おときき通信

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只の音楽好きな大学生です。 ロック、メタル、ジャズ、フュージョン、ブラックミュージックなどなど… 自分の好きな音楽を発信します。 ギターもやってます。愛機はフェンダーアメリカンスタンダードテレキャスターです。 お気軽にコメントください。 よろしくお願いします!


お天気が不安定な今日この頃。

八月も半ばに入り、最も夏らしい気候となってきました。

学生は課題をそろそろやった方がイイですね(笑)

さて、夏の入道雲を見ると必ず聴きたくなる曲があります。

それはポンキッキーズでお馴染みの『歩いて帰ろう』、幅広い世代に受け入れられた名曲ですね。

作者の斉藤和義は何年か前に『やさしくなりたい』でより多くの人に聴かれるようになりました。

近年の作品も質がイイんですが、僕が特に好きなのが彼の初期のアルバム。

ということで、今回は斉藤和義の3枚目のアルバム『WONDERFUL FISH (ワンダフル・フィッシュ)』!

彼の基盤はやはりロックンロールで、『ジレンマ』などのアルバムではそれが顕著ですが、本作は個性が光るバラエティ豊かでポップな作品

適度にキャッチー、時にはマニアックな、せっちゃん(彼のあだ名)の音楽を初めて聴く人にもおススメです。




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01. WONDERFUL FISH
02. 走って行こう
03. 歩いて帰ろう
04. 何となく嫌な夜
05. 寒い冬だから
06. ポストにマヨネーズ
07. レノンの夢も
08. 例えば君の事
09. déjà vu
10. 無意識と意識の間で
11. 引っ越し

・ 全曲作詞・作曲: 斉藤和義、編曲: 斉藤和義(2・3・5・6・7・10)
・ 編曲: 宮内和之(M-1・9・10)、松尾一彦(M-2・3・4・8・11)、His Band(M-5・6)
・ ホーン・アレンジメント: 水江洋一郎(M-6)





ファンキーなリズムと、フォークギターの爽快なストロークが特徴のWONDERFUL FISH』、アルバムのスタートに相応しいポップロック
うねるベースや単音のギターカッティングなど、歪んだサウンドとクリーンな音が調和したバッキングが聴きやすく、職人的な味わいがあります。
ワウ全開のギターソロのガチャガチャした感じも嫌いじゃありません。
最初から最後までテンションが落ちませんね。

走って行こう』は、何かに急かされるような落ち着きのないパーカッションが少し毒々しい…
70年代ロックンロール風の、煙が上がりそうなくらい前にグングン進もうとする展開は、あっという間に曲が終わってしまったような気にさせますね。
曲はコミカルながら、歌詞は現代のストレス社会を風刺したような内容

イントロのリフでご飯三杯行ける歩いて帰ろう』、大好きです!
サビらしいサビもなく、歌詞も決して明るくないのに夏の青い空にピッタリなんですよね。
全体的にギターがメインのバッキングで、ギター初心者がコピーするのにもってこいですよ。
中盤のギターソロも色んなテクニックが詰まっていて、同時にとてもメロディアスな名演奏
僕も勿論コピーしました。




アップテンポな曲が続いた後は、メローなバラード何となく嫌な夜』でしっとり。
ふわりと匂やかでジャジーな演奏は、心にスッと入り込みやすい滑らかな味です。
飄々と、時には毒舌な印象が強いせっちゃんですが、この曲のような無情感のある歌詞もイイ。
“何となく”暗い気分の時にはコレ。

アコギのイントロがとても渋くてカッコいい寒い冬だから』も、④と同じように7thコードを多用したアダルトなアレンジがお気に入りです。
暖房の利いた部屋から寒風吹きすさぶ外を見やるような、室内で聴くのに最高なスケールの小ささ。
彼のギターのテクニック、センスがさり気なく表れていて、これぞイイ男!な控えめな主張ですね。




