ちりぢり草

チリとかサンティアゴとか南米とか、徒然に。

June 2008

俺写真フォルダ。

この前の日本出張で調子に乗ってデジカメを新調したんで、サンティアゴの写真をば色々と撮ってみようかと。
んで、今月あたりから撮った写真とかをまとめてGmailのアカウントにUP、そのフォトアルバムを惜しげもなく赤裸々に頬を赤らめつつ大公開。っていっても大したモンはないんですけどね。

ベガ市場とかは、写真の腕がヘタレでも、素材自体がカラフルで綺麗なんで、誰でも綺麗な写真になるなぁー。

とりあえず、今後写真は増やしていこうと思うんで、暇なときにもでもご鑑賞あれ。

サンティアゴ旧市街など *昨日撮った。
サンティアゴ旧市街


ベガ市場 *先々週ぐらいに撮った。一部先月。
ベガ市場 (La Vega)


中央市場 *先週撮った。多分。
中央市場 (Mercado Central)


つーわけで。
今度どっかに写真撮りに遠足でも行くかなー。

IWCサンティアゴ年次総会 終了。

先週一杯でIWC第60回年次総会@サンティアゴが無事終了ですよ。
当初懸念してた半日暴動とか大規模な抗議運動とかも殆ど目立たず、一応平和裏に終わったっぽいです。やれやれ。
ニュースとかでは一部環境保護NGOとかの活動で「日本出てけ!」みたいなシュプレヒコールが会場周辺であったみたいですけど、かわいらしい規模だったんで、安心。
つーか少なくともチリでこのテーマで大規模なデモを行なうには、一般市民への問題意識っつーか争点の周知が全然間に合ってないんで、難しかったんでしょうかね。
現時点では精々「クジラ可哀相!」以外に求心力がないですし。



んで、とりあえず一週間なんとなくこの会合の動きを眺めてましたが、なんとなく争点っつーか捕鯨問題の核みたいなのを理解できたんで、メモ的に纏めてみた。

陣容
捕鯨国
- 日本、ノルウェーとかのクジラを殺して喰う近代的産業捕鯨国
- カリブの島国とかアフリカの沿岸国とか、海洋資源を大国に掠め取られたくない、クジラを食うことには拘らない国々。
反捕鯨国
- オーストラリアとかヨーロッパとか、動物愛護とか大好き諸国。
その他
- なんで君がココにいんの?的国々。いろいろ事情はあるそうで。
あとデンマークみたいに、一応反捕鯨のEU陣ながらも捕鯨地域グリーンランドを擁してるんで、色々とややこしい国もあったり。

大前提 IWCは捕鯨産業の発達をスタート地点として発足
- 日本、ノルウェーなどの捕鯨国の考える「捕鯨産業の発達」とは即ち捕鯨産業の復活、持続的管理。
- 反捕鯨国の考える「発達」とはホエールウォッチとかの観光資源としての開発。非致死産業。

調査捕鯨
- 現状では科学的調査としてのデータは、致死捕鯨を行なっている日本が圧倒的に凄まじい情報量。
- 日本の調査捕鯨に対する評価は反捕鯨国も支持。でも「でも殺しちゃダメ」スタンス。
- クジラを殺さない調査捕鯨では得られるデータが不足。
- 反捕鯨国の捕鯨反対の論拠となるデータも、日本の調査捕鯨を基にしてるものがあったり、非致死調査の根拠の薄いものであったり。

沿岸捕鯨、先住民生存捕鯨について
- 日本とかは沿岸捕鯨を再開したい。凄くしたい。
- 反捕鯨国は「絶対ダメ」。
- じゃぁなんでアラスカとか一部地域海域で先住民生存捕鯨とかいう名目で捕鯨認めてんの? by 日本とか。
- あれは先住民の伝統的な産業っつーか文化だし云々。 by 反捕鯨国
- いやいや、俺らのも十分文化的だし、絶滅危惧種を獲ったりしないぜ? by 日本とか。
- んー、まぁ、ねぇ?
- デンマークとかが色々と紛糾。

日本の狙い
- IWC自体が機能不全。だって捕鯨国と反捕鯨国の論点が交わらないし。意味ないじゃん。
- だったら別のプランを考えようよ。
-- プラン1: 個々の論点を争っても原則論でニッチもサッチも行かないんで、いろんな争点をパッケージで議論しようぜ?
⇒ 色々争議中。
-- プラン2: IWC自体を正常化っつーか、ちゃんと機能するように、小委員会を作ろうぜ?
⇒ 一応その方向で合意。次回ポルトガル総会へ期待。

