ドビュッシー

June 26, 2011

お便りいただきました

25juin11ePJライブの日に

リハーサルをしてると




オーナーがお手紙封筒を手渡してくださった。ピアジュリ気付で 私宛のお手紙が届いてた。百人色紙展で拙い作を入札してくださったお方でした。

優しいお便りでした。中でも一等嬉しかったのは、病気の友人も病状が回復するようにって一文を添えてくださったことでした。ありがとうございます。友人のことまで案じて頂いて、友人が来たかったライブ場所でお読みできて、本当に有難く思いました。

M様、美術館コンサートでお待ちしております。
演奏があるホワイエ部分は入場無料です・・・♪

**

  ねえ見てる?
  お会いしたことがないお方まで 此うしてお言葉をくださったよ。
  嬉しいね。頑張んなきゃね。
  元気になって色んな方達にお礼言わなきゃね。

**

終演して帰り道に モーパッサン "ピエールとジャン" を読み終えた。

本書は1887〜88年の作。ドビュッシー世代ネ! って思いながら読んでたらば、あとがきにポール・ブールジェのお名を発見した。此の日ドビュッシー作曲・ブールジェ詩のロマンスを演奏してきたばかりだった。

  *"ロマンス" 落合訳

ブールジェはモーパッサンと親交があって、此の作はブールジェの影響下に書かれたのですって。知らなかったワ・・・ 
音楽と読書がまた一つ繋がった嬉しい夜でした。

今日はちょっぴり早い時刻から生徒ちゃんのレッスンです。

lasalledeconcert at 07:09|Permalink

May 06, 2011

フランス音楽(4)エクリチュール

5mai11dページが外れ、ばらけた楽譜。

ドビュッシー前奏曲2集。





ねぇ・・・楽譜の読み方をご存知ないお方にも、お話世界が見えそうに思われませんか? 前奏曲内 "水の精" のページです。

ドビュッシーが採用した3段記譜は、此れ自体が三次元立体に見える。1903年から例を見せますが、前奏曲2集には12曲とも3段譜を取り入れているの。

音の層を次元で書き分けた書式は、紙の上の出来事じゃあなくって3Dに見えてくる。多層構造の音価が立ち上がる。上から下へ、下から上へと流れ湧き出て・・・沈む。

此んな譜を絵を観るように眺めて、美しいなぁって思うの。

**

仏文学のエクリチュールの変遷を文学評論のロラン・バルト氏が仕分けてる。古典文学では書くことを伝達の手段に見なされたため厳密なエクリチュールは存在していない、と。

単一のエクリチュールが多様化せざるを得なかったのは歴史に基づき、ブルジョア・イデオロギーの統一が喪失する社会の動きの中で エクリチュールの問いが持ち上がったとのバルト氏の解析を、仏文学文芸評論の渡辺一民様が解説されているの。

音楽のエクリチュールの変遷の場合、文学と違って社会変動によるものとは言えないでしょうネ。もっともっと個人的な、作曲家個人の・・・ 懐疑と再構築の試み?

文学に於いてエクリチュールが単体だった頃、社会がそこに普遍性を見、エクリチュールの多様化は読者の意識の多様化の結果というのがバルトの分け方のように感じたのですが、もし読み違えていないなら 音楽の場合は作曲家ご本人が単一エクリチュールの普遍性を疑ったのが出所では・・・? ナンテ思うのです。

ドビュッシーの試みは、譜面に立体画を描く結果になった。
此の記譜書式は ドビュッシーの音の絵だと思う。


*フランス音楽(1)霧の具象
*        (2)感情と心象
*        (3)失意

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May 01, 2011

フランス音楽(2)感情と心象

29avril11cお玄関アプローチの

クリスマスローズ。




花色が薄くなった。蕾の時は黒に近かった。開きかければ黒紫。めしべを落とし始めた今は明るい色に。

此んな変化をドビュッシーなら どう描くだろう。
昨日の続きのお話ネ。

**

感情に至る前の心象。

悲しみを自覚する以前の疼き。
美しさへの感動を噛み締める前の心の振動。
感情という展開が起きる前、トクンッと心臓が1つ鳴る。


黒い蕾は花色の観念の外だった。
肉感的な黒は、心に振動を伝えてきた。
花の肉の黒は美しい? 醜い? まだ感情による感知はできない。
それでもトクンッと心臓が鳴る。