実体験が元になったポストにマヨネーズ』、骨太ブルースロックナンバー!
腹を立てているのが丸わかりの吐き捨てるような歌い方と、ブルージーなギタートーンの漢らしさよ。
ホーンもお約束とばかりに盛り込み、歌詞も迷惑行為に対する怒りを吐き出した、正にブルースらしい一曲ですね
これをシングルカットしたということからも、当時の彼の気持ちが透けて見えるような…

レノンの夢も』は日本のフォークらしい曲じゃないでしょうか。
ジョン・レノンの訴えたことはまるで伝わらず、厭世観に満ちた歪な世界が残った…といった感じで、世紀末的なテーマだと思います。
この屈折した感じ、アコースティックギターを使ったことで更に色濃く出てますね。

例えば君の事』もバラードですが、④とは違いロックの要素が強いです。
パワフルなギターのサウンドが目立つ、アメリカンロックっぽい少し大げさなアレンジ。
良い曲だと思うんですけど、せっちゃんが歌うよりもっと低くて野太い声の人が歌った方がアレンジには合っているかもしれません。

当時のネオソウルなどの影響が出たdéjà vu』は軽やかなR&B。
彼の曲ではあまりないタイプの作品で、本作だからこその色合いかなと言えますね。
綺麗な水の中を泳ぎ回るように、スムースで重さの無い非常に洗練されたアーバンサウンド
幻想的な歌詞も、生活感のある彼の詞に彩られて、現実的な美しさを帯びています。

コレ、お気に入りなのに、シングルカットされた割に知名度低めですよね。




⑨のB面だったということもあり、無意識と意識の間で』は続編のよう。
精神世界の深くに潜った、核のよく見えるシンプルな音作りは、無意識に落ちるのか覚醒を待つのかのどちらにも属さないような迷いのある感じ。
カップリングアルバムにも収録されていますが、絶対に本作で聴いた方が印象に残ります

引っ越し』の展開は少し捻ってあり、途中で全く別の曲が入る構成が『A Day in the Life』と同じタイプ。
スローでソフトなデザインの序盤から、ピアノが跳ねるポップなパートへと移り、そしてまた元に戻るといった感じで、ビートルズの影響が出てますね。
中盤のパートが無かったらそこまで好きなタイプではありませんが、あそこがあるからこそとても魅力的な曲に仕上がっています
これも隠れた名曲ですね。




♪まとめ

飾り気のないロックなミュージシャンと思われがちかもしれませんが、本作はJ-popらしく様々な音楽の要素を内包した楽しい作品です。
シングルカットされた曲もアルバム曲と同じかそれ以上に個性的で、アレンジの幅広さが際立ってて面白い!
彼の初期の作品ではあまり話題に上らないのが勿体ないくらい素晴らしいアルバムなので、『歩いて帰ろう』で興味を持った方はベスト盤よりもコッチの方が断然いいですよ
ポップでも一筋縄ではいかないですね。




歌うたい15 SINGLES BEST 1993~2007 Box set Box set
斉藤和義
ビクターエンタテインメント
2008-08-06


Golden Delicious
斉藤和義 (編曲)
ファンハウス
1998-12-02



いよいよ明後日がライブという事で、ついこの間も書きましたが今回もパリス・マッチの記事です。

前回紹介した『PM2』、夏らしさ一杯のアルバムでした。

順番で言えば『type Ⅲ』を紹介するところですが、ライブでやってほしい曲も多い4枚目のオリジナルアルバム『QUATTRO』を今回は紹介したいと思います!

意外にも、初めて夏を意識して作られた作品らしく、ジャケット写真も開放的です。




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01. 眠れない悲しい夜なら
02. SUMMER BREEZE
03. STAY WITH ME
04. Rio de Amor 
05. ANGEL
06. F.L.B
07. 潮騒
08. PARIS STRUT
09. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)
10. アルメリア ホテル
11. NIGHTFLIGHT




タイトルからするとバラードと思うかもしれませんが、眠れない悲しい夜なら』は程よくアップテンポでポップな先発。
メロディーを聴くと、もう少しラフなハイ・ファイ・セットといったイメージでしょうか。
サビよりも他の部分、特にBメロが良く、ミズノさんの低いヴォーカルは語り手のような独特な迫力
そんな曲に乗って、やや痛みを感じる意味深な歌詞を考えると夜も眠れなくなりそう…なんて。

