えー・・・

今やっている考察の一環で色々と調べ物をしていたんですが、それが思いのほか膨らんでしまいまして・・・。本命の考察内で語るにはちょっと冗長すぎる内容なので、「ならばいっそ記事を一本書いてしまおう!」と決意し、単独での記事を作成いたしました。いわばスピンオフ、ですね。

そして今回の記事の対象となるのは・・・

― 昨年度インターハイ個人戦6位
沖縄・真嘉比高校の銘苅(めかる)選手
 について、です!

・・・なんと! 当ブログ初、宮守女子以外がメインの考察記事!!

念のため、明日は傘を持ってお出かけ下さい・・・。



● 銘苅さんについて、現段階で判明している数少ない情報

そもそも、「銘苅さんって誰よ?」って方の為に。現段階で判明している情報を整理してみましょう。

1. 沖縄県・真嘉比高校の選手で、昨年の個人戦で「6位」という好成績を収めた。
個人戦6位
一都道府県あたりの個人戦代表が3名ずつと仮定すると、6位/約150名中・・・。かなりの強豪です。


2. 1回戦で宮守女子の副将・臼沢塞と対戦し、一度も和了れていない。
塞さんとの対戦
自動的に団体戦でのポジションは副将ってことになります。しかし二半荘連続で焼き鳥って相当ですよね・・・。

そして・・・

3. 「ニライカナイ」が彼女を語るうえでのキーワードである

 ニライカナイ・・・

これが技や能力であるのか、それとも場所の名前であるのか、作中で詳細は語られておりません。しかし、ハッちゃんが銘苅さんを「ニライカナイの人」と認識している辺り、彼女を語る上での重要なキーワードであるとこは間違いないようです。



● 「ニライカナイ」という概念

では、「ニライカナイ」っていったい何なのか??
とりあえずWikiで調べてみましたが、要約すると以下のような事のようです。

ニライカナイ沖縄県や鹿児島県奄美群島の各地に伝わる他界概念のひとつ。理想郷の伝承。
遥か遠い東(辰巳(=北西)の方角)の海の彼方、または海の底、地の底にあるとされる異界。この概念は本土の常世国の信仰と酷似しており、柳田國男は、ニライカナイを日本神話の根の国と同一のものとしている。

・・・何やら聞き慣れない言葉が色々と出てまいりましたが、私なりに頑張って解釈してみました。

まず「他界概念」。
これは「この世ではない、別の世界がある」という概念(考え方)です。そこは神様が住んでいたり、死んだ人間の魂の行き先だったり・・・。我々に馴染みが深いところだと「死後の世界」とか「あの世」とかが該当するかな、と。
また、「常世国(とこよのくに)」というのもかなり古くから存在する異界の概念です。有名どころでは「浦島太郎」に出てくる「竜宮城」なんかが、まさにそれですね。
で・・・、ここで登場してきたのが柳田國男という人。いわずと知れた「遠野物語」の著者ですね。日本における民俗学の第一人者とも言える柳田が後半生をかけて取り組んでいたのが、仏教伝来以前から日本人が抱いていた「他界観」についての調査でした。人の死後、魂はどこへ行くのか…。その答えを求めて柳田は沖縄に渡り、「ニライカナイ」という他界観に触れました。
そしてこの探訪をきっかけに、後年弟子である折口信夫によって「まれびと」という概念が提唱されることになるのですが、今回は本筋から逸れてしまうので詳しい話は割愛いたします(むしろ最初はこっち本題だったのですが)。

まぁ要約すると、

 ニライカナイ=沖縄や奄美地方で古くから信じられていた異界の名称

って考えで良いかと思います。

因みに、沖縄にはニライカナイ信仰の聖地として親しまれている神社があります。
それが「波上宮(なみのうえぐう)」。沖縄八社の最高位に位置する神社で、地元の方からは「なんみんさん」とも呼ばれています。

波上宮
断崖の上に鎮座する波上宮

さらに因みに、この波上宮のある場所ですが・・・
makabi
真嘉比高校があると思われる、那覇市真嘉比地区と目と鼻の先にあります

恐らく立先生は、この波上宮を意識して「真嘉比」という場所を選んだのではないか・・・と推測されます。いやはや、抜かりが無いですね・・・。なお、真嘉比地区について詳しく知りたい方は「何の変哲もない咲の地名紹介」さんの記事も是非ご覧になって下さい。



● 沖縄地方における「ミロク信仰」

・・・で、その「ニライカナイ」がどう能力に関わってくるのか??

ここで、沖縄地方における「ミロク信仰」について触れたいと思います。
「ミロク」とは「弥勒菩薩」のこと。一般的な「弥勒信仰」について調べるとかなり壮大でややこしい話になるのですが、沖縄地方でのミロク様はかなりローカライズされており、またそれにまつわる風習も独特です。詳しくはこちらの記事をご覧頂きたいのですが、概要を以下に記します。

来訪神「ミルク」沖縄においては、もともと東方の海上にあって神々が住むニライカナイから、神々が地上を訪れて五穀豊穣をもたらすという思想があったそうです。この思想にミロク信仰がとりいれられ、ミロクは年に一度、東方の海上から五穀の種を積みミルク世をのせた神船に乗ってやってきて豊穣をもたらす来訪神「ミルク」であるという信仰が成立しました。

「ミルク」とは「ミロク」が沖縄方言で訛った言い方です。沖縄の、特に八重山地方では弥勒菩薩信仰が非常に盛んであり、現地の方からは「ミルク神」「ミルクさん」などと呼ばれ親しまれております。

