写真家・吉田繁のお散歩日記

撮影の打合せやロケ先での出会いや、カメラマンならではのロケ先、打合せ先で食べた美味しい食事、いつも美しいモデルの方たちなどを日記風にご紹介します。

見本誌

見本誌が講談社から届く。
高額本だから献本は少ないですと言われている。
何冊目かの本だが、やはり出版できたのはうれしい。
本当に、周りのおかげだ。デザイナーの亀甲さんやライターの蟹江さんなくしてはこうした仕事はできない。
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ほとんどが、デジカメだが、中でも古いものはフィルムがあって、今回これをスキャニングした。
驚いたのはそのトーンの取り方。
ハイライトがトンでいるポジもハイライトが飛ばず、シャドウがつぶれないように上手にスキャニングしてくる。
こうしたスキャナーの技術はもう過去のものと言われるだろうが、学ぶべきことが多いのに今回きづかされた。
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まだまだ勉強しなくてはならないことがたくさんあるなあ。

木々

ここのところ、海ばかり撮影していた。
ちょっと、木を撮るのが手薄になっていたんだけど、
昨日、イベントのアテンドで奥日光へ。
日没時、じっと眺めていたら
神々しいというより、変化する瞬間が見えたような気がした。
見極め続けられるだろうか。

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被写体自体が神々しくないとダメだが、こちらもそうした精神状態じゃないとダメだ。
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プリント勉強会

月に一回、SNSのGANREFさんがやるプリント勉強会のサポートをしている。
おもに、和紙への出力。
純正紙ではでないよさがここにある。
しかし、皆さん真剣ですね。
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表現意欲という点ではプロかおまけというか、妥協のなさというか、
「このぐらいでいいだろう」とのが全然ない。
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昨日は、最後に聾唖の方がこられた。僕対応。写真を見てびっくり。
恐ろしく腕が良かったのだ。
写真の質はピカいちだ。
サルガドがきたかとおもいました。
ただ、出力関係、補正関係の知識が薄く、そこを僕がサポート。
何度もバングラデッシュにかよって撮られた写真は、本当に魅力的で、
これを仕上がるのはそれなりの力が必要でした。
ですが、最後に本当に喜ばれていて、なんだか、とてもうれしかったです。
個展をいつかやってみたいと話されていました。
ぜひ見せてもらいたいです。

写真集の写真整理に疲れて、海の撮影に行きました。
荒れていて、撮影にはぴったりです。
以前もきているのですが、その時は海がおとなしすぎて
いい写真には今ひとつ。
しかし、今回はばっちり。
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しかし、こうした場所は一触即発。
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注意しないと行けないですね。
でも、やめないですが。

4日間の美

青森を4日間旅しました。
元々は、来年1月に出す写真集のための取材だったんですが、大野さんなどいつもの仲間も誘うことにしました。
木の前ではそれぞれが一人なんですが、夜お酒飲む時は親しい人がいた方が楽しいでしょ。
まあ、寂しがりやなのかもしれないですが、・・・

しかし、キレイでした。
まず、八甲田の雪。
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通行止めの所などあって、大丈夫だろうかと一時は思ったのですが、景色は本当に美しかった。
東京では見ることができない美しさです。
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イチョウも、ちょうどいいいい色づきのものがたくさんあって、これまた感激でした。
どうして、こんなに美しいんでしょうか。
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雪に埋もれた葉っぱも、こうして何千年も過ごしてきたんだろうなと見ていました。
一応、記念写真。
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今度は新緑の時期に行こうと言っています。
一緒に来たい方、ご一報いただければ、おつれしますよ。
貧乏旅行ですけどね。

エルを埋葬

13年一緒に暮らした愛犬エルがなくなって7ヶ月。
火葬にした後、ずっと、部屋においてあったのだが、今日、我が家の小さい庭に埋葬した。
いろんな思いでがよみがえる。でもであえてよかったかな。
動物がなくなると、次、また飼うのかどうかという話題になる。
家族の意見は様々で、冗談じゃないという話や、いたほうがいいという意見。
畑正憲さんだったか、動物がなくなったらぜひ次を飼うようにといっていた。
それは、飼い主側の心の中に、前の動物がしっかりと残っている。
例えば、動物を大事にする心や、思いやりと行ったものだ。
そういえば、子供の頃から我が家では犬がいたので、もうすっかり
成人した子供たちも犬を大事にする。
しっかりと受け継がれていることは間違いないだろう。
出会えて感謝かな。
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小さな巨人

