姉帯 豊音
 | 岩手の北の方出身。



これは、咲-Saki-の単行本14巻で新たに判明した姉帯さんの情報です。
・・・まぁ大多数の人にとっては、それほど大したことのない一文にも見えるのでしょう。

姉帯豊音の出身は旧・姉帯村地区、という説は定説とも言えるくらい広まっておりますし、今回の新情報はこれを肯定も否定もしない。言ってしまえば無難な内容です。

しかし、私はこれを小林立先生からの挑戦状と捉えました。

・・・思えば、私がこのブログを開設したのも姉帯さんの出身地について考察したかったが故。時刻表と格闘しながら、勢いでブログまで立ち上げてしまったのも1年以上前の出来事なんですね・・・、懐かしい。

↓ その当時の記事がこちら。拙いにも程がありますね・・・
「姉帯さんが九戸村出身である」という、ひとつの仮説

あれから1年以上の時を経て、思わぬ形で提供された天恵とも思える今回の新情報!


 その挑戦、受けて立ちましょう!!



「北の方」の意味

岩手の北の方

「北の方」ってとても曖昧な表現ですよね。どうして、こんな曖昧な表現を取ったのだろう?
例えば永水女子の面々などについては非常に具体的な記載がされているだけに(指宿・阿久根とか)、そこがとっても気になりました。

だってこれ、意図的にぼかしているとしか思えないじゃないですか!?

・・・勿論、本当にざっくりとした位置情報しか設定していない可能性も考えられます。普通であればね。
でも、あの設定の鬼な立先生に限ってそれは絶対にない。
・・・その点に関しては、私は立先生に絶対の信頼を置いています(笑)

 そもそも、そんな曖昧な情報をわざわざ記載しないよね??


だったらどうして、具体的な土地の名前を出さないのか?
何か名前を出せない理由があるのか??

・・・手前味噌になりますが、私は以前に姉帯豊音の出身地(以下、便宜的にあねたい村と表記)についてある仮説を提唱しました。以下、その時の記事から引用いたします。

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●あねたい村は「村」と呼ばれている地域である
001-041
(咲-Saki- 10巻 157ページより)
何のこっちゃ、な文章ですね・・・。
つまりは、姉帯さんは「村」と呼ばれている地域の出身である、という事です。
この「村」という単語ですが、実は割と解釈が難しかったりします。
  1. 文字通りの村、つまり市町村区分で実在する「○○村」
  2. 「旧○○村地区」など、昔は村として独立していたが、現在は市や町の一部である地域
  3. 全く実在しない、作者の小林立先生が創造した架空の自治体
1.の場合は話が非常にシンプルにまとまります。
何せ、現存する「○○村」の中から絞り込めばいいだけですから。

問題は2.の場合・・・
俗に言う「平成の大合併」によって、ここ何十年の間で全国各地で大規模な市町村の統廃合が行われたのは周知の事実かと思います。
もちろん、この岩手県でも市町村の統廃合は行われ、数多くの「村」が消滅しました。
統廃合の歴史を追っていく・・・となると、とでもじゃありませんが場所を絞り込むのは不可能です。
3.の場合は完全にお手上げですね…。
情報としては場所を特定できるようなヒントにはなりませんが、何故か私の中ではこの「村」という言葉がずっと引っかかっていました・・・。


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この当時は1.の説を軸に九戸村という一つの仮説に行き着いた訳ですが、今回の新情報を考慮すると一旦取り下げざるを得ません。だったら素直に「九戸村出身」と明記しても良い筈ですからね。

そうなると、俄然有力になったのが2.および3.の説。
場所は具体的に決まっているのだけど現在は存在しない、或いは全くの架空の存在である場所だから曖昧な表現にせざるを得なかったのではないか・・・。私はそう仮定いたしました。



姉帯豊音、もう一つの原型

そもそも、姉帯豊音というキャラクターはどのように形作られたのか?

これはもう各所で散々言及されているので今更になりますが、姉帯豊音は遠野物語に登場する山女のトヨをモチーフに作られたキャラクターである、という説が現時点では定説となっております。
詳細については、以下のhannoverさんの記事に判りやすくまとめられています。こういった基礎研究ではまず間違いなく、hannoverさんの記事を引用せざるを得ませんね・・・。それほどまでに氏の功績は大きいのです。


●私的素敵ジャンク
姉帯豊音と山女について

そして実際アニメでも、石戸霞が遠野物語の山女の件を用いて彼女を評しておりましたね。
041
「山分け入れば美しき女あり・・・」

この時点では「姉帯豊音=山女」説は疑いようの無い完璧なものでしたし、もちろん私もそれが正しいものであると信じて疑いませんでした。

・・・だがしかし。この説には一箇所だけ、引っかかる点があったんです。
この山女・トヨのお話の舞台となっているのは土淵村大字栃内という場所。現・遠野市のほぼ中央にあたる地区です。
この場所は遠野駅からそれ程離れておらず、はっきり言ってしまえば宮守から近いんですよ。
・・・姉帯豊音が麻雀部メンバーとの初対面の際にかなり遠くから来たようなニュアンスを漂わせていただけに、どうしてもそこに違和感を感じてしまいました。

そこに今回の新情報ですよ。「岩手の北の方」と言うにはかなりの無理がある場所ですよね?