とりあえず、昔の国際連盟の会場を颯爽と後にする松岡洋右日本全権大使みたいな、サンティアゴSheratonを飛び出す日本森本代表、みたいな画にはならなくて良かった。
つーか構図的には、オージー、ニュージーと欧米の反捕鯨連合がリットン調査団っぽいな。すると捕鯨は満州利権みたいな。実態は全然違うんだろうけど。

なんしか、そういうわけで無事終了っす。

IWC捕鯨問題 戦端開かれる。

ぼちぼち来ますよ、IWCサンティアゴ総会。国際捕鯨委員会。スペイン語ではCBIだって。
IWCサンティアゴ総会 スケジュール
総会の開始は来週の頭からなんですけど、日本からのIWC担当者らも既にサンティアゴ入りしてるみたいで、今日El Mercurio紙にインタビューが載ってた。

とりあえずこのインタビューがチリvs日本の捕鯨論争のキックオフって漢字でしょうかね。内容的にはチリ側の日本の意思確認って感じですが。

El Mercurio紙の記者の質問に答えるのは、日本の水産庁どっかのモリシタ・ジョージさん。

質問内容は、現在の捕鯨問題についての基本的なポイントのおさらい、って感じ。
来週から本格的にガチンコ対決するまえの練習試合みたいな具合で、糾弾するわけでもなく問いただすわけでもなく主張をごり押しするわけでもなく、結構紳士的に日本側の主張する要点を纏めてくれてる。
以下、超端折り訳。
Q. なんで殆どの参加国が捕鯨反対してるのに、日本は空気読めないの?
A. いや、実際半々だから、捕鯨支持と反対は。

Q. IWCがクジラの数が減ってるっていってるけど、なんか日本は逆のこと主張してない?
A. そりゃヤバいのもいるけど、全部がそうじゃないっしょ。なんか極端すぎ。

Q. でも日本ってクジラ虐殺してるじゃない。どうなの?
A. いや、殺さないと分らないこともあるから。全部片っ端から殺してるわけじゃないよ。

Q. じゃぁIWCって何のためにあるの?
A. いやマジでIWCの存在意義がこのサンティアゴ総会に掛かってるっしょ。ここで上手くまとまらなかったら、それこそ本格的にIWCの意味がなくなるし。

Q. なのになんでIWCに拘るの?
A. 60年以上も色々やってきてる組織だから、結構尊敬してるんよ。情報の蓄積も凄いしね。

Q. つーか、辞めちゃえば?
A. そう考えないこともないけどね。でも今ある矛盾点とかを正面から訴えていきたいのよ。

Q. チリの反捕鯨の立場についてはどう思っちゃってるわけ?
A. みんなそれぞれ言いたい事を言う権利はあるんで、いいんじゃない?

なにかといろんな国の思惑とか信条とかあるんだろうけど、とりあえず特設サイトが出来てたんで、興味ある人は見てみるといいかも。なんか中継もするみたいだし。
こっちの在チリ大使館に資料でもないかなぁと探してみたら、なんか無い。んでスペイン語版みてみたら、結構充実してたんで、こっちもどうぞ。

来週、色々と大変だろうなぁ。「このクジラ殺し日本人!」とか言われるんでしょうね。
じゃぁ「この牛殺し!」とか売り言葉に買い言葉で返そうと思いついたけど、それじゃぁゴッドハンド大山倍達じゃねーか。

雨とデモと催涙ガス。

色々と違う方向で頑張っている学生さん今に始まったことじゃないですが、ここんとこ暫くデモが続くなぁ。つーか去年からずっとか。
トラック運転手やら鉱山労働者やら、定期的にガス抜きっつーか、一部お祭りのような位置づけで楽しんでいるデモ参加者も多そうな感じ。

そんなかでも「お祭り度合い」において最大のデモは、去年あたりから頻繁に繰り広げられてる「高校生デモ」。
一応趣旨は教育法改正を掲げてるんだけど、大学生よりも高校生のデモ運動が盛ん。
んで、どう見ても真面目に主張をアピールして政府に訴えかけてる勤勉学生活動家は極少数。殆どが便乗お祭りストレス解消+ついでに授業ボイコットで超ラッキー的野次馬層。

