよ。 ……と言うか、そっちのほうが多いと思います。だってそんな馬でも4割〜5割が勝ってくれれば御の字。競馬ってそんなもんじゃないですか^^ そういう意味では京阪杯の単勝1.6倍ロードカナロア、例外的な◎でしたね。

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 16:48

なんと動物の育成なども無償で行なっている

Q:

こういうことをやっている人を見ていつも思うのですが、本当に儲かってるのならわざわざ理論や予想を公開したりしないのでは?何か騙しがあるような気がします。

A:

たとえば、あなたは何か趣味をお持ちですか?

なになに? 週末にゴルフを楽しんでいる?
…それってカネになるんですか?

なになに? ペットとして犬を飼っている?
…それってカネになるんですか?

なになに? 牛乳ビンのフタを収集している?
…それってカネになるんですか?

利益の追究だけではなく、実益の伴わない行動も取ってしまう、人間なんて多分にそんなモノでしょう。

動物

2007年夏の話ですが、私は1995年辺りから10年以上もひとりでラップギア的なモノ使用してきました。要請があれば公開してもいいかなと考えていた頃、需要があるなら供給したいと思う気持ち。それを考慮してもなお、私の行動が奇異に映りますか? 利益を永久に独占したいとか、そんな狭量な人間ばかりじゃないでしょう。

ラップギアの計算式は 「競馬 最強の法則」 や 「単行本ラップギア」 、それに WEB上 でも公開していますので、2〜3時間あれば誰でもラップギアが有用なものかどうかを検証できるはず。その計算式を見て、検証を終えてもラップギアがデタラメとか騙しだと思うなら、それはあなたが本質的に競馬を理解していないということだと思いますよ。


 04:45

一寸の虫にも五分の魂

Q:

単勝10倍以下は買ってないのですか?

A:

そんなことはないです。10倍以下もたくさん買ってます。ただ、このブログに掲載する基準を単勝で10倍以上にしているだけですよ。


 01:32

だってしょうがないじゃない

Q:

桜花賞のブエナビスタのような単勝1.2倍の馬に◎だけというのは?できればヒモを。

A:

単行本ラップギアのP35にも書いているのですが、競走馬の人気は岡村が決めるものではありません。もちろん岡村が人気を見て印を決めているわけではなく、ましてや岡村の◎が人気を作り出しているわけでもありません。

岡村が◎に値すると考えた馬が勝手に人気になっているだけのことであり、まぁ言ってしまえばこちらとしてもいい迷惑なんですよ(笑) 自分としましては、ブエナビスタがいつも単勝100倍ならいいのになァ…などと思っています。

ヒモに関しては こちら をご参照ください。


 04:31

ダンスっちまうのはハードラック

Q:

なぜ印は◎だけなのですか?○や▲△は?

A:

一番の理由は、自分がほとんど単勝しか買わないし、勝ち馬にしか興味がないからです。1着馬に比べて、2着馬や3着馬は運の要素が絡む可能性が高いと考えていますし、自分はそんな強運の持ち主だとは思っていませんので…。

例えばラップギアなんかは計算式をすべて公開しているように、自分の論法は大抵が啓蒙型のものです。つまりは考え方の提示。要するに◎○▲△とか出したとして、自身で考えることなく丸乗りとかって、競馬が面白くないと思うんですよ。

とは言え、それでは少々不親切だと思ったのも確かでして、評価の対象となる数値は全頭載せていますので、その辺りも参考にして頂ければと思います。


 22:57

オーシャンS予想より、一部抜粋

この記事 とか この記事 に関連する考え方の重賞予想は、直近では 2009年オーシャンS (芝1200m・消耗戦想定) の アーバニティ でしょうか。

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消耗戦の想定だが、重賞クラスになると、普通は直線バテバテの消耗するような流れであっても、キッチリと伸びてくる馬が存在する。それゆえこのオーシャンSは過去3年のうち2回が平坦戦決着なのだが、どちらにしろ、楽な流れで収まることは考えづらい。勝負どころで伸びてくる馬が存在するにしても、それは厳しい流れに耐えた後に、それでも伸びることのできる馬。つまり、消耗適性がない馬には厳しいレースという考えで間違いはない。

