October 16, 2012

やさしい理解とケクラン

12oct12a














  《人は自分が理解できないものを難解だと言う》

此んな文に共感をもって付箋を貼った筈の本を探した。
シャルル・ケクランの著書だった気がしてた。

複雑さに "慣れ" 親しんでいない場合、理解に時間が少しかかると
[難解な事柄] だと思い込む、って意味の文だった。

複雑とは例えば単純なものが層に絡みあったもの。
[ほどいて] しまえば単純なものの集合だ。[難解] と[複雑] は違う。

そして解きほぐす作業スピードはただ習慣によってだけ左右される。知力に関係ないことだ。知力が関わるのは難解な事柄、つまり高踏的で思索的な事柄だろう。

ところが理解できないと単純な事柄同士の複雑な絡み方に過ぎないものを難解な事柄と混同する。

  その種の混同がされるのを日頃目にし
  上文に当たって共感したのだった。

ケクラン書を引っくり返しても記述箇所は見つからなかった。
ラヴェル和声の辺に出てきた気がしていたが記憶違いだった。
乱読の末、記憶の中でどなたの言葉かわからなくなる事がある。
ケクランじゃないとすればディドロ辺りが書きそう・・・?

**

記述個所を探したのは先回の続きを綴るためだった。
昨日は和することができない文を敢えて使ってみた。

  《何事も掘り下げないのがわかり易い印象で》
             *10.13写真とマメマメより

上文に照らす目的のためだった。

此の考えのロジックこそ [難解] だからだ。
掘り下げなければわかり易くなる筈がないじゃないかと疑問ばかりで、私にはわかりそうもないロジックだ。

**

折り角にケクランが出たから彼が重ねて語る多調音楽のことを。

音が使えないブログではおしゃべりだけで調の調子をお伝えする試みにと、転調や二重調性を下の風に表してみてた。

  *繋いだ手のしらべ:転調
  *フランス音楽(7)崩壊と慈しみと

私などのよぼよぼな表現と異なり、ケクランの著書の場合は音楽学生さんや音楽家に読者が絞られるので譜例が多くとても明快に解かれる。

多調音楽の中の無調様式をはじめ科学で説く。

科学についてケクランは《原則として、科学は芸術作品が美しいかどうかを決定する力を持たないといえる。要するに認識の問題である。科学的な検討は技巧の研究にすぎないからきわめて簡単である。》と書いており、別の処では《技法もまた重要な原動力であることを忘れてはならない。》とも記している。

15oct12b














ケクランは繰り返し3つの柱を述べているように読めた。

  [高踏的にならず "簡単簡素" にするために科学を使う]
  [技巧技法は其れそのものが芸術ではない]
  [ただし技巧技法は美を作り上げるための動力である]

**

科学はじめの処だけ引用してみましょう。

《その単純で無頓着な精神 ----- 満ちたりた中産者の怠惰 ----- の故に処女林の境界線にさえ近づくことを恐れるような冷たい精神の持主の側にも真理はある、後者の冷たい精神の持主は、自由への願望を持たず、勇気が欠けているために、危険と見える一切のものを禁じようとする。これはあまりに偏狭にすぎはしないか。

広い精神の持主は数多い人の中にも稀である。そして、音楽芸術の大胆な開拓者の世界にもまた過去を軽侮するという偏狭さがある。

 多調音楽を研究する前に、それが科学とどんな関係にあるかを調べておかねばならない。

 まず音響学的観点から見ると、多調音楽を否定する理由がみつからない。さきにも述べたように (不協和音の新しい概念の項)、数理的には、"協和音" と "不協和音"、例えば五度音程 (あるいは四度または三度) と七度音程との間には分離がない。もしかりにそれに分離があるとしたら、八度音程と五度音程の間も分離があるとせねばならない。

その他の各音程にもこのことをきめるものは、要するに、諸音程間の振動数の関係である。つまり、たとえば八度、五度、四度、三度、二度、などはすべて簡単な数で表す事ができるという風に。しかし、

第1)
2/1、3/2、4/3、5/4、5/3、等の分数で決定される音程を協和音と名づけ、9/8および15/8の音程を不協和音と名づける (不協和、協和の分離があるものと見做して) のにはなんら数字的理由があるのではない。

第2)
もし、厳密に協和と不協和を区別するなら、整数2であらわす音と分数であらわす音とを区別する他はない。(事実2で決定される八度音程は他のものとは全然別個の音程として取扱う。)

そこで次のようにいえるだろう。すなわち、八度音程を第一級の協和音とし、振動数の比が複雑になるにつれて、音程は次々に協和の完全さを失い、不協和の度合を増すと。ただし、協和の度合や不協和の増加は、音楽としてそれを用いることの正邪をいうのではない。》

**

11oct12d














ケクランの書き方は音が数バランスのグラデーションで現れるようで美しい絵を見せられた気がして大好きになった箇所であると共にケクランの人性質が見えて楽しい処でもあった。

    話題に戻れば、此れ自体は掘下げでも何でもない。
    著者にとっても調性解説の主軸ではない。
    綺麗な音の絵を眺める楽しみの風に読む処だろう。

私などがお教室で実際に口にする例えば転調は

《転調とは、大好きな人と手を繋いで歩く心の変化。
1つの要因を契機に、感じる温度が変化すること。
風景が違って見えてきて、
その時を貴重に思わせるもの。》
              (上部リンクより)

ナンテ科白で音の絵を生徒ちゃんに一緒に眺めてもらうだけだ。

けれども其うと口にする時、伝える側は言うまでもなく
和音の構造と関係性を識り尽くしていて然るべきだ。
私なんかはまだまだ日々努力しなければと思う。

伝え手の中で深く掘下げた事柄は聞く人の中にやさしく留まる。
聞き手は心情として認知できる。お互いの育みが生まれる。
ケクランが素晴らしい1例だと思う。
冷静を装った熱い心情に共鳴させられる。
音楽芸術への愛情に満ち満ちたケクランに信頼を寄せる。

伝え手の中で練り育まれないまま浅い思惑で音楽を語れば
造詣はおろか、聞き手との間に信頼さえ育てられない。

**

続きはまた今度ネ。


■ケクラン関連リンク
*ケクランの甘美
*独創とシャルル・ケクラン
*ケクランと叙情
*フランス音楽(7)崩壊と慈しみと
*繋いだ手のしらべ:転調
*ケクラン、ディドロ、ドビュッシー
*一目惚れの理:ケクラン
*フランス音楽(8)感性の求め

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