そして特徴的なのが、その姿。
沖縄で見られるミロクの仮面は布袋様の顔をしており、日本の仏像にみられる弥勒仏とは全くかけはなれた容姿をしています。これは、沖縄のミロクが日本経由ではなく、布袋和尚を弥勒菩薩の化生と考える中国大陸南部のミロク信仰にルーツをもつためであると考えられています。

一般的な弥勒像
一般的な弥勒菩薩像

弥勒面
波照間島のミルクさん

この「ミルクさん」(←以降、この呼び方で統一します)は八重山地方から沖縄本島南部まで幅広い地域で信仰されており、豊年祭や節祭などの祭事では必ずといっていいくらい登場する重要な神様となっています。ニライカナイからの来訪神については「ミルクさん」以外にも色々と存在するのですが、こちらも奥深すぎるので割愛。興味がある方は是非調べてみて下さいませ(「アカマタ・クロマタ」とかは説明文を読んでいるだけでゾクゾクできます(笑))


・・・で。
この「ミルクさん」って、銘苅さんの能力に関係するのかな? って思いまして。 

ほら、「ニライカナイからミルクさん(弥勒菩薩)を召還して、種(良い配牌?搭子?)を授かる」とか・・・。
「五穀の種」から無理やり連想すると「配牌で必ず搭子が5個入っている」とか。
・・・それっぽくないですか??

銘苅さんがミルクさんから種を授かる農民なのか、或いは銘苅さん自身がミルクさんなのか・・・。現時点ではなんともいえませんが、ニライカナイと麻雀を結びつけるのであればこういう解釈もアリなのではないかなぁ・・・と思う次第です。



● ミロクの方角

しかし、そんな強そうな能力を持っている(と思われる)銘苅さんが、なぜ塞さんに完封されてしまったのか?

・・・いくら塞さんの能力(防塞)が強力だったとしても、全国トップクラスの実力者をそう易々と抑え込めるとは考えにくいです。きっと何か特別な理由があったのではないか?

・・・そう思って色々と調べてみましたところ、非常に興味深い記事を発見いたしました。

その記事のタイトルは「ミロクの方角」。以下にその内容を要約いたします。

 弥勒のルーツといわれている「ミトラ(ミスラ)神」は、イランでは国と国との境の山頂にいる神であるという。ミトラの元の意味は、二者が接する場所にある「境界石」であったといわれている。
(井本英一著『境界・祭祀空間』より)
 二者を繋ぐもの、或いは二者を遮るもの、要するに"境目"が、弥勒石と呼ぶものの語義だったようだ。邪悪なもの「魔を遮る」塞神、境界の神たちは、村の入り口や門のようなところに配置され、やがてはその村の守護神としての役目を担わされていったようだ。
 そして、前述の井本英一著 『境界・祭祀空間』によると、「弥勒はアジアで古くから鬼門とされた東北の岩から下生するとされ、胎蔵曼荼羅では弥勒は東北に配してある。」との事。
 境界の神である、「弥勒」及び「ミトラ神」は、鬼門である東北に深く関係するようで、そのような、東北の境界に配して置かれた岩、或いは石が、弥勒とその信仰の真相であったのではないだろうか。



 東北の境界に配して置かれた岩

・・・もうピンと来られた方も多いのではないでしょうか?

三ッ石
塞さんの能力「防塞」のエフェクトに登場するこの岩。

詳しくはhannoverさんのこちらの記事をご覧いただきたいのですが、こちらの岩のモデルである「三ツ石」は盛岡城の鬼門を守護する為に置かれた、いわば「鬼門固め」の役割があったと考えられます。
そしてミルクさん(弥勒)は「鬼門の岩から下生するとされ、胎蔵曼荼羅では東北に配置されている」・・・。

銘苅さんとハッちゃんの能力、奇しくも「鬼門」というキーワードが共通しています。更に「境界の神」というキーワードが共通する、銘苅さんと塞さん・・・。


 ・・・単なる偶然とは思えません


塞さんの能力についてはサンプルが少ないので断言できませんが、もし一般的に云われている「相手の能力・技を妨害する」ではなく、「境界を塞ぐ≒召還系能力を妨害する」という能力に特化しているのであれば、全国トップクラスの相手でも優位に対局を進められたのではないか・・・と推測いたします。何せ「境界の神」「鬼門」とダブルで得意分野ですからねぇ・・・。

・・・そう考えると、一回戦で宮守女子と真嘉比高校が(というか銘苅さんと塞さんが)対戦したのは単なる偶然ではなく必然。立先生の意図だったのではないかなぁ・・・、と私は思います。
あと、塞さんを、銘苅さんやハッちゃんが居る「副将」というポジションに据えたトシさん、マジ先見の明ありますね。くじ運もあったとはいえ、恐ろしや・・・。



● 余談

・・・とまぁ、ここまで色々と推測・妄想してみましたが、そもそも現段階では銘苅さんの外見はおろか、下の名前すら判明していないんですよね・・・。更に下手したら、登場すらしない可能性もありますし・・・。
何年後になるかは分かりませんが(個人戦編あたりになるのかな?)、いつかその日が来るまで、銘苅さんの登場を心待ちにしたいと思います。本考察の答え合わせはそれまでお預けですね。

あとあと、銘苅さんの下の名前は「みるく」が可愛くてよいと思います。
銘苅みるく」さん、とかどうでしょう?

既に私の中では、ちゃちゃのんとアイドルユニット「いちごみるく」を結成するところまで妄想が進んでおります。
事態は深刻です