鳴った理由を後に観念が説明できるだろう。
説明は、一瞬の振動ほどピュアなものではないかもしれない。

黒紫に咲きかけた花びらは、
有機的な色合いに反してカサリと乾いた蝕感だった。

開ききって茎を俯かせる。
黄色い繊毛は、心得たように準備された場所へ着地する。

花は一個の生命体なのだと感じる。

花は訴えかけない。
ただ見せてくれる。

見ることで私たちの臓器が振動する。

花の詩法に。

**

私にとってフランス音楽は美しい詩法。
感情を添い乗せる音楽に対し、感覚の麓へ降りる音楽。

*フランス音楽(1)霧の具象

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April 30, 2011

フランス音楽(1)霧の具象

29avril11aフランス音楽シリーズを

持たせて頂いてる私が




此れまでフランス音楽が苦手だったと仰る方とお知り合いになった。
苦手な作曲家のものでもお聞きくださる。とても有難いと思う。

苦手をいつか好きになって下さればもちろん嬉しいけれど、音楽人の務めは必ずしも其処じゃない。自分がやりたい音楽へ心を向けて頂くだけがすべき事には当たらないと思う。

苦手を好きに差し向けるより、苦手も好きも有りながら各々の味わいを深めるほうが楽しい。それによって苦手がより苦手になっても構わない。より苦手になるということも、より知るということに他ならない。

**

苦手と感じる場合、例えばドビュッシー。彼の曲の何が受け入れ難い可能性があるかしらって想像してみた。

      ヽ擽覆鮹蠑櫺茲里茲Δ紡える場合。
      酷くとりとめないものに映るかもしれない。
      6覆領れに心を添わせ難いということ。

抽象画の風に感じるのは、音階的なものが大きな要因かもしれない。
ドレミの順に並ぶ筈が、律されない乱れとして聞くと抽象表現に感じられる可能性。

仮定に過ぎないけれども、おおいに有り得るのじゃあないかしら・・・
しかし、

      a ドビュッシーは抽象だろうか。また、
      a 律されているとは、どんな状態を指すだろうか。

結論から申せば、ドビュッシーは抽象的な部分が極めて低い作曲家の代表だって思うの。

空を空色に塗る画家がもし居るとして、一方でドビュッシーは点描のように綿密に 白、紫、赤、青、黄、黄土、目を凝らし目に入れるべきあらゆる色を重ね、反射の細部も描く。

b 空に使われない色と観念づけられた色が塗られている。
だから一瞬、空想的な色遣いかと思う。

      c けれどもよく見れば空は確かに観念の外の色を持つ。

b 反射は視界を混乱させる。とりとめない光の渦に見える。
空を見ようとしているのに光のせいで巨視の世界は乱れる。

      c けれども反射には何より緻密な法則がある。

光の点描。点の1つ1つを彼は音符の形で記してゆく。
確固とした反射の法則こそ、ドビュッシーの "律された世界" と言えるように思う。

**

5月3日に演奏する "霧" について お師匠様のお書き物がある。

《三全音度で虹の光彩を添える微滴の燦爛 (嬰ト、嬰ニ) 》

此のようなくだりが大好きなの。
完全なる具象。其うして精密な具象が詩へと変わる・・・

a 可視の風光に心を重ねるように、音に聴く風景に心象を重ねる。

感情のもっと奥、喜怒哀楽になる前のシンと澄んだ心の像を重ねることができる。

今日の最後にもう一文、お師匠様の引用です。

漠たるものを捕らえ、
灰色の階梯を微分し、
輪郭を暈し、
滅して、
夢見る

滅して、夢見る
ドビュッシーの霧の世界

**

についての続きはまた明日ネ・・・

5月3日午後1時半開場、午後2時開演、
シリーズ・リサイタル "パリの風" 第15回の開催です。
布引ハーブ園森のホールへどうぞお出ましくださいませ。

  *サンラザールより 望郷の空

開演間際はロープウエイが混み合いますため
どうぞお早めに山頂へお越しくださいネ。

lasalledeconcert at 06:02|Permalink

January 14, 2011

象徴(1)月とピエロ

a月。

月で思い浮かべるのは何?





月からの連想、象徴、表象、観念、暗示を辿り、"思い浮かべる" という構造は不思議。あなたの月の概念の階層はどんなふう?