そういった観点から、まず気になる人気馬は(11)サープラスシンガー。1月の淀短距離Sを快勝した同馬だが、それは「±0▼2△8」という平坦決着ラップギア、4角単騎先頭という楽な流れでのものだった。1200mの逃げ馬にしては珍しい存在ではあるが、基本的にはラップギア適性値「瞬2平5消3」が示すとおりの平坦馬。厳しい流れを押し切るタイプではなく、どれだけ楽をさせてもらえるかがポイント。ん、でも今回は他に速い馬が多くないので、一考の価値はアリか。

(9)キンシャサノキセキと(16)モルトグランデは同じ「瞬2平4消2」の平坦型。ある程度のハイペース耐性はあり、消耗戦もこなせるのだが、やはり1200m戦ではどうしても少し後方からの競馬になってしまう。そうなると、末脚を特に強調できるタイプではないので、位置取りとして楽観まではできないところ。

(7)アーバニティは「瞬4平0消1」の瞬発馬と表記されているのだが、この馬にしても、消耗戦を走ったのは前走が初めてであり、消耗戦に関しては1戦1勝となる。レース映像からは各馬がストップする中、1頭だけ一瞬で突き抜けた感があり、純粋な消耗馬とは思えなかった。

しかし前半3ハロン33秒5のペースを4番手で追走できた辺り、速い流れに対する耐性はかなりのモノがありそうだ。今回(11)サープラスシンガーや(8)マチカネハヤテが刻むラップはそれよりも若干緩いと予想され、そうなると前走の再現も。この馬が(11)サープラスシンガーを一瞬の脚でアッサリと交わし、(9)キンシャサノキセキや(16)モルトグランデは後方から届かない。そんな場面も十分に想像できるレース内容だった。

------


 22:38

なぜ負けてしまったのか、何に負けてしまったのか

Q:

ラップギアは連対を+1としてカウントしていますが、5着以下だったレースを−1とカウントしたほうが正確度が上がるのではないでしょうか。

A:

ラップギア発表に際しての試行錯誤の中で、もちろんそんな感じのことも考えました。しかし、それは基本的には良案ではないとの結論に現在は達しています。

なぜならば、適性の不適合だけが敗因になるとは限らないからです。それが本当の(正確な)敗因かどうかは別として、競馬って勝因に比べて敗因のほうが圧倒的に種類が多いですよね。まぁ勝ち馬以外の十数頭はすべて負けるのだから当然と言えば当然ですけど。

うーん、言い換えるなら、造語で好走因と凡走因? それらの凡走因をすべてひとくくりにして「適性の不適合が原因」と考えるのは良くないのではないかと。だから負けたレースをマイナスにカウントするのはヤメました。

とは言え、そういった感じのアレンジを加えることで、必ずしも精度が下がるとも考えてはいません。つまり、その労力(機会費用)に見合うだけの効果が得られるかどうか…という話になりますね。要は、こういった話は「ラップギア」そのものとして取り入れることはナイとしても、考え方としてはアリだということです。

ラップギアは「誰にでも計算できる手法」を第一の命題として、全体的に「極限まで簡略化したつくり」 になっています。すなわち、それ加えることによって若干精度が上がるのではないかと思われる要素も、バッサ、バッサと切り捨てていますので。

そして、好走の定義、「何をもって好走とするか」 が一番悩んだ点であることことも確かです。勝ったレースのみ? 勝ち馬とのタイム差で判断? などなど。 現在は「計算が複雑ではなく、ある程度の数を見込め、誰もが納得する好走の定義」という観点で、連対の加算のみをラップギア適性値としています。


 01:58

ラッブギア無視?!

Q:

はじめまして。私は 競馬最強の法則WEB ラップギア の会員で、ラップギアと瞬発指数を参考にしています。(中略) 岡村さんの予想を見ているとたまにラップギア適性が合っていない馬に◎がありますが、それはなぜでしょうか?