んで、幸か不幸か、いやネタとしては「幸」の部類なんですけど、今日たまたまサンティアゴ市内でこの学生デモ行進に遭遇しました。もう近接遭遇。

いやぁ、こいつらダメだわ。ちょっと楽しみすぎ。周辺のレストランとか街路樹とか破壊しすぎ。ついでに言うと、仮に俺が高校生だったら間違いなく混乱に乗じて調子乗って近隣住民に迷惑を掛けて、んで30歳越えてから赤面しつつ当時を反省する、って感じのガキっぽい調子の乗り方。
そんな「悪ふざけノリ」が過ぎるように思いますよ、おっさん的には。

青年の主張に耳を貸さんわけではないけど、ココまでキャーキャーお祭りノリで騒がれたら、まともな主張にも聞く耳を持たなくなるっしょ。つーか俺も混ぜろって思うし。

暴れ狂う放水車。ちょっと楽しそう。
そんな光景をビルの上から観察してるうちに、警察隊到着。重厚な装甲で覆われた、すんごく強そうな放水車が早速放水開始。
もう「蜘蛛の子を散らす」って表現が見事な散開具合に高校生諸君の鉄の意志を垣間見た。もうちょっと頑張れよ。お前ら家に帰って天安門のニュース観とけ。

んでこの放水車がもうカッコいい。というか凄く楽しそう。なんか放水車をメインにフィーチャーしたお祭りとか企画したら絶対流行るよ。牛追い祭りみたいな感じにして、んで放水車の屋根かなんかに小旗でも置いといて、それを見事奪い取った若者が今年の勇者、みたいな。

なんしか、凄まじい量の水が怒涛の勢いでぶちまけられてます。
この放水車が通過したあと、知能犯高校生が背後から警察車両に石投げたり垂れ幕をかぶせに挑んだり、まぁ色々と余興に余念がないんです。

そこで登場ですよ、催涙ガス搭載装甲車。
鬼畜の催涙ガスばら撒き装甲車。いやぁ、ガスっていうから、もっと気体がモクモク噴出、ってのを期待してたんですがね、なんか装甲車の小窓から、薄黄色のきな粉みたいな粉末がばら撒かれる、そんな迫力に欠ける感じ。
しかも雨が降ってたんで威力半減だろうなー。

それでも流石は催涙ガス。結構ガス撒き現場から距離はあったのに、2,3分の間に鼻と口のなかがピリピリしてきやがります。
もうどう考えても、デモ学生に与えたダメージより、周辺住民やら無垢の野次馬市民に与えた被害のほうが甚大っすよ。

結局、このあと四散した学生ですが、小競り合いをその辺で繰り広げながらいつの間にかデモのステージを他所に移したのか、それとも自然消滅したのか、30分ぐらいで大人しくなってました。

ちなみにちょっと良い話。
催涙ガスの直撃で涙・鼻水・咳でゲホゲホと地獄の苦しみを味わってるとき、レモンを丸かじりするとずっと楽になるそうですよ。レモン。これからデモに参加する予定の人は、途中で八百屋にでも寄ってレモンをお買い求めください。

とにかく、デモもいいんですけど、学生諸君および警察関係者の皆様におかれましては、周辺の関係ない一般人を巻き込まないように注意してくださいな。出来ればアンデスの人里離れた山奥とかで警察とサシで好きなだけデモやりゃぁ誰も迷惑を被らないのに。

チリvsボリビア代表戦

チリvsボリビア代表戦@スーパー久し振りに大型スーパーJUMBOへ食料やら生活雑貨のまとめ買いに行ってきました。
日曜でしかも夜、それでも結構この時期は混んでたりするんですが、今日は結構空いてました。

んで、ショッピングカートをコロコロ転がしながら店内をぶらぶらしてるとですね、時折嬌声やらため息やら、奇怪な声が店内に響いてやがります。
あぁ、アレでした。
今日はチリ代表戦。
対ボリビア。南アフリカW杯予選っす。