遠野市土淵



どちらかといえば「岩手の南の方」と言いたい

それにも拘らず、どうして「北の方」出身という設定をわざわざ付与したのでしょうか?
しかもご丁寧に岩手県北部に多く分布する「姉帯」という姓まで用意して、ですよ?


 どうやら我々は、ここらで「姉帯豊音=山女」説を見直さなければならない


・・・そこで私が着目したのが、姉帯豊音のもう一つの原型。


 八尺様です。



姉帯豊音、もう一つの原型

そもそも八尺様って、なに??

・・・って方の為に、簡単に説明。
八尺様とは数年前からネット界隈で噂されるようになった都市伝説の一つで、長身の女の姿をした怪異のことであります。その名の通り、身長はおよそ八尺(約242cm)。外見には諸説ありますが、白いワンピースに帽子という姿が一般的だとされています。

004-01
まさにこの姿

お話の全文は以下にリンクを貼りましたので、そちらでご覧下さい。既にご存知の方も、この機会に是非もう一度読んでみて下さい。ちょっと涼しくなれるかも・・・。


死ぬ程洒落にならない話を集めてみない?
八尺様


・・・私もかなり昔に何度か読んで以来だったのですが、久々に読むと色々な発見があって面白いですね。シンプルで飾り気の無い文体がより恐怖感を沸き立たせますし、本当に良くできたお話だと思います。

で、改めて細部まで読み込んでみたのですが、その当時は見落としていた気になる記載がありました。以下、その一部を引用いたします。

この地区(今は○市の一部であるが、昔は×村、今で言う「大字」にあたる区分)に地蔵によって封印されていて、よそへは行くことが無い。


 今は○市の一部であるが、昔は×村


・・・あくまでも、八尺様の物語をベースに姉帯豊音の出身地が設定されたと仮定した場合ですが。

この一文により、私が提唱した九戸村説。そして、現状で最も有力とされている旧・姉帯村説否定されます。何故なら、九戸村は現在でも市町村区分での「」。そして旧・姉帯村は現在は一戸町、市町村区分では「」。双方とも「市の一部」ではないからです。ついでに言えば、「姉帯」姓のメッカである浄法寺地区も否定されました(あそこも昔は「町」だったので)。

ちょっとこれは意外だったというか・・・、衝撃的でした。
(自分で掘り起こしておきながら言うのも変な話ですが)

しかし、私は転んでもタダでは起きません。
逆に「今は市でも、昔は村だった場所」を絞り込めば、あねたい村の場所が特定できるじゃないか!

そう思った時期が私にもありました・・・



岩手県の市町村の変遷

よくニュースなどでも「平成の大合併」なんて言葉が聞かれた時期がありましたが、岩手県も例に漏れず数多くの市町村合併・併合が行われてきました。更に遡ると昭和時代、特に戦後から10年ほどの期間は頻繁に市町村区分が変わっており(主に村→町への昇格)、変遷を追っていくのは非常に困難な作業でした・・・。

そんな中、運良く見つけたのが以下のサイト。文字通り、市町村の変遷をパラパラ漫画のように確認できる便利なサイトです。岩手県に限らず、色々な都道府県の市町村変遷を眺めていると結構飽きずに楽しめます。

市町村変遷パラパラ地図
岩手県

・・・ただ、これも見る限りだと現在「市」となっている地域も、昔は大抵「村」だったんですよね。

2014年
現在(2014年)

1955年
60年前(1955年)

う~ん・・・。
とりあえず、私は「現・二戸市」「現・八幡平市」「現・久慈市」の3つの地域にあねたい村の候補地を絞り込んでみました。あくまでも主観ですが、盛岡市あたりだとあまり「北の方」って感じはしないんですよね(岩手出身の方、ご意見いただきたいです)。



封印

何となくすっきりしない疑念を抱きつつ、それをさておき八尺様のお話を読み込んでみると、更に気になる記載がありました。これも以下に引用いたします。

これは後から聞いたことではあるが、地蔵によって封印されているというのは、八尺様がよそへ移動できる道というのは理由は分からないが限られていて、その道の村境に地蔵を祀ったそうだ。八尺様の移動を防ぐためだが、それは東西南北の境界に全部で四ヶ所あるらしい。
 
・・・つまり、だ。
あくまでもこの八尺様のお話がベースになっていると仮定して、と念押ししての発言ですが。

 あねたい村は 東西南北の境界を地蔵によって封印されている場所にある

という事になります。

・・・思い返してみれば、トシさんも姉帯豊音に関して、非常に意味深な事を言っていましたね。

土地のしばり
10巻 P.165より

「土地のしばり」という気になるワード。
・・・ここからはもう、仮説というか既に妄想の域になるのですが、


 熊倉トシは あねたい村の地蔵の封印を破って姉帯豊音を連れ出した


のではないでしょうか??
どうやら我々は、あねたい村の封印を早急に探し出さなくてはならないようです・・・。



[緊急指令]
アネタイ村 ヲ 封鎖セヨ!



後編 に続く・・・