2009年01月30日

総ざらえ

ついに最後の通し稽古。

これで稽古場での稽古は終了。明日からは劇場に入って舞台稽古だ。

って何回「稽古」って言葉書いてんだろ。

ま、仕方がないか。本番まではすべて稽古なんだからな。

この最後の通し稽古を松竹的には「総ざらい」と言う。

歌舞伎から来る用語なんだろうけど、この「総ざらい」の前に「顔寄せ」というものもある。

これは稽古場に出席者・スタッフがずらりと並んで座り、舞台監督が巻紙に書いた公演名やスタッフ名を読み上げ、そのあとに全員で手を締めるという、まあヒット祈願祭みたいなものだ。

そのあと通し稽古が終わると、でっかい太鼓が出て来て、太鼓のお師匠さんがドロドロドロと打ち出しの太鼓を叩き、また手を絞める。

私はなれたが、最初に見るとまずびっくりする。

しかも何も説明されずに始まるから、今回初めて参加の美波ちゃんたちもポカンとしていた。

そういやあ8年前に「さらば浅草パラダイス」に初めて出たときは、自分も驚いたことはいっぱいあった。

何より稽古場が狭かった。実寸の4分の1もない。

しかも仮の舞台装置もなにもない。細い材木で仕切った壁や障子の位置がわかるだけ。

総ざらいだけは広いところでやったが、新橋演舞場の食堂だった。

自分の出番以外の稽古は別日にやっているから参加しないし、稽古から本番までついに出会わない共演者もいた。

本番も長いので自分の出番じゃない間が1時間以上もあり、普段小劇場で出ずっぱりの役ばかりやっていたから、なんだか演劇に参加している気にならなかったのを覚えている。

自分が演出するようになって、変えたほうがよいと思う所は変えてきたが、まあやはり商業演劇ならではの世界は残っていて。
それがまた何かしら風情というか独特の空気感を生んだりしているから面白いのかもしれない。


lasar1019 at 11:06│Comments(0)TrackBack(0)clip!

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