ベスト盤でも一曲目だったので、SUMMER BREEZE』は代表曲って印象が強いです。
バンドのラテン要素がJ-popと上手く結びついた曲で、ギター1本で色塗りの大半が終わってるんじゃないか?というくらい「それ!」って感じのバッキング。
勿論ギターだけでなくあらゆるパートがカッコ良く、ホーンのポジティブな響きや最後のサンバホイッスルを聴くと、束の間の休暇を楽しんだ気分になります。




はしゃぎ回った②の後は、ボサノヴァなSTAY WITH ME』で一休み。
妖艶な美しさのあるミズノさんの歌い方からは、初期のエブリシング・バット・ザ・ガールトレイシー・ソーンの影響が感じられます。
ソフトボッサとまでは行かず、しかしボサノヴァ以外の色もあるといった音楽性も、EBTGの名盤『Eden』に近いですね。

彼らが所属していたaosisレコードのミュージシャン、パメラ・ドリッグスが参加したRio de Amor』は全編ポルトガル語。
ここまでいくと日本のバンドとは思えない空気ですが、海外に受けたいという気負いなどは感じられず、自分たちが好きなジャンルを楽しそうにやっています
ちなみに、パメラもアメリカ人なので、本場出身じゃない歌手二人の共演といったわけですね。
小野リサなどが好きな方なら絶対気に入るはず。

ANGEL』、目立ちませんが本作でも特に好きな曲です。
彼らのメローな部分が表れたAORで、これまでの曲よりもゆったりとした情緒があります。
エレピがどこまでも深く響き渡り、時間が止まったような感覚を抱きながら音に沈み込む…
地面から離れたこの浮遊感、タイトルに偽りなしですね
これ、ライブでやってくれないかな~。




女性らしい、しなやかなヴォーカルが映えるF.L.B』は苦みのあるジャジーなソウル。
ホーンのバックが展開を分かり易く示し、その他のパートは何気にファンキーなリズムでそれを支えています。
動くときは動く、そうでない時はしっかりボトムを聴かせるメリハリの利いたベースがナイス。
最初は地味だなと思いましたが、結構スルメ曲ですよコレ

昭和歌謡をより現代的にしたような潮騒』も濃い一曲です。
気だるいジャズのバッキングが演出する、ひと夏の空しい終わり。
古澤氏の歌詞は生々しくも、そこにいるかのような澄んだ情景描写には感懐を覚えます。
この曲の持つ疲れ切った世界だからこその美しさは、瀬戸内寂聴の『夏の終り』のようです。

歌詞の無いPARIS STRUT』は更に演奏に重きを置いた曲
トランペットも登場し、エレピやオルガンとの充実したソロ回しが堪能できます。
ギターはソロこそ取らないもののバッキングに幅があり、涼し気なフレーズを巧みに滑り込ませてくる名脇役ぶり。
「strut」とは気取った歩き方を意味しますが、これを聴きながらだったら当然足取りも軽いでしょうね(笑)

ご存知の方も多いでしょう、ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)』はクリストファー・クロスのカヴァー。
ピンと来ない方には『ニューヨーク・シティ・セレナーデ』と言えばいいかな?
原曲は正に80年代の趣が詰まったピアノ中心のアレンジで、大都会の夜をイメージさせました。
ここではリズムパターンが大きく変わり、頭に浮かぶのは都心というより街の片隅
サラリとしたアレンジはオリジナルとは大きく違いますが、ナイスな解釈の一つだと思います。




彼らにしてはかなりハードな方のアルメリア ホテル』も、最後に良いスパイスになってますね。
コーラスが重厚で、ファンキーなリズムやカッティングがありながらソフトな感覚も持っています。
ギターソロもロックなサウンド、フレーズで、お行儀の良さと弾けた高揚感が同居しているのが新感覚。
ある意味では爆発力がないとも言えますが、コレもこのバンドのユニークなトコロの一つです。