フランスで月に深く結びついて表されるのはピエロ。主には1800年代以降から、とっても多くの絵画、詩、楽曲に月とピエロが登場するようになります。

古くは童謡月の光でにピエロが出てくる。此のメロディーを暗示的に用いたのがドビュッシー "月光のふりそそぐテラス"。

  *ドビュッシー「月光のふりそそぐテラス」(1)標題
  *                    (2)旋律
  *                    (3)印象

もっとくっきりと "月の光で" の童謡が聞こえるのが、昨日話題にしたテオドール・ドバンヴィルの歌詞に作曲した "ピエロ"。歌詞中バンヴィルはピエロを白い月に喩えます。

  *ドビュッシー小組曲「メヌエット」

メヌエットに引いたバンヴィル "艶なる宴" の方は直接に月やピエロの単語は出てこないけれど・・・

   《Car c'est ce soir fête chez Cydalise
   今宵シダリーズのおうちの宴だから》

夕闇と不可思議な人物達の波が作る情景は、道化的な非現実感と物憂さを漂わせる。広い庭園の宴をうたう不安定な明るさも 前出 "ピエロ" の雰囲気に通じるものを少し感じたりして・・・

連想の元になる概念の構造は各国特色があるのね。作曲国の表象文化、もっと知って体験してゆきたいナ。

  (文中バンヴィルに関して詩を "歌詞" と置きました。
  バンヴィル自身《詩は歌われるものである》と定義して
  抒情詩を製作したから・・・)

lasalledeconcert at 06:11|Permalink

January 13, 2011

ドビュッシー小組曲「メヌエット」

aなんて素敵な曲でしょう・・・

ドビュッシーのメヌエット・・・




"小舟にて" と同じく小組曲収録作品。

"小舟にて" はヴェルレーヌの艶なる宴からの着想でしたが、"メヌエット" はテオドール・ド・バンヴィルの艶なる宴で書いた歌曲の転用なのネ。

    (2つの "艶なる宴"
       ヴェルレーヌは 複数形 Fêtes galantes
       バンヴィル作は 単数形 Fête galante)

演奏準備期間にドビュッシー書簡集を読んだ。お手紙って楽しいの。交友関係や先の作曲アイディアに結び付く発言が見つかってく。

1885年6月4日、ウジェーヌ・ヴァニエ氏へ (写真はヴァニエ夫人) お便り書いてた。熱を出してお返事が遅くなったのですって。
お手紙の最初でちょこっと言い訳しているのヨ。