巨樹を回っていると、ふと気づくことがある。
それは幹周りが大きいからとか、樹齢があるからとかでは
巨樹の魅力は決してないということだ。
世界最長寿のブリスルコーンパイン、メスーゼラも幹周りは1.3mしかないのだ。
不思議な木に出会った。
巨樹の写真集制作の過程で、ライターの蟹江さんと、デザイナーの亀甲さんのお話の中で
盆栽を取り込むことになったのだ。
コーディネーターとしてお願いしたのが、柏にお住まいの山口さん。
花博などのプロデュースを手がけられた方で、盆栽には見識がある。
そこで見せられたのがこれだ。
河さつき。屋久島のもの。多分樹齢は300年ぐらいだろうということ。
もしかするともっとあるかもしれない。
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さらにこんなのも。
これは岩の間に生えたものだからこんな形になった。
人が作ったものではない。
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これなど、巨樹と言われてもわからない。
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僕がいたく感心したのは、針金で強引に枝を曲げたものが多い中、はやし水の流れのように
自然にある程度任せたものの方がいいという考えだ。
強引に枝をくねらせて作ったものは、見た目に面白うそうに見えるがはたしてそうだろうか。
木の魅力、力。
自然の中に見いだして、そこに多少人の手を加える程度が山口さんが話されるようにいいように思う。
神々しさ、畏敬、こうした自然に対する意識がそうしないと薄くなるからだ。

九州巨樹 撮影

しばらく、ブログの更新ができなかった。
昨日、カナダから戻り、8月にいった、写真集ようの撮影のカットを整理。
しかし、自分の写真が変わっているのがわかり、いいのか悪いのか。
そうはいってもどうしようもないけど。
kusu川棚のクスの森_061glow

まずは、山口から入る。
この木も以前いっている。15年ほど前になるかな。
しかし、今回見てみると、まるで印象が違う。
どうしてなんだろうか。
続いて九州上陸。
sugi高森殿のスギ__063Panglow
kusu白山神社の大クス__112glow
kusu柞原八幡宮の大クス_031glow
kusu寂心さんのクス_002glow
kusu光岡八幡宮の大クス_152glow
keya文殊仙寺の大ケヤキ_149glow
keya文殊仙寺の大ケヤキ_149glow
katu下合瀬の大カツラ_025glow
kashi長生のイチイガシ_035glow
katu下合瀬の大カツラ_048glow

とにかく、毎日、巨木、巨木、巨木
でわかったことはたった一つ。
頭悪いなあ。
日本人の中というか、自分の中に、宗教観ということとは別に
山川草木悉皆成仏という
意識があるということだけだ。
クリスチャンの家庭に育ちながら、自分落ちの中にこうした意識があることが気づかされる。
えー。それだけ。
そうなんですよ。

アトリエまわり

アルルの帰りには、ルノアールとセザンヌのアトリエを訪ねた。
実はどちらももう15年以上前にいったことがある。
当時は取材で、カットを撮らなくてはならないので、あまりじっくりと見た記憶が無い。
今から考えると、もったいないことをした。

エクサンプロバンスにある、セザンヌのアトリエ。
小高い岡の中腹とでもいうのだろうか。
セザンヌ通りをあがっていくと左側にある。
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かつてはこの辺りに家は無かったと思うが今はまわりは家が建ち並ぶ。
このアトリエは北側の大きなガラス窓が特徴だ。
こちらから、フラットな光が差し込む。
これにより、ここに置かれたものはサイド光でとても立体的に見える。
今は、木々が生い茂っているのでその影響を受けているのだが、かつてはこの窓からはそらしか見えなかっただろう。セザンヌが眺めた光をしばし楽しむ。
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じっくりと、ここで対象を見続けたのかと思うと、そこにセザンヌがいるような気がする。
そんな目で、部屋の光をおっていた。