A:

たとえば、もう5年ぐらい前の話ですけど、トニービン産駒は東京コースが得意って言われてましたよね。でもトニービンの産駒だからといって、東京コースでかならず◎を打つという人は多くはなかったと思うんですよ。

しかし、東京コースでのトニービン産駒に◎を打たなかった人に「東京コースのトニービンなんてデタラメか?」と問うと、多くの人はそうは答えなかったと思います。つまり、傾向はあくまで傾向。トニービン産駒が東京コースで例外なく100%勝つと言えない以上、参考にはなっても絶対ではないという話になってくると思います。

しかしそれでも、傾向というものは確かに存在します。

まぁ、ラップギア適性にしても同じことですね。ラップギア適性そのままに印を打たずとも、「それを考慮した上で」それでも別の馬に◎を打っているのなら、それはそれでラップギアを活用していると言えるのではないでしょうか。


 23:31

だって勝ち馬投票券なんだもん。

Q:

岡村さんは単勝しか買わないんですか?単勝がベストの買い方ということでしょうか?あと単勝でも複数点買われるんでしょうか?

A:

97%ぐらい単勝ですが、3%ぐらいは複勝、馬連、馬単、3連単なんかも買っています。◎が1番人気の場合はほぼ買いません。それは◎を1番人気以外の馬に付け替えるという意味ではなく、そのレース自体を「無かったもの」と考えることにしています。

単行本「ラップギア」のP22〜に書いているように、現在自分のスタイルには単勝が合っていると考えています。まだ馬単も発売していない時代、昔は少点数の馬連オンリーでした。趣味の範囲なら数ヶ月まったく的中なしでも問題なかったのですが、生活がかかるとなると、ある程度の的中率がないと精神的に厳しいです。ホントつらいです。的中率を上げるには、馬連のまま多点数にするか、それとも的中率の高い券種にするか。そこで私は単勝をチョイスしました。

ただし、自分はどちらかというと非人気馬で勝負する傾向がありますので、単勝をベースにすると的中率で勝負するわけでもなく、ド派手な万馬券でアピールするわけでもなく、どっち付かずで見せ方としては難しいですね。特に万馬券が当たり前になった3連単の時代。地味です。岡村、超地味です。

何点買うかによって話が変わってきますが。たとえば現状発売されている券種の中で、ただ回収率を高めたい、それだけの追究なら恐らく正解は穴狙いの3連単の1点買いではないかと思います。的中が数年に1回でも構わないのなら…という条件は付きますけど。当てるだけなら簡単ですね。単勝でも複勝でも何でもいい、全通り買いで的中率100%です。

ということは、やはり的中率と回収率のバランスになってくると思うのですよ。それに加えて、張れる金額と当たったときに喜べる配当になるかどうか。でも、そういう感覚は各人違うと思いますので、的中率と回収率のバランス以外は何とも言えません。

ちなみに、過去5年全レースの単勝平均配当は1016円で、馬連の平均配当は5728円。馬単が1万1704円で3連単は16万7010円となっています。思ったより単勝と馬連の平均配当に差がないようにも映りますが、いかがでしょう?

基本的には単勝1点でしたが、複数点買うことも、ないことはないです。レースが荒れそうだと思えば人気薄の単勝を3〜4点買うこともあります。特にここ2〜3週は「ラップギア種牡馬系」の推奨種牡馬も買うことが多いので、複数頭の単勝を買うことが増えています。


 20:58

移ろいゆくもの、目にはさやかに見えねども

Q:

最近スピード指数での予想に限界を感じています。岡村さんは指数予想についてどのようにお考えでしょうか。指数は間違いなく能力を示すとは思います。しかし指数どおりに決まらない競馬が以前より増えている気がします。

A:

