September 12, 2021
夢のお話(23)バッタ
サティのムービーに使用したブルゴーニュ君の写真... 犬っぽくない表情が雰囲気があって好きだからまた載せよう。
少しグロテスクで哀しい夢を見たのは、寝る前に熊のことを考えたからかも。
漢方薬のために壮絶な苦痛を与え続けられる拷問の生。
プロメテウスが生きながらにして肝臓をエトンに喰われる苦しみもかくやという程の、いやそれ以上の耐え難い責苦... プロメテウスと違って熊たちのほうは紛れもない現実なのだと、彼らのことを思いながら眠ったから・・・
熊・胆汁 ・鉄コルセットのキーワードで画像検索したらすぐに状況が分かると思います。
はじめにグロテスクって書いたのはもちろん被害者の熊たちではない。他者にこんな生を押し付ける人間のほう。全てを奪い、苦痛だけを与え続ける人間のほう。
そんな事を思いながらいつも通り蝶番君に寝かしつけてもらって眠りに落ちた。
バッタの夢を見た。
夢の中では喉の調子が悪くて、茹でたバッタが喉に効くと言われてるところだった。そばに居たのは知らない老婆だった。
またこれかと思った。
たかが人間の体の一部がちょっと調子悪いからって、そのために他生物の生ごと奪うのが当たり前という感覚。何世紀ものそんな習慣に引っ張られるばかりで、人間は他種の何をも尊重する事さえできない生物と化したのだと忸怩たる思いで断った。
しかし断ると同時に出てきたのは大きなお鉢いっぱいの茹でたバッタだった。太った大ぶりなバッタたちは、たかだか私の喉をどうにかするためだけに生きたまま鍋で茹で上げられる責苦を味わったのだ。
現実での私なら決して食べない。
食べなかったからといってバッタは生き返らないが、食べたからといって生き返るわけでもない。
死を無駄にするの・しないのの問であれば、'食べることが [死を無駄にしない] 行為' だと思うのはバイヤスのかかり過ぎた考えだと思ってる。
しかし夢の中の流れは、通常時の考えに反して食べさせられることになってた。ま、夢だからね。
盛られたお鉢の上に居た子の足が動いた。押し付けてきた老婆は、茹でてまだ動く個体は生命力が強いから喉にも良いと言った。
バッタに対して気持ちの悪さはなかった。
虫の話に気味の悪さを感じられてたらお読みの方に大変申し訳ない。でもその場の心情は自分のせいでこんな姿にされた子に対する懺悔の気持ちしかなかった。
老婆に「生命力が強かろうと弱かろうと結局死体にして屍になったものを取り込んだって強いも弱いもないでしょう」と文句を言ったがバッタを口に押し込められて夢の中では抵抗できなかった。
バッタは緑色の味がした。エンドウ豆のような食感だった。
噛むと青臭さが一気に強くなった。噛みたくなくてお水で流し込んだ。
吐き出したかったが、それはそれで冒涜行為に感じ、いずれにしても冒涜ならば自分が不快なほう (殺されたほうにとっては不快なんてレベルではないのだから) を選ぶことを選択基準にした結果飲み込んだ。もしも美味しいと感じれば吐き出すほうを選んだかもしれない。
とても厭な気分で目覚めた。
口の中まで緑色の夢を思い返しながら朝のシャワーを浴びようとバスの扉を開けて分かった。
ラッシュで矢鱈に緑色のものばかり、ソープやシャンプーやボディクリームを買い込んだから緑色の夢を見たみたい。
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