どうりで客も少ないわけだ。

んで、チリが優勢な状態になると、店内のモニターで流してる試合に皆釘付け。
店員も含めてテレビ見っぱなし。客には見向きもせず、なかなか潔い観戦体制。

ちょうどチーズでも買おうと思って近づいたカウンターでは、当にチリ代表が一点を見事なオーバーヘッドで決めたところ。店内が異様な一体感につつまれてます。
見ず知らずのおっさん同士が「あぁガリーは調子いいな!」とか「あと二点はいけんじゃない!?」みたいに顔を高潮させて画面に食い入ってました。
多分、折角試合見たいのに、奥さんの買い物に付き合わなければならない週末家族サービスモードのご主人方、せめて試合の断片でも楽しみたい、ってところでしょうかね。

それは良いんですが、試合にあんまし興味ない俺的には、早いところそのチーズを計量してパッキングして欲しいんですが、店員さん。

とりあえず試合は結局2対0でチリの圧勝
標高3900mのラパスという、北海道代表に沖縄那覇でデーゲームしろってぐらい無茶な環境を鑑みると見事としか言いようのない勝ちっぷり。
久し振りなんじゃないでしょうかね、チリの完勝って。

TOYOTOMI狂想曲

いつの間にかブランド品。先月も書いたんですけど、なぜか凄い勢いで売れに売れてる日本製ストーブ「TOYOTOMI」。

今月に入っても売れ行きは好調で、相変わらず品不足が続いてる模様っす。
そこで大手百貨店のFalabellaが「もうしょうがないから日本から4000個を空輸で緊急輸入するっ!」と。今日のEl Mercurio紙に載ってました。

あんなデカくて重い商品、エアカーゴで持ってきたら、それこそ値段が跳ね上がるんじゃねぇの?と思うんですけど、それでも勝算はあるんでしょ。しかしスゲェなー。
しっかし、緊急輸入されるものが食料でも医薬品でもないあたりに昔と違って豊かになったチリの状況が垣間見れる気がする。

ところで今回の注目の新機能は「温度自動調節:なんと指定した温度を自動的にキープ!」だそうです。
なんか日本じゃ当たり前の機能だと思うんだけど、逆に言えば今までのチリのストーブ事情ってのが如何に貧相だったか、ってことなんだろうなー。
普通にその辺で売ってるストーブとかヒーターとか、見事なまでのシンプルさだもんな。アレはアレで味があっていいとは思うんだけど。

ロスバゲ オークション

遺失物の競り市この前新聞見てたら、プダウェル区がLAN航空から受け取ったサンティアゴ国際空港での「ロストバゲージ」、要は遺失物とか忘れ物とかを競売に懸けるそうな。

よく読んでみると、ロスバゲとして届けられてから4ヶ月を経過した荷物およそ1400個、これの競売を新聞広告に載せて大々的にキャンペーン。もちろん荷物の中身もご一緒に。

って、いいのか?コレ。
いや色々とさ、所有権とか個人情報とか、道義的に。

スーツケースの中には饐えた臭いを放つ下着とか土産物の郷土品とか、あと旅の思い出が詰まってるんでしょうが、お構い無しですか。そうですか。

秋葉原の例の事件

よく分からないけどカオスな事件詳細は日本では散々報道されてるだろうから割愛。
先日の秋葉原の7名死亡、十数名重症の通り魔事件がチリでも大々的に報道されてます。

この種の扱いでは、オウムの地下鉄サリン事件に近いショッキングな扱いで昨夜はどの局もニュースで取り上げてた。
新聞LUNなんかは一面トップだし。

日曜日白昼堂々と死傷者十名以上を数えたこの事件の異常性もさることながら、多分チリ的にインパクトが大きかった要素は
1. 治安も景気もそこそこ良い日本で
2. ひょろい細身の弱そうな男が
3. 目的も特に無いまま
4. あらかじめネットに予告めいたものを残しながら
5. 無関係の通行人を片っ端から殺害し
6. 最後は無気力に身柄を拘束される構図
7. そして現場の無数の通行人が撮っていた画像映像と相まっての異世界感
みたいなのが大きいと思います。

そしてチリをはじめ諸外国でこのニュースが多大なインパクトを持って観られる点として、
A. 日本は国内に麻薬カルテルとか民兵集団とかETAとかイスラム原理主義テロだとか、その手の過激派テロとは一応無縁ぽい
B. 犯人は別に餓えていた訳でもなく身体的に生命の危機を感じていた訳でもない
C. かといって教義やイデオロギーが犯人を衝き動かした訳でも無さそう
D. 性的倒錯というのもちょっと違うっぽい
E. なんだか結局よく分からない
というあたりでしょうか。