それからフランス高踏派詩人テオドール・ド・バンヴィルに触れている。

バンヴィル歌曲と其の転用のメヌエット作曲の半ばに当たる年。用いる詩人をプライベートのお手紙で話題にしたドビュッシー。

                     **

メヌエットに仄かな夜気を感じた。ほの暗さと香高さに包まれた開始。
バンヴィルの詩を見れば・・・《今宵》《香り漂う》と歌詞にあって。

楽曲を先に知って浮かべた景色が、後に見た詩に書かれてる。
此んな時ドビュッシーの音描写の感覚に震撼する。

フランス古典主義を礼賛した風に典雅な形式。歌曲下敷きの詩も含め 王朝の幻影が漂うのネ。第二帝政フランスが衰退の影を引くなか、華やかなりしルイ王朝懐古の情。

其の叙情はあくまで幻想世界。ドビュッシーならではの嵌りこまない流儀をもって・・・。端麗な客観性と遊び、そして大切な香気。作曲家のレトリックの妙にどきどきする。

雅と抑制・・・ううん、此れは対義語じゃない。
雅とは、抑制の内に見出される麗しさだと此の曲が教えてくれる。

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January 12, 2011

僕が聞いたオコゼの夢

a僕、ブルゴーニュ。

毎日寒いねえ。




僕ね朝お寝間でまったりするのが好きなんだ。お姉ちゃまが起きだしたあと暖ったかくなってるお布団でさ。今朝は眠くって仕方ないや。

何故って夜中に起きっちまったからね・・・

                       **

お姉ちゃま昨夜泣いていたんだよ・・・眠りながらね。僕すっかり気の毒になって、どうしたの? 悲しいの? って起こしてあげた。

僕も悲しいお夢を見たことあったしね。ほら、あん時の鹿君のお夢さ。
  ?僕が見た物貰いの夢

悪いお夢を見た時は起こしてあげるに限るからね。お姉ちゃまお夢だよ、大丈夫だよって僕一生懸命慰めた。

c何のお夢を見てたの? って

心配して問うたの・・・




"ドビュッシーと新宿アルタへ行ったの。"
ガクッ。

ドビュッシーさんがアルタへ何用かは知らないけれどね・・・ 僕はお姉ちゃまに逆らわないことにしてるから黙って聞いてあげたんだ。

アルタの通気孔のなか変テコなものが動いていたからドビュッシーさんが取り出したのだって。見ればオコゼだったのだって。シュールだなあ。ああわかった、オコゼが怖くて泣いていたの?

呼吸ができなくなってヒレを右へ左へと動かし弱っていたのだって。気味が悪いね。ああわかった、オコゼが陸で弱るのが気味悪くて泣いていたの?

ドビュッシーさんはオコゼを取上げて "アポリネールが書いたオコゼじゃないか?" と言ったのだって。
いやいやいや・・・

僕たちワンコはね、身近な子がお夢に出てくるものさ。人間は違ってるんだね。人間のお夢はドビュッシーさんとかアポリネールさんとか 其うも普通に登場してんだね。

アポリネールの動物詩集はみなまで読んだとお姉ちゃま、ドビュッシーさんに言った。

b" 'たこ' や 'ざりがに' はあったけれど

オコゼなんてないワ。"




ところがドビュッシーさんは、アポリネールはオコゼを書き損じていたに違いないって意を通そうとした。書き損じたオコゼが 此んな所に挟まっていたんだってね・・・

僕、想像をしてすっかり怖くなった。僕も何か書き損じると生き物となってアルタの通気孔に挟まっちまうかもしんないってさ・・・
シュペルヴィエルの異次元現実のお書き物みたいだ。

  *海原の娘(1)虚構現実
  *      (2)幻想の意味
  *      (3)普遍性への問

ドビュッシーさんの間違いを打ちやってお姉ちゃまがオコゼをお水へ放ってやると、濡れたオコゼはゆっくりとアポリネールの姿へ変わった。

マジカルな様はトーマス・マン "選ばれし人" を読んだばかりだからってね。罪を悔い懺悔を繰り返した生き物が人間の姿へと変わりグレゴリウス教皇様へのぼる、原罪と恩寵の長編だ。

罪の重さだの懺悔の飛翔だのと読むから お夢でオコゼが変容しちまうんだ・・・ ああわかった、変容が恐ろしくて泣いていたの?

アポリネールさんは 自分はオコゼを書き損じてなどいやしないってドビュッシーさんと喧嘩をはじめ、いよいよ2人の喧嘩が激しくなったから泣いたんだって。やれやれ・・・

                       **

僕ね、僕は此んなお夢は勘弁してほしいな。ドビュッシー、アポリネール、シュペルヴィエル、トーマスマン、果ては教皇様まで勢揃いなんてさ、寝てらんないや。

お姉ちゃまいつも此れ様なお夢を見ているの?
僕はワンコらしい普通のお夢を見たいなあ。

*ソレントのトレイ

lasalledeconcert at 06:29|Permalink

January 11, 2011

ドビュッシー小組曲「小舟にて」

aズワイガニ姫のご提案で

"小舟にて" を演奏できた♪




 (撮影者:ギタリスト増井一友様)

大好きなのに演奏機会がなかった曲だから嬉しかった~。言わずと知れたヴェルレーヌ "艶なる宴" を引いた楽曲ですネ。

   空より暗い水面に 
   金星(ゆうづつ)うかびただように
   舟子(かこ)、股引のポケットに火打石たずぬるに。

   さても皆さん今こそは二度とまたないよい時分
   傍若無人にいたしましょう、さてもわたしのこの両手
   以後かまわずにどこへでも!

