Paul Schaefer、ドコまで裁けるか?写真の好々爺や、今年米寿を向えて孫に囲まれ嬉しさの笑みが零れるポールさん。

ではない。

Paul Schaefer(ポール・シーファー:発音がパウル・チャエフェルの場合あり)。ついに捕まったか
潜伏先のアルゼンチンにて一昨日逮捕された。近日中にもチリに引き渡される模様。

この好々爺然としたおじいちゃんだが、何とも謎の多い人物。WW2以降のチリをはじめ南米の黒歴史を体現しているとも言える人物。
今回、彼が逮捕されたのは「未成年者に対する性的虐待」、それと色々、計23件の容疑でリーヅモ+メンホン+二盃口+ドラ6、併せて数え役満な素敵おじいさん。チリのみならず生まれ故郷のドイツからも人権に関する罪状で国際指名手配されてた。この逮捕を受けて在チリのドイツ大使館も喜びのコメント

今回は彼をはじめ、第三帝国出身のヤヤコシイ人たちが創り上げた御伽の国での「未成年者への性犯罪」とかその他諸々を理由に国際指名手配となった末での御用。

ただし、この幼児への性犯罪ってのはあくまでも表層に過ぎない。この逮捕理由だけでも洒落にならん重罪なんだが、それが表層に過ぎないところがこの件の暗部たる所以。もうドロドロ。

この舞台となったチリ南部のネバーランド「Colonia Dignidad」(現在はColonia Bavieraと移転後に改称)は昔から調べてみたいなーと思ってたトコ。去年もここで書こうかとコトコトとキーボードを叩いてたが、丁度良くx51.orgさんが取り上げる勢いだったんで放置してた。
このポール・シーファー爺さん、ドイツ生まれのVivaアーリアンな具合の香ばしい生い立ち。
なんとユーゲント上がりのご立派な経歴。その後事故にて左目を失明。その後は衛生兵としてナチ占領下フランスで従軍。
終戦後は生まれ故郷に戻って戦災孤児などを保護する慈善団体「Colonia Dignidad」をハンス・バールとゆーまた別のヤヤコシイ人物と一緒に設立。ここでは孤児の少年達のお尻を鞭で叩いて悪魔祓いを行うという先端医療を実践してたんだが、そこでポールさんの性癖が露骨に出現。幼児性的虐待、しかも幼馴染の親友の息子を性的に虐待したとする罪で国を追われるように逃げ出し、来チリ@1961年。いらっしゃい。
さて、ココでネバーランド建設に同志ハンスと頑張る。
チリ南部、パラル近郊の農場を買い上げ「Colonia Dignidad:ディグニダーコロニー」を設立。ディグニダーって「尊厳」とかそーゆー意味のスペイン語ね。

元々祖国を追われた罪が幼児にムラムラする性癖だったんだが、流石にコノ手の性癖は更正しようが無いんだろうか、彼の求めるポール的第三帝国を築き上げるワケだ。
1966年にコロニーから逃げ出した少年ウォルフガング・ミューラーの証言で初めてこのコロニーが「怪しい」と告発されたが、結局は軍政の終焉間近の89年までは手が出せない地域だった。

しかし何でシーファーがドイツからチリへ?と思う人もいるだろうが、昔からチリ、アルゼンチンにはドイツからの移民が多いんですよ。特に南部に集中してる。ただナチスと関係が有るかと言えば、関係無い。殆どが第一次世界大戦以前の移民で、チリ政府の招聘でやって来た職工や軍人さんや南部開拓者だったのよ。そういったドイツ系移民の開拓した下地があったから、ナチス残党が逃れ逃れて流れ着いた、とゆー話も確かに有りうるが。この件に関しても、ドイツから告訴されている罪状も、今回逮捕された容疑に関しても、ナチスは関係ないみたいだし。
そういえば旧東ドイツの最後の書記長ホーネッカーも最期はチリで迎えてたなぁ。
いずれにせよドイツ系移民の努力によってチリは軍事、工業の急速な発展、チリ南部の入植などでチリに寄与した助力は比類なきものであるんで、こういったニュースで「あー、チリってナチスの残党が居る国でしょ?」とか思わないで頂きたい。

