探訪も中日の3日目。前回までの記事はこちらですよー。

 宮守探訪記1日目(1/2)
 宮守探訪記1日目(2/2)
 宮守探訪記2日目(1/2)
 宮守探訪記2日目(2/2)

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5/4 8:00
 ホテルで朝食。

ホテルの朝食バイキングって無駄にテンション上がりますよね。よね?(笑)
いや、元を取るとかそんな事はこれっぽっちも思ってはいないのですが、やっぱ「好きなものを好きなだけ」ってコンセプトがいいですよねっ。ついつい調子に乗ってしまいがちですが・・・(笑)

十二分に腹ごしらえをして、9時過ぎに出発。
本日の予定ですが、天気予報で夕方あたりから雨が降るとの事だったので、かなり余裕のある&ざっくりとした内容。遠野市内に戻り、有名どころの観光スポットを巡ることにしました。
しかも都合の良いことに、前回の探訪の際に購入した「市内観光共通券」が6回分も残っており、指定の施設なら実質入りたい放題な状況。せっかくなので、このチケットを使い切るのを目標にしていろんなところを巡ってみましょう!!

・・・余談ですが、同様のコースを数日前にしののぬさんが巡っていたりします(笑)
同じ共通券を持っていたので当然っちゃ当然なのですが、一部では私がストーカーであるという噂が立っており非常に憤慨しております。私はただ足跡(そくせき)を辿っているだけなのに・・・。


5/4 10:00
 釜石市内→笛吹峠→遠野市内

やはり山の天気は変わりやすいもの。峠を越えるあたりで急に気温が下がり、ぽつりと顔に水滴が・・・。
走行に支障があるレベルではありませんが、やはり今日は天候を伺いながらの行動になりそうです。


5/4 10:30
 遠野郷土人形民芸村、到着。

峠を降りて遠野市内に差し掛かった頃にはすっかり晴天に。何だか自然に弄ばれている感が・・・。
さて気を取りなおして、一見ふつうの民家に見えるこちらの建物。

民芸村
地図上では佐々孝工房とも表記されているこちらの建物が遠野郷土人形民芸村です。

こちらでは、江戸時代に遠野市・附馬牛(つきもうし)地区で盛んに作られていた附馬牛人形(つきもうしにんぎょう)の展示・販売を行っているとの事。実は私、恥ずかしながらここに来るまでそのような物があるという存在すら知りませんでした・・・。

ちょっぴり入るのに勇気が要る外観でしたが(普通のお宅にお邪魔するみたいで)、意を決して入館。
受付の方にチケットをお渡しし、靴を脱いで中へ。どうやら本当に古民家の一角を一般向けに開放しているようです。煤で黒く燻された梁、吹き抜けのように高い天井、受付の方のお話によると100年以上も前に建てられた家だとの事だそうで。

・・・私以外に見学客が居なかったのもあって、受付の方はずっと付きっ切りで私にいろいろな説明をして下さりました。

附馬牛人形
これが附馬牛人形

ぱっと見、表面の光沢具合とかひび割れ具合からして焼き物の人形かと思ったのですが、聞いてみたらそうではないとの事。待ってましたとばかりに附馬牛人形の成り立ちや歴史について教えて下さりました。

この附馬牛人形。
材料は粘土と和紙を混ぜ合わせたもので、それを型に入れて原型を作り出し、丁寧に表面を磨き上げてから彩色して完成品になるとの事。その証拠に人形を手に取ると非常に軽い。手触りは堅いのですが、中が空洞になっているためびっくりするくらい軽いんです。また、その空洞には豆などが入れてあり、振ってみるとからからと音が鳴ります。本来は子供をあやすためのおもちゃとして作られたのではないか・・・という説もあるそうです。

そんな附馬牛人形なのですが、その歴史は明治時代の初期にいったん途絶えてしまったそうで。その失われた技術を研究家の方々が研究し、試行錯誤を繰り返してようやく復活させたのが今から30年ほど前の事。それ以来、この工房では附馬牛人形の製作や展示、実演講習を行なっているそうです。