たとえ自分の予想スタイルが過去現在未来において変わらずとも、競馬自体も変わらずにいてくれるとは限りません。目にはさやかに見えねども、競馬は徐々にそのスタイルを変え続けています。例えるなら馬場の状態整備や種牡馬の世代交代など、10年前、20年前と今の競馬はまったくの別物であると思われます。そして、この意見は、それ以前からから競馬を見ている人には大体同意してもらえるのではないかと思います。

10年前に通用した方法の多くは今は通用しないでしょうし、今通用しているスタイルの大半も、10年後には通用しなくなっていると思われます。理論立てた競馬予想をずっと続けていくつもりなら、直近のレースだけではなく3年後、5年後、10年後の競馬傾向も予想していかなくてはならないのです。

10年前、20年前の競馬は各馬の能力差が今よりずっと明確なものでした。「スローペース=先行有利、ハイペース=差し有利」という考え方がその最たるもので、これは算数・数学で言うところの、足し算、引き算の考え方でしかありません。初歩中の初歩です。

「ラップギア種牡馬系」のP68〜69でデータを出して説明したように、現在の競馬は昔と比べてかなり能力が接近した馬同士の戦いであると思われます。それは血統レベルの上昇が基礎にあり、育成レベルや調教レベル、騎乗レベルの上昇なども理由として考えられるところ。それらが高度化してくると、今まで素質を開花することなく埋もれていった馬たちが、素質を開花する機会を得られることになるからです。

そうなると、能力だけに頼った予想は早晩限界を迎えてくるはず。だから徐々にではあれど、ラップギアをはじめとした展開予想が世間に受け入れられはじめたのでしょう。「能力以外の何か」がレースに作用していると思う人が増え始めている。

能力予想を否定するという意味ではありません。各馬能力差は絶対的にあるし、自分だって瞬発指数などと称して能力比較は行なっています。しかし現在、そして今後はもっと「強い、弱い」の能力比較だけではなく、競馬予想はもっと多角的な考え方が必要になってくると思われます。

逆に言うと、20年前にはラップギアなんて必要なかったんですよ。10年ちょっと前に自分はそれが必要だと考え、現在はその考えに賛同してくれる人も増えはじめました。では10年後はどうでしょうか?

少なくとも、20年前、オグリキャップの時代に戻っているとは思えません (JRAの売り上げ的には戻ってますけどね)。今よりさらにもっと能力以外からのアプローチが必要になっていることも十分に考えられ、そこにラップギアが残っていることが理想。ひょっとすると形は変わっているかも知れませんが、考え方的には恐らく10年後も陳腐化はしていないはずです。


 04:51

線を引くとこはできる。しかし引かないという選択肢もある。

Q:

同一競走馬が芝・ダート両方走っている場合、ラップギア単行本の競走馬の数値をみると、芝・ダート関係なく連対した成績が載せられていますが、それでいいのかと疑問に思う時があります。

例えば昨年のJCを勝ったスクリーンヒーローですが、JC前までは「瞬3平6消0」の平坦馬でした。しかし芝・ダートで分けてみると芝「瞬3平2消0」ダート「瞬0平4消0」となり、芝に限れば瞬発馬になります。その辺りについてはどうお考えでしょうか?

A:

同一競走馬の芝、ダート別ラップギア適性値についてですが、現時点で岡村は「分けないほうが良い」と考えています。ダートは平坦、消耗になりやすく、芝は瞬発戦になりやすいという傾向はハッキリしていますので、ご指摘のスクリーンヒーローに関しても、その範疇かと。

スクリーンヒーローにしても、勝利した瞬発戦は▼6と▼7まで。たとえ芝「瞬3平2消0」であったとしても、もっとハイレベルな瞬発力勝負に向くかどうかは考えさせられるところです。そういった点では芝、ダート合計値の「瞬4平6消0」のほうが同馬の個性を適切に言い表しているようにも思えます。

しかしラップギアは「(意味をなくさない範囲で)可能な限りシンプルに」を命題に考えられたものですので、今回のように、そこからさらに考えを発展させていくのは良いことだと思いますよ。


 00:14

現状値と収束値のおはなし

Q:

京都芝1400m内回りのデータは、瞬2平6消2ですよね。しかし紅梅Sの過去10年を調べたら瞬5平4消1でした。このような場合、どちらのデータを信用するべきなのでしょう?