   騎士アチス切なげにギタール鳴らし
   つれなびとクロリスあてに
   あやしげな秋波(ながしめ)おくる。

   法師(アベ)はひそひそエグレを口説き
   ちと気の変な伯爵は
   心を遠くへ通わせる。

   かかるおりしも月の出て
   小舟は走るいそいそと
   夢みる水のそのおもて。
                    (堀口大學様訳)

b幾度も読み返した詩世界は

洒脱で少し怪しくて・・・




軽妙に管弦楽的色彩で奏したい曲。秋の水面と人物たちの影は、細くなよやかで艶めいて。そうして底にちょっぴりダークなイロニーを秘めている・・・

"小舟にて" を伴奏するならと、暇さえあれば下敷きの詩を繰った。作品風景に頭まで浸かって絵世界を音化する譜読みを経てやっと、拙いながら演奏の軸が生まれ出る。

20年以上昔、お師匠様金子篤夫先生が仰った。ヴェルレーヌとドビュッシーにとって切り離せない原風景を観なさい、って。登場人物たちに重なる貴族的な雅やかさと色彩を絶対に観なさいと幾度も。

c強く勧められたワトーを

上野へ観に行った。





此れはね当時、上野の国立西洋美術館で行われた欧州評議会特別企画の図録なのヨ。後にルーヴル美術館で着目する以前にワトーに触れたお初の作品でした。

ヴェルレーヌ、ドビュッシーがインスピレーションを得て詩や曲に描いたフランスロココの色彩感。私も惹かれてゆきました・・・

*ブキニストで紙もの(1)シャルダンの絵画
*             (6)ジュール・ルージュロン

そしてね、いつか "小舟にて" を演奏したいナって願っていたのでした。

幾十年読みためた詩と見覚えた絵画が短い1曲に繋がるコト・・・
楽曲に取組む大きな喜びの1つみたい。

さあ用意してお医者様予約へ行かなきゃ。

lasalledeconcert at 06:45|Permalink

January 06, 2011

フェルマータ

ab






採れたてお野菜でポトフを仕込む。紫ブロッコリーは ネコヤナギ君がお初に試みたお作。お野菜の間にちょっこり乗ってるのはアメリカのシフターですよ。錆びたブロカントにドライを挿して・・・♪

ズワイガニ姫より頂いた大好きな鴨のレモンハーブの紅の肌。ん~食欲をそそる色・・・♪ 鴨のお味と香りが生きるようぶ厚くカット。

                      **

ズワイガニ姫と合わせながら、作曲者のテンポ指示の言葉やフェルマータのことを考えてた。

生まれてお初にフェルマータを素敵って感じたのは 7つのあの日・・・

*木馬の序--廻る歌

ピアノレッスンでフェルマータを習った。音を長く延ばす記号って。題名も知らないクマの歌 (上記リンク) を聞いたとき、レッスンで教わったフェルマータの意味は殆ど間違いだって思った。

幼かったあの時に少しの語彙があれば、フェルマータの時間に起こるドラマは、"延ばす" だとか長短だとかで示せないほど大きくふくよかなものだったのね、って言えたのにナ。

あの日からしばしば考えるようになったナ。休符、フェルマータ、間隔をとるためのあらゆる表示記号や指示言語は ドラマだったりト書きだったり・・・それから鼓動だったりするってコト。

ドビュッシー、フォーレを弾くようになったのちは 日本の "間・間合い" の美意識とは似て非なる意識に出会ったと思う。継いで現れる音を生かす働きがある "間" と異なる感覚は・・・

フランス音楽のespaceの主張。espace自身が意志をもって鼓動すること。無(音)の場面に音が "無い" のと根本的に違ってて。虚無が有り 絶無が有り、其れらが密度高く渦巻くこと。

  Quoi! nulle trahison?
  Ce deuil est sans raison
  裏切りもなきにあらずや?
  この喪そのゆえの知られず。
         (堀口大學様訳)

妻を持ちながらの同性愛、男色のお相手は10も年下。入れあげてロンドン逃避行、放蕩・・・の末の此の詩に、作曲家指示は濃密な音空間を求めてて・・・

濃厚な "無(音)の存在" が弾きたいワ・・・って思いながら、脂がのった鴨をギュウッと噛み締めた。

lasalledeconcert at 06:16|Permalink

January 04, 2011

ドビュッシー「巷に雨の降るごとく」

ab






過去2回くらいしか着たことがない・・・
だってね、とっても重いのです。

コンサートに出して頂くようになってお初に買ってもらったドレスでした。出ずっ張りのリサイタルや 解説に立ち座りするのなんて少しも想定しなかったとき。10数分の曲をたった1曲弾くためのドレスでした。