次に訪ねたのはルノアールのアトリエ。
こちらはニースの近くだ。まわりがオリーブの木がたくさん植えられている。
こちらの方は、北というより東側の大きな窓。同じようにフラットな光がアトリエに差し込む。
ここもやはりモノが立体的にみえるサイド光。
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作家の気持ちになって、しばらく時間を過ごす。
外に出てみると、どこかで見た風景が。
そう、入場券とおなじ風景が目の前にあった。
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海外に絵を見に行くのもいいが、同じ光や存在感を見に行くのは興味深い。
とても立体的に見えているのだが、色温度の高い恐ろしく青い光の中で作家は見ていた。
彼らが目を凝らした空間を少しだけでも共有できたとすると、とても有意義な気がする。
ふと訪ねた小さな街の画像にシャガールが普通に売られていた。
対象と、自分との間にある、空気のようなものをしっかりと受け止めた気がした。

あっという間の1週間

南仏 アルルから帰国。
ふー。

そもそも、なんでアルルにプロモーションに行こうと思ったのか、今となってはよくわからない。
小さくなる日本マーケットに対して海外で足場が欲しいと思ったことは事実だけど、
やっているうちに、日本とは違う文化圏で、力を出してみたい気になってきた。
それは、会えるのが一流のギャラリストやキューレター、編集者なので、
自分の作品を自分自身で客観視するのにもいいように感じた。
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大体、200人ぐらいのプレゼンにきていた。そのうち、日本人は20人ぐらいだろうか。
広い、講堂にテーブルが並び、担当者がアポイントを取った人間に会いにいく。
写真を見てもらうのだが、日本と違うのは最初に「シービー」とか「アーティスト ステイトメント」といわれる、ステイトメントを見せる。ついでにブリーフヒストリーといわれる、簡単な略歴書。
この作品というか、作家のコンテンツにを書いたアーティストステイトメントを本当によく読まれる。
その後から、やっと写真になる。
日本だったらいきなり写真見られるんじゃないかなあ。中にはとても大きな写真も持ってきている人もいて、ヨーロッパは陸続きなので、車で来れる人もいるだろうから、僕らみたいにはるばるやってくるのとは条件が違う。
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写真も、サンプルとして持って来る人もいれば、ブックマットした状態で、持ってくる人もいる。
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こんなのいくらかかってるんだろうか。
僕はA3ノビを20枚。それと、コンタクトシート。これらをおさめたCDだ。
昨年の教訓でプレゼン時間20分で見せられるのは20枚が限界と判断したからだ。
もしも、作品の種類が何種類かある人だと、違うだろうけど、僕は巨木だけだから。
こんな感じで見せている。
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手厳しく、批判されることは無く、だいたいがプリントの品質はほめてくれたが、中には、いたい所というか、そんな所をついてくるのかといってくる人もいて、さすがだなと、こちらも息をのむような、穏やかなようで、緊迫したやり取りがされている。
日本だと、こんな所は無い。
世界中から、ギャラリストやキューレターをあつめて、写真の講評をやっているなんてことは無いのだ。従って、NYの編集と、ロンドンの編集に同じ日に会うなんてことは絶対にない。
アルルではこの会場以外に、たくさんの写真展をやっている。
全部は見きれなかったが、なかなか面白いものもあったし、
こうした写真展の会場のよこで、また、写真を見せ合っていたりと、写真のテンションがとても高い。
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僕は10人にあって、雑誌の仕事を一つと、あとはギャラリーと2つコンタクトをとることになった。
日本では、やり取りをする機会は無い。
自分を磨くというか、もう一度原点に立ち返って、今やっている品質や、方向性。
これでいいのかを考える一週間だった。
ちょうど、アルルにいる時に、日本の大手出版社から写真集の出版が正式に承認がおりたとメールがあり、タイミングがいいというか、海外にいながら日本マーケットを考えたりしていた。
遠くにいけば行くほど、自分自身を見直す。そんな1週間がすぎていった。
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