なんしか当初は面積1万5千ヘクタールにものぼる広大な敷地に300人ほどの入植移民者を向え、その中で「プロフェッサー」とか「ドクター」とか、何となく畏怖されつつコロニーを運営していた様子。
先述の脱走者の話では、彼はこのコロニー内で好き勝手にやってたらしい。いわばコロニーの盟主として君臨していたとか。その背景にもチリ軍部に協力した見返りで、当局も手が出せなかっただとか色々説は有るが。
しかしながら民政化を向え、軍部の発言力が弱まった頃、方々から告発されコロニーの存在が明るみになってきたワケですよ。
そしてシーファーはいつの間にか雲隠れ、その末に国際指名手配。
またドイツからも調査団がこのコロニーにやって来たり、またチリの軍事独裁政権下で秘密警察DINAに協力していた、だとかマネーロンダリングやら脱税やらを大掛かりにやっていた、とか、まぁ素晴らしい品揃えの容疑。

ちなみにコノ南米「ナチス隠れ里」的ネタは、かつて中学生時代、落合信彦(通称:ノビー)とゆー謎の自信満々作家の著書でその存在を知った。「エスタンジア」と呼ばれる農園といった紹介だったが、実際の内容はなんか腰砕けで何にも取材できてないヘタレな内容だったなぁ。同時にフォーサイスのオデッサファイルとかも読んでいた為、当時の俺的南米大陸は「アンデスの高地にマチュピチュとか巨石文明が栄えていて、その密林に黄金郷が隠されていて、その近辺にナチスの残党が第三帝国の復興を目論んでUFOとかを作っている」とゆー妄想夢大陸だった。もう「ムー」とかの描写に近いな。

兎に角、この事件は今チリが直面しているヤヤコシイ問題をコンパクトにまとめてみました的なダイジェスト事件。
例えば、

ペドフィリア(幼児性愛)系犯罪

ここ数年の教会神父による性犯罪や最近騒ぎになってるロリコン上院議員の事件とか。しかもこのポール爺さんはどうやらバイセクシュアルな様子。ロリコン&ホモセクシュアルとゆー衆道な爺さん。最近コノ手の犯罪が激増だな、チリをはじめ世界各国。なんか地球的な環境要因でもあるんじゃろか。

軍部の暗部暴露

コンドル事件、コロンボ事件など、人権に係わる犯罪に、このポールを始め、コロニー自体が拷問施設として利用されていたのではないか、と。コロニー内に病院、学校、農場、工場とj活に必要なあらゆる施設がそろっていた上に情報を完全に遮断できる立地的条件。施設を提供したのみならず、ナチスの拷問のノウハウを伝授していたのでは?との疑いも持たれている。更には、このコロニー関係者が中々捕まらなかった背景には軍部の関係者による圧力があったのでは?とかも。

マネーロンダリング

大規模な金銭の動きが調査されており、ココが国際的な浄財屋さんとして機能していた疑いが。このコロニーの係わっていた犯罪がチリのみならず国際的な規模で行われていたこと、またよく分からんが結構大きな金が動いていたこと、しかもその金の動きに対して軍政下のチリ当局が調査を殆ど行っておらず、まさにマネーロンダリング天国だった模様。

人身売買

国際人身売買組織、しかもポール爺さんの嗜好に合わせて少年少女が売買されていたとされる点。またコロニーを運営していく上でも幼児期からミッチリと「コロニーの何たるか」を外界との連絡が取れない陸の孤島で洗脳してしまおう、といった意図もあったらしい。また、人身売買の「供給元」や「販売先」といったネットワークの存在も明るみになるかもしれない。



兎に角、この事件に関しては以下のサイトが其々特集を行っていたので、参考にしたまえ。

2005年3月12日El Mercurio紙
ポール・シーファー特集
TVNニュース番組報道特集
コロニア ディグニダー特集

なんかこれから色々と旧時代の暗部が露呈しそうな事件だなぁ。