・・・大まかな概要はこんな感じなのですが、細かい内容については是非とも現地にて直接お話を聞いてみてもらいたい欲しいですね。
受付の方(後から知ったのですが、この方が現在ただ一人の人形職人である佐々木よしえさんだったそうです・・・)の説明が、とにかく素晴らしいのです。明瞭な言葉で分かりやすくて、理路整然。しかも説明口調ではなく自然な言葉で語りかけてくださるので、すっと頭の中に入ってくるし、心に響く。
・・・以前にこのブログでも書いたのですが、二戸市にある民俗資料館の学芸員の方にお話を伺った際も、同じような印象を受けた記憶があります。県北である二戸と、県南である遠野でそれぞれ感じたので、これはもはや県民性とも断言して差し支えないでしょう。岩手の女性(特に歴史・民俗に関わっている方)のお話って心に染み入るのです。
言葉の端々から、確かな知識と情熱が伝わってくる。しかし決して恩着せがましくはない。話を聞いていて、非常に心地が良いのです。思えば、私の知っている限りで現在も活躍されている『遠野物語』の語り部の方は全員女性でした。きっとこれって、県民性ともいえる岩手女性の気質も大きく影響しているのではないでしょうか。

ひと通り説明を聞き終わったあと、私は心底感心しておりました。先ほどは心に響く、と書きましたがどちらかといえば心のガードが緩んでしまった・・・というほうが正しいかも知れません。ごくごく親しい人に打ち明け話をするような、そんな親密感にも似たような感情。こんな感情に浸れただけでも、ここに来た価値はあったなぁ・・・と、しみじみ感じました。

そして、そう思ってたら「何も買わずに出て行くのは申し訳ないなぁ」って気分になってしまいまして・・・。ついつい、小ぶりの座敷童子人形を買ってしまいました。
どうやら財布のガードも緩んでしまったようで・・・(笑)

※ 後々知ったのですが、どうやらしののぬさんも同じ轍を踏んだようです(笑)


5/4 11:30
 六角牛神社を参拝。

さて、すっかり長居してしまいましたがそろそろ行かないと。まだチケットは5枚も余ってます。
その前に民芸村すぐ近く、六角牛神社(ろっこうしじんじゃ)でお参り。

六角牛神社
六角牛神社

ちなみに、遠野市には「ろっこうしじんじゃ」が二つあり、その一つがここ。もう一つはここから2kmほど南に、漢字で書くと六神石神社(ろっこうしじんじゃ)があります。ややこしい!
遠野三山にも数えられている「六角牛山」への登山口は、六角牛神社脇の林道からアクセスです。
お間違いのなきよう・・・。


5/4 12:00過ぎ
 宿に荷物を一旦置いて、遠野市立博物館へ。

こちらも共通券対象の施設、遠野市立博物館。
博物館
南部神社のすぐ近く

遠野の歴史や民俗的な資料(農具とか暮らしに使われていた道具など)が非常に充実しており、時間に余裕があればビデオの閲覧も自由に出来る、かなり本気な施設。シアターのムービーがこれまたお洒落で上品なんですよ・・・。その気になれば半日くらいは滞在できそうなボリュームがありました、が先もあるので1時間ほどで退散(内部の写真は撮ってませんでした・・・)。


5/4 13:30
 遠野市内を移動、伝承園へ。

伝承園
ちょっと暑いくらいの陽気

遠野地方の農家の生活様式を再現したというこちらの施設。この日は語り部による昔話の講演が行われていたこともあって、園内はかなりの人出。人でいっぱいになった曲がり家を抜けて、私が向かったのは御蚕神堂(オシラ堂)

オシラ堂
色とりどりの願い

こちらにはなんと! 
千体ものおしら様が祀られており、願い事を書いた布をその頭にかぶせると願いが叶うとかなんとか。
壁一面にかけられた色とりどりの布、色とりどりの願い・・・。

そして、その中には・・・

staff
『咲-Saki- 全国編』のアニメスタッフの方が書いたと思われる願いが!!

確かにtwitterにて、小野監督が宮守の下見に来ていた事は知っていたのですが、まさかここにも来ていたとは・・・。ちなみにこちらも第一発見者はしののぬさん。情報ありがとうございました。
あ、ちなみに私もお願い事を書いてきました。ちょっと分かりづらい場所にこっそりと・・・。

さて、そろそろ昼食でも・・・と思ったのですが、食堂は大盛況で行列まで出来ているし・・・。
ここはぐっと我慢で先へ進みます。


5/4 14:30
 さらに移動、遠野ふるさと村へ。

こちらも遠野の農村の風景を再現した施設。かなり大規模です。

マヨイガ橋
村の入口にある「マヨイガ橋」。天気が良すぎて迷う気配はまったくありませんが・・・

ふるさと村
再現された古民家すんごい青空

しかしまぁ、天気が良いのはありがたいのですけど流石に暑いです・・・(笑)
本当に夕方から雨降るのかなぁ・・・?