スポーツ選手みたいな演奏者のドレスにどんな条件が要るかもわかんなかった。生地が重い上に帯のパールの重量ったら・・・

プリントじゃない小花。柄が布に織られてるのが如何にも品良く思えて求めたの。此んな布地のクリーニング代がお馬鹿さんな額になるって知らずに。

よくある若い時のお買い物の失敗の筆頭デス。

1月8日のピアジュリ・ババールライブに着ちゃおうカナ・・・ 水色の小さなお花と雨に濡れたふうな光沢は、演奏曲のヴェルレーヌ & ドビュッシーの色合いって気がするもの・・・

*巷に雨の降るごとく

                      **

昨夜ちょこっとお勉強した。黒木教授の形見の書物、Jacques Robichez出版のヴェルレーヌ解説を読んだ。

ルペルティエ(Edmond LEPELLETIER 仏1846年~1913年) へヴェルレーヌが書いたお便りの中、彼は詩を作った1872年を思い起こしているのですって。

此の頃ランボーと共にブリュッセルやロンドンを放浪したヴェルレーヌはね、巷に雨の降るごとくの詩を指して " la pluie londonienne " (ロンドンの雨) ってお手紙で言っているのですって・・・

恋人ランボーの思い出と共にあるロンドンの雨粒なのね・・・

今日はズワイガニ姫とのババール合わせへお出掛けの日。
練習はもちろん "巷に雨" から開始です・・・♪

lasalledeconcert at 06:50|Permalink

November 02, 2010

スペインへの恋(10)リンダラハ

aドビュッシー作曲

リンダラハ。




2台ピアノを1台に編曲したソロ用譜面です。

幾度も此処でお話にのぼるリンダラハは、スペイン・アルハンブラ宮殿の中庭。ドビュッシーが好んだ風景を追ううち、いつしか離れられないほど好きになってた場所でした。

実際のリンダラハ庭園はね、とても小さくこじんまりしているの。幾何学的な植え込みも特別に手をかけたとは言い難くって・・・

豪奢なお城巡りに慣れたお方なら拍子抜けなさってしまうほど、特筆すべき様じゃないかもしれないワ。

けれども私は此のお庭で目も耳も暮れてしまった。現実の中庭を取り違えた世界で。

                       **

思いの外あかるく陽を受ける小さなお庭が、リンダラハの序奏のようにウエットな暗みをもっている風に見えてしまった。

乾いた粗い土とまばらな樹木に目を当てているはずだのに、楽曲の中の密な枝陰が 不可思議に絡まりあってる気がした。

リンダラハ庭園は 私にとっては一歩踏み入るとドビュッシーのメロディーが頭の中に木霊する場所に他ならず・・・ リンダラハの曲は其れほど強烈に五感に刻みこまれてた。

作曲家はリンダラハを見ぬままに曲を書きました。楽曲の内にあるものがリンダラハの真実と思わせるまでの不思議な威力でもって・・・

長く楽譜が失われていたために 初演を聞くことなく没してしまったドビュッシー。異国からドビュッシーが憧れた世界が今尚リンダラハに存在しているような気がして・・・

だから尚更、此のお庭へ思い入れてしまうのです。

*ドビュッシー「リンダラハ」(1)背景
*                (2)中庭
*                (3)ハバネラ
*ファリャの追悼曲
*ドビュッシー「葡萄酒の門」

*スペインへの恋(1)火祭りの踊り
*          (2)グラナダの実
*          (3)コルドバ
*          (4)風
*          (5)ラ・ペドレラ
*          (6)幻想曲
*          (7)ギターの音
*          (8)熱
*          (9)アーヴィング

lasalledeconcert at 07:01|Permalink

October 22, 2010

巷に雨の降るごとく

a仄かな色、よい香りの

ローズシロップ。




グラスのカットを覗きこんだ。
ドビュッシーなら此んな風な淡い光に どんな音をつけるのかしら・・・

好きでならなかったヴェルレーヌ "巷に雨の降るごとく"。
ランボーとの愛は空想の中・・・ 日本語訳で縦に書かれた行を読み、
それでも心から大好きって思ってた昔。

     巷に雨の降るごとく
     わが心にも涙ふる。
     かくも心ににじみ入る
     このかなしみは何やらん?