場所が秋葉原という外国とっては日光東照宮や浅草の仲見世以上に知名度の高い、いわば日本のハイテクとオタ的文化の聖地っぽい扱いの場所で行なわれたのもニュース的に引っ張りやすかったのかも知れません。
ついでに言えば、この数年日本のサブカルの筆頭として祭り上げられてるOtakuの聖地、シンボルとしての街が凶行に巻き込まれた点は少なからず尾を引くかも。
今のところ日本のOTAKUというのは、本家のサムライ的にある一つのステータスとして頻繁にメディアで紹介されたり祭り上げられたりしてるんで、それを金科玉条の如く祭り上げてたチリOTAKU界(そんなのあるかどうか知らんが)やテレビ界にとっては相応のインパクトはあったでしょうか。

この種の無差別殺人の事件はアメリカが多いと思うんだけど、多分、経済的にある程度進んで安定成長期にある国にとっては、ヒトゴトではないんじゃないかと思います。
今まで「政府に抑圧された闘士が〜」とか「神の啓示に従った狂信者が〜」とか「餓えた農民が〜」とかいった枠では収まらない、その辺の一見普通の人が凶行におよんで、しかも何が悪い何がおかしい、ってのが皆目検討が付かない。
チリのTVニュースキャスターも、普段はそれなりにコメントなり意見を残して次のニュースに移るんですが、見事にどのニュースもそのまま無言のうちに話題が変わっていったし。そりゃコメントできんよ。

あ、あとアキバじゃなかったら、現場の犯行当時の映像やら写真はあれほど出てこなかったでしょうから、その点がセンセーショナルにニュースを拡散させる助力となった点も大きいかも。

ちょうど先々週の日曜にこのアキバをブラブラしてたんで、一歩間違えればヒトゴトじゃないんですが、さすがにテレビを通して流される現場の映像はショッキングでした。先々週のアキバ時間的にもほぼ同じ時刻だったんで、この賑わいの中に車で突っ込んで、手当たり次第人を刺していった、と。

果たしてこの犯人にはどのような法の裁きが下されるんでしょうか。刑法第39条とか適用されたりしたらまた大騒ぎになるだろうな…。

仁義無き芋戦争

まぁアレです。隣国の宿命とゆうか、元祖本家本元で争ってるワケですが。
今回の火種は芋。
ペルーとチリが芋の元祖争いで火花を散らしてるんですね。
それこそ芋蔓式に起源を求めて去年から喧々諤々の争いでございます。
数日前にAFPのニュースでも出てましたが。

実はチリとペルーは、芋以外に国の威信を掛けて元祖を争ってるブツがあるんすね。
ピスコ。
あのブドウの蒸留酒。
こっちはペルーにその名も由緒正しい「ピスコ」って村があるんで、ペルーに軍配が上がりそうなんですが、チリは「いやいやピスコを最初に商品ベースに乗せて大量生産を始めたのは俺ら」、「世界的にピスコを知らしめたのは俺ら」という微妙な論旨でたたきを挑んでおります。

正直なところ、ピスコについてはペルー発祥でいいんじゃない?とおもうんですが、芋については「どうでもいいだろ」としか。
だってそんなモン無数に種類もあるだろうし、人間様が介在してどうのこうのってレベルじゃないんで、それこそ発祥国なんざ自然様に対して畏れ多きおこがましい考えだろう、と。

ただ、現代民俗学的にはチリの主張にも肩入れしたくなるんですよね。
正直、チリ、チリ人ってのは国としてチリ人としてのアイデンティティーが希薄、っつーか拠って立つところの文化的基盤が希薄なんですよ。
ペルーについては名高きインカ帝国を始め、紀元前から燦然とか輝く多々の高度で独特の文明を擁しておりまして、その流れを連綿と紡いできた国。近代国家のブラジルやアルゼンチンにしても、サンバやカポエラのような独特の土着+西欧リミックス文化を醸造し、タンゴみたいな独特のスタイルを完成させてるんで、それぞれの国の人として、拠って立つ文化的基盤は強いんですよ。
そしてチリ。
悲しいほどに世界に誇る文化的ルーツが弱い。
いやいやマプチェの文化やクエカ、近代音楽ではヌエバ・カンシオンとか結構色々あるだろ?とかチリに住んでると推挙したくはなるんですけど、果たしてそれが世界的にどの程度認知されてるのかっつーと、非常に心許ない具合。