額に汗を滲ませつつ村内を一廻りしていたのですが、ここでまさかのトラブル発生!!

 ・・・チケット落とした

うぇぇ・・・、まだ2回分も残っていたのに・・・。
もう既に元は取れていたのですが、何だかすごく損した気分・・・(涙)

でも悩んだところでどうしようもない。ってかおなかすいた。
時刻はもうすぐ15時・・・、とりあえずは何か食べよう。

ひっつみ
ひっつみと天ぷらの定食

「ひっつみ」は練った小麦粉を摘んで、汁に投げ入れて作るお団子。
全国各地にも似たような料理(熊本のだご汁など)がある、かなーりシンプルな料理です。
でも何故か、心惹かれてしまうんですよね。こういうの・・・(笑)
思えば遠野滞在中、ずっとこってり系の料理ばかり食べていたので、余計に染み入ります。
嗚呼、日本っていいなぁ・・・

お腹が膨らんだところで、気持ちを切り替えて再出発。
チケットで廻る予定だった福泉寺はまたの機会にしましょう。


5/4 16:00
 デンデラ野に到着。

デンデラ野
夕方のデンデラ野

デンデラ野とは、かつて姥捨ての風習があった場所で、六十歳になった老人は村を離れここで暮らしていたとの事。前回来た時は雪深い二月で一面真っ白だったのですが、この季節に来るとまた違った寂しさを感じます・・・。

冬のデンデラ野
こちらは冬の光景

そして、そこから少々離れた場所にあるダンノハナへ。
ここでは前回見つけられなかった佐々木喜善の墓を発見。

喜善の墓
共同墓地のかなり上の方にありました

墓前で手を合わせて、軽く一礼。
振り返ると、そこには民家のある集落、そして先ほどのデンデラ野が見えます。

ダンノハナより
ダンノハナより集落を眺める

ダンノハナとデンデラ野の間に挟まるように存在している集落。
それは「死と生は常に隣り合わせである」という死生観を体現しているかのようで、否が応でも「死」という存在について考えさせられてしまいます・・・。

さて・・・。しんみりとしてしまいましたが、写真でも分かるくらいに天気は下り坂。
夕暮れも近いですし、そろそろ次へ向かうとしますか。


5/4 17:00
 たかむろ水光園で入浴

本日最後の目的地、たかむろ水光園へ。
こちらでは庭園・古民家の見学やお食事のほか、天然温泉の日帰り入浴も可能。
ゆっくりと寛ぎたかったのですが、雨が降る前には宿に戻りたかったので空模様を伺いながらの入浴。
私はサウナと水風呂があれば半日過ごせる人間なので、ちょっと不完全燃焼です・・・。


そして18時過ぎにお風呂を上がり、宿へ帰還。
あ、今日・明日と初日にお世話になった徳田屋旅館さんに滞在です。
本当は4日間通しで取りたかったんですけど予約がいっぱいでしてね・・・。
そして、コンビニに立ち寄り買い物をしていたらぽつぽつと雨が。これから外出は無理っぽいし、ここで晩御飯も買っておこう・・・ってことで夕食はコンビニご飯。

予想通り、この後雨は本降りに。風も窓ガラスを揺らすくらい強くなって参りました。
この風雨も明日の朝には止むとの予報。これが夜で本当に良かった・・・。

遠野滞在の中日、3日目もこれにて終了。
明日はどっぷり宮守に滞在する予定です。てか、昨日・今日と宮守に行ってないし(笑)

おまけ:
今回は立ち寄っていなかったのですが、余裕があれば「とおの物語の館」もオススメです。
遠野物語ファンなら必見。数々の凝ったギミックが見所です。

あとは駅前の目抜き通りを散策するのも良いでしょう。
民家一軒一軒に風情がありますし、何故かネコがいっぱい居るのもポイント高いです。
マヨイガの郷
こんなお土産やさんも

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今回はコンパクト(?)にまとまりました。
4日目も近日中に公開いたします。
→ 近日じゃなかった。こちらです。