A:

京都芝1400「瞬2平6消2」と紅梅S過去10年「瞬5平4消1」の対比ですが、基本的には「瞬2平6消2」のほうを優先すべきだと考えています。ちょうど単行本ラップギアを書いていた頃、自分もこの問題でどちらにすべきかを迷っていました。しかしこの例でいうなら、試しに「瞬5平4消1」を優先させてみたところ、思うような結果が得られず散々な成績に。

なぜそうなるのかをちょっと考えてみれば分かるのですが、ラップギアコース適性値というものは、数百〜数千レースで統計を取った基準値なんですよね。それに対して「同一レース過去10年の傾向」というものは、10レースの傾向でしかない。

つまり「数百、数千 対 10」なんですよ。

単行本ラップギアのP32〜P33に下記のようなことを書いているのですが、
-----
 仕事上、そういったデータは嫌というほど出してきているのだが、「なぜそうなるのか、根拠を説明できないデータ」は信じてはいけないと思っている。
たとえば、とあるコースで「8枠が100戦60勝」のデータを見つけたのだが、それは集計期間中「たまたまその値が出た」だけで、本来は「100戦20勝=勝率20%」に収まるべきデータだったとする(これが前提)。
 つまりそのデータは「勝率20%=300戦時に60勝」に収束するはずなので、「100戦60勝」のあとは8枠は200連敗を喫し、最終的に「300戦時に60勝」に収束することになる。それは極端すぎるとしても、その後しばらくは「100戦20勝以下」が続く可能性が高い。データは森羅万象に基づき、適正な値に収束しようと頑張るのだから。
 そうとは気づかずに「8枠が100戦60勝」という数値に踊らされて、「勝率60%だ!」と鼻息荒く8枠の馬券を買い続けたら、破産どころではすまない結末に陥るだろう。
 ジンクスに気づくと、そのジンクスが崩壊するというのはこういうことではないだろうか。ジンクスなんて、いわゆる根拠のないデータでしょう? 「根拠を説明できないデータ」は、こういった危険性をつねにはらんでおり、巷に氾濫している予想法の中にもおそらく潜んでいる。
少し専門的ないい方をすれば、データには見かけ上の値=「現状値」と、最終的に収束すべき値=「収束値」というものが必ずあって、必ずしも現状値=収束値ではないということなのだ。むしろ現状値=収束値であるほうが稀とさえ言うこともできるだろう。
-----

まさにコレです。過去10年の傾向が「そのレースの収束値である」という保証はないワケで、より収束値に近い可能性が高いのは「瞬2平6消2」のほう。自ら指摘したこのワナに、どっぷりと嵌まっていたことに気付きました。

今回の例で言うと、紅梅S過去10年「瞬5平4消1」が、将来的には京都芝1400「瞬2平6消2」に収束していく可能性も低くは無いワケで、それを真とするなら紅梅Sの今後10年は「瞬0平9消1」みたいなことになる可能性さえあるはずです。これに気付くまでに、要した時間は約3ヶ月…。

ただ、物事すべてが平均値に沿って進んでいくというわけでもないので、例外的に「なぜそうなるのか、根拠を説明できるデータ」として出たものなら、その根拠を信じてみる手もあるとは思います。

例えば自分も2009中山金杯などは中山芝2000mのコース適性値「瞬5平4消1」よりも、中山金杯の過去10年「瞬2平4消4」を重視しました。中山金杯予想文にも書いたのですが、馬の気性、馬場の状態、騎手心理、そしてそれに後押しされての過去傾向。「瞬4平3消0」の1番人気オペラブラーボ(6着)よりも「瞬1平4消0」の11番人気ミヤビランベリを上にとったのは、「根拠を説明できるデータ」だと思ったからです。3着じゃ意味ないんですけどねー。


 15:13

ひとつだけ、いつまでも変わらないもの

Q:

土曜日の成績とか日曜日の成績とか出していますが、なぜ◎の成績ではなく瞬発指数1位の成績なんですか?