ラストを飾るNIGHTFLIGHT』は、全パートがアコースティックのバラード。
スティールパン独特のメローな音が曲を単調にさせません。
Just the Two of Us』のように、こういうサウンドにはスティールパンって大活躍しますね。




♪まとめ

ラテン色が少し強まった、よりリラックスして聴ける内容です。
初期のアルバムでは『typeⅢ』が特に人気かもしれませんが、統一感は出しつつバラエティ豊かなのが本作の大きな魅力。
バンドが意識したのはうだるような暑さではなくて、ふとした瞬間に訪れる爽やかな暑さではないでしょうか。
日本のポップスの一つの完成形かもしれません。


QUATTRO
paris match
ビクターエンタテインメント
2003-06-25


BEST OF PARIS MATCH
paris match
ビクターエンタテインメント
2008-09-24



皆さんは売れ線狙いのアルバムってどう思いますか?

多分質が良ければ全く気にしない方が多いと思いますが、僕もそうです。

自分のスタイルを貫いても、中身がダメだったら誰も嬉しくないですもんね。

そんなわけで、今回はジョージ・ベンソンが2009年に発表した超売れ線アルバム『Songs and Stories (ソングス・アンド・ストーリーズ)』をご紹介します。

本作、「これでもか!」ってくらい豪華な演奏、作曲陣、そしてヒット曲のカヴァーでお送りするコマーシャルな一枚

まあ、天才ミュージシャンを揃えて更に名曲をカヴァーすれば悪いものにはなりようがなく、無難と言えば無難なんですが、安定感とクオリティはかなり高い良作です。 




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01. Don't Let Me Be Lonely Tonight
02. Family Reunion
03. Show Me the Love
04. A Telephone Call Away
05. Someday We'll All Be Free
06. Nuthin' But a Party
07. Come in from the Cold
08. Exotica
09. Rainy Night in Georgia
10. One Like You
11. Living in High Definition
12. Sailing
13. It Ain't Over

☆参加メンバー

・ George Benson – vocals (1-12), guitar (1, 3-13), guitar solo (2)
・ Toninho Horta – acoustic guitar (1, 12)
・ Paul Jackson, Jr. – guitar (2, 3)
・ John "Jubu" Smith – guitar (2-5, 7-11)
・ Steve Lukather – guitar (3)
・ Norman Brown – guitar (6), vocals (6)
・ Wah Wah Watson – guitar (8, 11)
・ Lee Ritenour – acoustic & electric guitars (10)
・ Marcelo Lima – acoustic guitar (12)
・ Marcus Miller – bass (1-11, 13), keyboards (2, 13), marimba (2), string arrangements (2, 10, 11), horn arrangement (4, 11), drum loop programming (6), arrangements (6, 7), percussion (7), vocals (7), percussion programming (10, 13), vibraphone (11)
・ Arthur Maia – fretless bass (12)
・ Butterscotch – human beatbox (1)
・ John "J.R." Robinson – drums (2-11, 13)
・ Maguinho Alcântara – drums (12)
・ Paulinho da Costa – percussion (1, 2, 4, 5, 7, 8, 10)
・ Noël Lee – wind chimes (12)
・ Bruno Cardozo – Hammond B3 organ (1), keyboards (12)
・ William Magalhães – Fender Rhodes (1, 12)
・ Rod Temperton – keyboards (2), arrangements (2)
・ Greg Phillinganes – keyboards (2, 4, 5, 8), acoustic piano (3, 11), Fender Rhodes (6, 7, 9)
・ David Paich – keyboards (3), string & horn arrangements (3)
・ Steve Porcaro – synthesizer (3)
・ Bobby Sparks – Hammond B3 organ (4, 6, 7, 9, 13), keyboards (6)
・ David Garfield – keyboards (10), backing vocals (10)
・ Robbie Benson – keyboards (13)
・ Victor Vanacore – string arrangements (1, 4, 5, 9), horn arrangement (4)
・ Jerry Hey – horn arrangement (3)
・ Tom Scott – saxophone (3, 4, 7, 11), horn arrangement (7)
・ Chuck Findley – trumpet (3, 4, 7, 11)
・ Gary Grant – trumpet (3, 4, 7, 11)
・ Charles Loper – trombone (3, 4, 7, 11)
・ Gerald Albright – saxophone (4)
・ Patti Austin – backing vocals (2, 4), vocals (8)
・ Carolyn Perry – backing vocals (2, 4)
・ Lori Perry – backing vocals (2, 4)
・ Sharon Perry – backing vocals (2, 4)
・ Lalah Hathaway – vocals (4)
・ Smokey Robinson – backing vocals (10)
・ J. J. Blair – backing vocals (10)
・ Leslie Smith – backing vocals (10)
・ Violins (1-5, 9, 11) – Todor Pelev, Victoria Lanier, Katheleen Robertson, Gerry Hilera, Dennis Molchan, Xiao Niu He, Sai Ly Acosta, Charles Everett, Joel Derouin, Susan Chatman and Ronald Clark
・ Violas (1-5, 9, 11) – Robin Ross, Michael Molnau, John Hayhurst and Evan Wilson