ドビュッシーが添えた楽曲世界に震撼した。感じてたのは平面的な愛と哀しみに過ぎなかったと省みた。

前奏はピアニシモの霧雨の粒。心が震え歌うように旋律の断片を示唆する。それからメロディーがはじまる。声なき悲しみは低く無色で。

     消えも入りなん心の奥に
     ゆえなきに雨は涙す。

途切れることなく降り続く16分音符の雨粒に運ばれてゆく。
モノトーンの世界。

     ゆえしれぬかなしみぞ
     げにこよなくも堪えがたし。
                   (堀口大學様訳)

lasalledeconcert at 06:41|Permalink

October 14, 2010

ドビュッシーの言葉

aレッドグレープフルーツジュースで

早い目覚め。




ドビュッシーの言葉集を読む。日常の自由な言葉を集めた薄い本。

《N'écoute les conseils de personne, sinon du vent qui passe et nous raconte les histoires du monde.》
お人の意見忠告に耳をかさずにいれば、過ぎゆく風が世の物語を語ってくれる。

共感する一文。
ドビュッシー的な強さを表す一文。

通り過ぎる風がこの世を語る以外、誰の忠告も聞かない・・・とも訳されますがニュアンス的に私は前者に近く感じ、此うと訳してみました。

お人の声は必ずしも真理を言い当てはしない。真理でないものに動じずに居れば、あるべき様は自然な風の時間とともに掴めるもの。

様々な声に右往左往する動揺の心には、真理が選び取れない。自身が揺らがなければ物事は見える・・・ 其んなニュアンスに読めたナ。

今日はドビュッシーを一等先におさらいしよう。

lasalledeconcert at 05:47|Permalink
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**3月5日(日)**
11h〜13h 