A:

2009年01月04日の記事 にも書いたとおり、自分の場合、◎は記載後に変更する可能性のないものとは言えません。それに対して「瞬発指数1位」は、前日だろうが直前だろうが一度出せば不変のものです。

「瞬発指数1位」は1レースに複数いることもあるので回収率の面から不利ではありますが、変更の可能性の無いもの。掲載する予想の精度を示す目安としてはこちらのほうが適任ではないかと思い、◎よりも「瞬発指数1位」のほうを公式の成績としてみました。

★瞬発指数について
http://blog.livedoor.jp/lapgear/archives/479532.html


 04:05

「見」 したくないよね

Q:いわゆる「見」をして買わないレースはありますか?

もちろんありますよ。と言うか、買えるレースをすべて買って(長期的に)収支をプラスに持ってくのは、かなりの難題なのではないでしょうか。

直前のオッズ考慮との絡みもあるのですが、現在は平均すると買うのは1日6〜7レース程度ではないかと思います。「1番人気の多くは過剰人気」という考えがあり、「1番人気は買わない」というポリシーも持っていますので、その時点で半数近くは「見」ということになりますね。

たとえば単勝が1800円以上になると分かっているのなら、全頭の単勝を買っても(18頭立てでも)必ずプラスになります。そう数は多くありませんが、「単勝1800円以上」はありえない事ではないでしょう。ならば、逆に(期待値的に)どの馬を買っても必ずプラスにはならないレースも存在するのではないでしょうか。

ただ、買えると思うレースが少ない日はテンションが上がらないことも確かです(笑) つまり、やっぱり「見」ばかりじゃ面白くないということでして、買えるレースを増やす手法の開発が現状の課題ですかね。そのひとつとして提案したのが、現在 競馬最強の法則 に連載されている ラップギア≪種牡馬系≫ だったりします。

 06:39

オッズは気にせず、しかも最大限に考慮

Q:予想の◎と馬券購入の◎は異なる場合はありますか?

ぶっちゃけ「まったく無い」とは言えません。そんなに多くはないはずですが、直前になって買い目を変えることもあることはあります。理由を言うと、天候や馬の状態を考慮してのことではなく、予想したオッズ、想像したオッズと実オッズの違いですかね。

オッズというものは予想段階ではできるだけ気にしないほうが良いものですが、馬券購入段階では最大限に考慮すべきものです。予想段階でのオッズ考慮は欲目をかき立て、目を曇らせるものでしょう。しかし、馬券購入段階でのオッズ考慮は必須だと思います。

予想段階で(穴狙い、本命党みたいに)オッズを気にして、馬券購入段階ではオッズを確認せずに前日や締切何時間も前に馬券を買う人も少なくはないでしょう。しかし、それは逆なのではないかということです。

たとえば単勝2.5倍の「2回に1回勝てる馬(勝率50%)」を買った場合と、単勝1.5倍の「2回に1回勝てる馬」を買った場合。的中率は同じだとしても、回収率は125%対75%。しかしどちらも前日段階では2.0倍と予想していたなら、その段階で最終結論は出せやしません。

要は、控除率が0%ではない以上、その倍率で利益が出せると思えるか、思えないか…なんですよね。まぁ全部勝つと思ってるなら単勝1.1倍でも利益が出せると思えるのでしょうけど、なかなか全部は勝ってくれませんので。

ただ、騎手だって(パドック騎乗等で)直前のオッズは気にするもの。たとえば1番人気の差し馬が単勝1.1倍の場合と単勝4.0倍の場合ではレース流れ、全体のペース自体が変わってくるはずです。そういった面、流れや適性を予想として考慮するなら、予想段階でのオッズ考慮が必要な時もあるとは思います。レースの流れを作るのは逃げ馬のみにあらず、逃げ馬と中心馬(多くの場合は1番人気馬)の動向ですので。


 05:59
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