やばいよ、コレ…
マーカス・ミラーが過労死しそうですが、彼はプロデューサーも兼任。



ジェームス・テイラーの名曲をカヴァーしたDon't Let Me Be Lonely Tonight』。
原曲からしてスムースなんですが、バウンドするようなベンソンのヴォーカルが入ると一気にブラコンに。
元々ソウル歌手にもカヴァーされてきた曲なので、相性も良く特に意外性はありません
原曲はマイケル・ブレッカーが味わい深いソロを吹いていますが、ここではより艶やかにベンソンのギターソロが歌っています。

Family Reunion』はあのロッド・テンパートンが手掛けた名曲。
マイケル・ジャクソンの『Thriller』や『Rock with You』の作曲者であり、ベンソンにも昔『Give Me the Night』などのヒット曲を提供しています。
この二人が組めば言うまでもなく素直に優れたブラコンで、80年代の色も感じさせる大人向けのアレンジ
パティ・オースティンを含めたとろけるようなコーラスが印象的です。




スティーヴ・ルカサーデヴィッド・ペイチ、マーカスが提供したShow Me the Love』。
名手ポール・ジャクソンJrスティーヴ・ポーカロも参加したToto+αの布陣は、マイケル・ジャクソンのアルバム『Thriller』と同じですね。
ルカサーとビル・チャンプリンジェイ・グレイドン作曲の名曲『Turn Your Love Around』を彷彿とさせる、これまた懐かしさのあるポップス。
ただ、後者と違いコチラはギターソロも存分にあるということで、超一流ギタリストの側面とポップス歌手の側面が丁度良くブレンドされています

A Telephone Call Away』は、なんと80年代に引退したビル・ウィザースが書いた曲で、当たり前ですが彼らしい素朴さがあります。
ダニー・ハサウェイの娘であり、同じく一流歌手のレイラ・ハサウェイとのデュエットで、クインシー・ジョーンズのコンピレーションに入ってそうな贅沢な組み合わせです。
レイラも父親と同じく本当に歌が上手く、ジョー・サンプルとの共演アルバムも良い作品でした。




そしてではダニー・ハサウェイの代表曲『Someday We'll All Be Free』をカヴァー
感動的なダニーのオリジナルとは違い、とてもリラックスしたスムースジャズとなっています。
ヴォーカルの表現力はあまりに本家が圧倒的過ぎるので及びませんが、「こっちにはギターがあるぜ!」とばかりに飛び出すスキャット奏法はお見事。
ちなみに、原曲はコーネル・デュプリーデヴィッド・スピノザがギターを弾いています。

作曲にトラウトマン兄弟が関わっていることもあり、クラブ風のバッキングが新鮮なNuthin' But a Party』では、ベンソンのフォロワーとして有名なノーマン・ブラウンがヴォーカル、ギターで参加。
当然曲も凄く現代的で、マーカスのタイトなスラップベースが目立つ演奏、師匠と弟子の掛け合いソロも大満足です。
ノーマンの作品も漁って見ようかな~。