そんなワケで、チリの、チリ人の辿る志向的ルートは、「経済的にも政治的にもそれなりに成熟してきた」⇒「俺らは結構勝ち組」⇒「でもなんか根っこが弱いなぁ」
という流れで、文化的独自性とやらを確立したくてしょうがないんですよ。
南米の諸外国と比較されると「やつら(チリ)なんざ、アメリカのコピーじゃねーか」とか「他にすることないから金稼ぎに頑張ってんだろ」というような、一種自嘲自虐的な方向に勝手に思い込んでるフシがあるんですよ。

ある意味、アメリカの長期に亘る壮大なグローバリズムというなのアメリカナイゼーションってやつに呑み込まれて、しかもそれを良しとせざるを得ないような具合に。

物質的に豊かになればなるほど、こういった傾向は増幅していくんじゃないかと思うんですがね。
だったらマプチェ(チリ先住民)の文化をもっと評価しろよ!と声を大にして言いたいところなんですけど、一般チリ人的にマプチェは「無教養の未開者」というネガティブなレッテルと、土地を奪って文化を根絶やしにしつつあるという後ろめたさが現在進行形なんで、あんまし表に出したくない、という悲しい状況も垣間見れるんですよ。

この辺はチリに限らずあらゆる国で表出してきてる現象なんで、チリをあげつらってどうのこうのってのは本位じゃないんです。
とりあえず外国と文化的背比べとかしてる暇あったら、まず国内の文化保護を徹底して強化すべきだろうな。あと教育とか。
とりあえずイモはアンデス産ってことで仲良くしておこうよ。

チリ全土 物流危機 (⇒回避)

いやー、結構な非常事態です。チリ経済。
まだ生き死にの問題に直結するほど崖っぷちにあるわけじゃないですが、少なくとも今考えうる「チリ経済破綻の予想しうる状況」として、今日起こった一連の混沌状況は、一番可能性が高い破綻モデルになるっぽい。

なんしか、今日開始されたトラック運転手組合のストが、異様な速度と規模でチリ経済を打ち壊し中。

発端はガソリン、ディーゼル価格の上昇を受けてのトラック組合による「燃料価格安定と上昇分の補償」を求めたスト。
これでチリの主要な幹線道路がトラックの車体で塞がれ、物流が大打撃。

お陰で長距離バスが運行できないわスーパーには食料が届かないわ、港ではコンテナの積み下ろしが出来ないわ、病院じゃ酸素が足りないわ市場じゃ野菜が届かないわで散々な状況。
現在午前1時を回っても、チリ交通省とトラック野郎組合での会合に妥協点は見出せず、ストも下手すれば明日も継続の勢い。

じゃぁ、トラックじゃなくて適当に車見繕って物流をなんとかすりゃどうよ?ってのも、残念ながら無理。
だってガソリンスタンドに燃料が輸送されないため、既に燃料が枯渇してる地方都市が出始めてるんで。しかも物流はトラック頼みで鉄道とかはアテにならんですし。

チリという細長い極めて特殊な地理状況の国土で災いした致命的状況。
このままストが続けば、間違いなくチリ全土的に、社会経済安全保障あらゆる面で大打撃確実。
国が折れるかトラック業者が倒れるか。宿主vs寄生種の仁義無き戦いっすよ。

去年の冷害と南部地震やこの前の火山噴火やらの天災オンパレード、世界的な燃料の値上がり、ペソ高が追い討ちをかけて都市部の物価が軒並み上昇した所へトドメの物流遮断。
5月の月間インフレ指数が1.2%と高数値をたたき出し、過去12か月分も9%近いインフレ率。
1994年以来の高水準を指してますよ。

銅やレアメタルなどの鉱物資源、鮭鱒を代表とする海洋資源、ウッドチップなどの森林資源という豊富な天然資源を抱えるチリなんですが、よくよく考えてみたら、これらを切り出し運び出し積み込む動力の殆どを化石燃料に依存。そしてその殆どを輸入に頼るチリは必然的に巨大なリスクの上に立ってるんですね。 ビックリです。マジヤバイ。