《クラブ・プーランク》

にしむら珈琲 御影店
3Fフレンドサロン


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**4月15日(土)
13h〜14h45

《パリの風 bis》
公開ライブリハーサル

にしむら珈琲 御影店
3Fフレンドサロン


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**5月3日(祝)
14h〜15h45

《パリの風 コンサート》

神戸芸術センター
シューマンホール
Caractere
***ブログに登場したお友達***

女の子ちゃんのお友達

=タピオカちゃん=
水色の瞳の親友
離れてる今はメル友

=フラミンゴちゃん=
東洋が大好きな
フォトグラファーちゃん

=ママン手袋=
フランスでのママン

=マルシェ籠ちゃん=
昔ホームステイをした
大家族のお家の主婦様。
今はメル友

=マダム・ビスコッティ=
教会のお友達
明るくしっかりした
お年上の主婦様

=ナイチンゲールちゃん=
うんと近くに住む
綺麗な声の親友

=レモンカナリアちゃん=
お花が大好きな
ご近所のお友達。
ほっそりした姿もお声も
カナリアのよう

=タマゴカナリアちゃん=
レモンカナリアちゃんの卵。
つるつるピンクのホッペの
カナリアお嬢様

=ポニーテールちゃん=
中学校の同級生
登校の友

=マダム・ノベルティー=
美人でおもてなし上手な
ノベルティー夫人

=雀ちゃん=
ウズラちゃんとコンビの
音楽鑑賞のお仲間

=ウズラちゃん=
雀ちゃんとコンビの
音楽鑑賞のお仲間

=青い空ちゃん=
フルートが大好きな
おとなしやかな美人さん

=ぱんだの里ちゃん=
ほわんと優しい空気の
色白パンダちゃん

=赤嘴クイナちゃん=
フルート大好きな
クリスチャン友ちゃん

=シジュウカラちゃん=
お菓子が大好きな
フルートのお仲間

=ホンドフクロウちゃん=
夫の同級生。
ふんわり笑顔の声楽家ちゃん

=オカメインコちゃん=
アカンパニストちゃん

=カケスちゃん=
クリエーターさん

=十姉妹ちゃん=
クールに見えて実は優しい
大好きなお姉様

=アマリリスちゃん=
グラマラス美人の
キーボーディストちゃん

=黒アゲハちゃん=
クラブママ風美人の
歌のお姉様

=キタイタダキちゃん=
音楽マネジメントの卵ちゃん
ピアノも弾いて歌も歌います

=プレーリードッグちゃん=
優しくて可愛い
ご近所のお友達

=シロツメ草ちゃん=
ファゴット奏者の
タマゴちゃん

=河原鳩ちゃん=
生活密着型で
現実的な中型の鳩ちゃん
実は照れ屋さん

=テッセルモルモットちゃん=
昔はお下げ、今はママになった
声楽家ちゃん

=コゲラちゃん=
母と共通の古くからのお友達

=千鳥ちゃん=
コンサート予行の鑑賞者

=グレーうさぎちゃん=
美人の布作家さん

=大春車菊ちゃん=
大きな声で笑う
大らかで楽しいお友達

=カモノハシちゃん=
絵が上手で茶色い目をした
中学のクラスメイト

=ペトルーシュカちゃん=
沢山の時間を過ごした
同窓のお仲間
桐朋ガムランクラブでも一緒

=シオマネキちゃん=
片方の鋏が大きいシオマネキ
のように、長い髪を
片側で結んでるお姉様

=水くらげちゃん=
ひっそり薄茶色のオーラ
シンプル仕様の
元クラスメイト

=パルファンちゃん=
化学系キャリアウーマンちゃん

=ぽっぽちゃん=
小中学校の同級生
下校の友

*****

男の子くんのお友達

=おじいちゃま=
仲良しのドクター
86歳の長老様

=アサリ君=
おっとりふわふわした
秀才君

=カピバラ君=
たくさん一緒に遊んだ
幼馴染君

=カピバラ・パパ=
カピバラ君のパパ

=ダチョウ君=
サロン主の翻訳家君

=ネコヤナギ君=
粗暴で偏屈な外側
植物にも優しい内側
26年間のお友達

=ジンライム君=
自然派の学芸員君

=ヤマシギ君=
切れ者の研究員君

=ノベルティー君=
教養深い趣味人の
企業代表君

=ゆりかもめ君=
ピアノ好きの陽気なお友達

=サメビタキ先輩=
ぱんだの里ちゃんの先輩

=ハクセキレイ君=
ぱんだの里ちゃんの同級生

=ツバメ君=
姿勢の良い立ち姿が
ツバメ風のお友達

=カタツムリ君=
何どきもテンションが
変わらないお友達

=シロハラインコ君=
おおらかな余裕で
ムードメーカーになれる
バランスの取れたお友達

=ブルターニュ君=
京都の愛らしい学者君

=イクラ先生=
小学校時代の担任
今も仲良し

=ゲンゴロウ先生=
小学校時代の主任
イクラ先生の元同僚

=カカシ君=
謎の譜めくりすと君

=ぴょんきち君=
大きな身体のプログラマー君

=ヴィブラート君=
哲学好きのお友達
最近彼女ができたばかり

=チャイコフスキー先生=
音楽評論のお友達

=矢車草君=
コンサートマネージ君

=チャボ君=
ピアノ技師君

=Mr.B=
お世話になってる
Steinwayの調律師さん

=テントウムシ君=
沢山学ばせてもらってる
信頼する友人

=ピラルクー君=
大水槽で古代魚を飼う
スタジオ経営者君

=藍綬君=
藍綬褒章を持つ
最長老84歳のお友達

=ぶち犬君=
昔の恋人で学者君


***実名登場のお友達***

=フランス鴨君=
ダチョウ君のお兄様
哲学者ミシェル・ジャメ氏

=岡村哲伸氏=
モデルをつとめた
彫刻家さん

=LICAちゃま=
桐朋時代のお仲間
カリフォルニアのピアニスト
LICA HANDAちゃん

=セニョール・ウナミゴ=
ギタリスト
増井一友さん

=故黒木義典教授=
仏語学者
大阪外大名誉教授


***室内楽演奏のお友達***

=蝶番君=
大阪チェンバー
片寄伸也さん
  *ファゴット

=ロップイヤーうさぎちゃん=
浅野毬莉ちゃん
  *フルート

=シジミちゃん=
神戸フィル
麻生多恵子ちゃん
  *クラリネット

=ミスターメジロ=
大阪チェンバー
滝本博之さん
  *ファゴット

=ズワイガニ姫=
アンサンブルカプリス主催
国塚貴美さん
  *マリンバ

=カワウソちゃん=
崎元蘭奈ちゃん
  *チェロ

=牛君=
宝塚歌劇オーケストラ
渡邊悦郎さん
  *ファゴット


***ブルゴーニュ君のお友達***

=パーシモンちゃん=
ナイチンゲールちゃんのワンコ

=ムーちゃん=
お散歩で会う白いワンコ
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