トム・スコットがホーンアレンジを手掛けたCome in from the Cold』、曲自体はAORに近く、若干地味なものの悪くはありません。
トムのサックスソロがフィーチャーされ、彼がよく目立つ曲だな~と。
何気なく言ってしまいましたが、これも充分豪華なんですよね(笑)

Exotica』はマーカスが作った曲。
オクターブフレーズがメインのフュージョンですが、コーラスが多めなので純ジャズが苦手な方でも楽しんで聴けるんじゃないでしょうか
ここでのベンソンのギタープレーも抑え気味で、バックヴォーカルとの位置関係が丁度いいですね。

ブルック・ベントンの『Rainy Night in Georgia』をカヴァーした
原曲ではコーネル・デュプリーがギターを弾いており、それが曲の聴きどころとして有名です。
本作のバージョンも「あの」フレーズはそのままに、よりジャジーにしっとりと浸れるようになっています。
雰囲気はそのままに、自分の色もしっかりと出した理想的なカヴァーでしょう。

スモーキー・ロビンソンが作者の一人であるOne Like You』、リー・リトナーもギターで参加し、都会的なR&Bで好みです。
ロビンソンもバックヴォーカルを担当し、煌びやかな夜に似合うシルキーなアダルトコンテンポラリーとして満点!
縁の下の力持ちのパウリーニョ・デ・コスタのパーカッション、こういう曲にはピッタリですよね。




Living in High Definition』も⑧と同じくインストで、こちらはよりファンキーで華やかな印象
黒っぽさ全開のゴージャスなジャズファンクで、ワー・ワー・ワトソンのカッティングが良いアクセントになっています。
更に展開も一筋縄ではなく、途中からのラテンフィーリングも混ざったソウルフルなパートには心躍りますね!
これが気に入った方は『Absolute Benson』ってアルバムもおススメです。




ではクリストファー・クロスの『Sailing』をカヴァーしており、あの唯一無二の歌声をどう歌うのだろうと思っていたのですが、敢えてギターでメロディーラインを弾いています。
確かにベンソンの歌声だと少し合わない気がするので、ギターで歌ったのは大正解
曲の持つ包み込むような柔らかさは健在、コレも素晴らしいカヴァーですね。

日本盤にはボーナストラックとしてIt Ain't Over』が収録されています。
⑥と同じ路線のアレンジで、コチラはノーマン・ブラウンが提供した曲。
マーカスのベースもベンソンのギターもどちらもクール…だけど少しゴチャゴチャしてるかな(笑)
しかし、意外にこういうビートにもベンソンのギターって合うんですね。
やはり彼のギターはジャズ以外のものも感じさせるからでしょう。




♪まとめ

セールス重視…のアルバムではありますが、中身は実にハッピーで、ベンソンの歌モノ作品では集大成的な内容です。
80年代にも歌手として大活躍していたベンソン。
その頃の作品で共演したメンバーを多くそろえた本作は、懐かしさと新しさが程よく混ざった素敵なポップスで一杯です
歌モノ多めでもギターは相変わらず凄いので、ギタリストとしての彼のファンの方も是非手に取ってみてくださいね。
プレイヤーも一流ですが、曲も一流な名盤!


Songs & Stories
George Benson
Concord Records
2009-08-25


アルティメイト・コレクション
ジョージ・ベンソン
ワーナーミュージック・ジャパン
2015-05-13


ギヴ・ミー・ザ・ナイト<FUSION 1000>
ジョージ・ベンソン
ワーナーミュージック・ジャパン
2015-07-29


20/20(トゥエニイ・トゥエニイ)<FUSION 1000>
ジョージ・ベンソン
ワーナーミュージック・ジャパン
2015-08-26


ユア・アイズ<FUSION 1000>
ジョージ・ベンソン
ワーナーミュージック・ジャパン
2015-07-29





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