この状況が続けば、早ければ明日にはスーパーから生鮮食品が姿を消しはじめ、庶民には買い溜めラッシュが発生し、物価は急激に上昇し、為替レートは大きく変動し、結構なカオス具合を目の当たりにする可能性アリ。

対処方法といっても決定的な打開策は無いんだろうけど、南米でも高いガソリン/ディーゼル価格を公的資金で調整しつつ金利を上手い具合に操作してペソ安に誘導しつつ何とかすれ、とかいう具体性に欠ける机上の論しか出てこないです。そんなの経済学者が考えろ。
チャイテン火山の噴火、中部降雨による水廻りの被害、そして世界的石油価格の上昇、もう泣きっ面に蜂っぽい状況が度重なって、2008年は半ばを過ぎても微妙な具合ですが、後半はどうなんでしょ。先行き暗澹っつー具合です。

今のところ、少なくとも政府は緊急措置として病院や警察その他公的機関へ燃料の優先供給とかを至急で施さんと、都市機能のみならず都市の生命維持機能が停止しちゃうんじゃないかなーとか危惧したりしてるんですけど、また一方で「多分明日には全部解決して丸く収まっちゃってるんじゃない?」とか根拠無く思ってたり。多分そうなるんでしょうけど。
じゃないと各地で市民が暴徒化して、軍の治安出動とかになりかねんですよ。戒厳令とかはヤです。

そこまで悪化するとは思いたくないけど、燃料問題に致命的な弱点を抱えてる国家として、いつこれらが原因となって経済破綻に至らないって保証は無いですし。
ちょうどマラッカ海峡を封鎖された日本みたいな、大動脈を止められたみたいな、そんな危うい状況と隣り合わせなんでしょう。

かといって化石燃料に依存する現在の国の基盤を今すぐ変えれるわけでもないし。
原子力発電は技術的にも世論的にもまだ無理だし、水力発電のダムは環境問題が足枷となって建設は進まず、ガソリンに変わる代替燃料をバイオエタノールなんぞに依存した日にゃ、それこそチリの経済がアメリカやブラジルとかの経済政策に左右されてしまうし。
極論すれば、安定を求めるのなら経済の発展を諦めて生活の質を落とし、明日が今日より良い日になるかどうか50%/50%の状態に身を置く。
それでも経済の発展と際限ない豊かな暮らしを求めるなら、山を切り開き川を堰き止め、国の命運を他国に委ねて外交手腕を天秤棒にして細い綱渡りを続けるか、その二択しかないんでしょうかね。
あるいはそれ以外に短期的に状況を完全打開する術があるんでしょうか。
なんか日本みたいだ。つーかどこも似たようなもんですか。

なんか考え出すと妄想が広がって収拾が付かずキリが無いんで、この辺でヤメ。

さて、良い夢でも見て明日の心地よい寝覚めに期待しよう。
ま、なんとかなるんでしょう。

追記:
なんとかスト継続は回避されたみたいです。妥協点は「ディーゼル税の50%返還」ってあたりみたい。とりあえず良かった良かった。依然として微妙な状況は変わらないものの。

いってきます/おじゃましました

いってきます/おじゃましました「おじゃましました」
なのか、
「行ってきます」
なのか。

なんとなく半々の心持でしたが、感傷に耽る暇も無く怒涛の長征。
無事チリに帰ってきました。
や、この「帰ってきた」って感覚がもうアレなんでしょうね。

なんかもう冬っすよサンティアゴ。雨降ってやがる。
とりあえず時差ボケ集中治療の必要性から、一日ずっと寝倒してました。

毎年訪日恒例行事、吉野家参拝あと毎年恒例行事である、訪日の際の吉野家詣も無事済ませてますよ。
毎度の居酒屋参詣にて一品小鉢料理を多々堪能することはもちろん、今回は吉野家(牛丼1回、特朝1回)に加えて、モスバーガーも参拝しております。ホットチリバーガー。おいしゅうございました。

相変わらず日本の居酒屋、小料理屋系はパラダイス。日本に生きる衆生は、身近に居酒屋が常に存在する僥倖に今一度歓喜せよ。まじ羨ましいんです。この点において日本が非常に名残惜しいっすねぇ。

いやしかし滞在時間と移動時間がどっこいどっこいってのは正直キツい。
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