先週一杯でIWC第60回年次総会@サンティアゴが無事終了ですよ。
当初懸念してた半日暴動とか大規模な抗議運動とかも殆ど目立たず、一応平和裏に終わったっぽいです。やれやれ。
ニュースとかでは一部環境保護NGOとかの活動で「日本出てけ!」みたいなシュプレヒコールが会場周辺であったみたいですけど、かわいらしい規模だったんで、安心。
つーか少なくともチリでこのテーマで大規模なデモを行なうには、一般市民への問題意識っつーか争点の周知が全然間に合ってないんで、難しかったんでしょうかね。
現時点では精々「クジラ可哀相!」以外に求心力がないですし。



んで、とりあえず一週間なんとなくこの会合の動きを眺めてましたが、なんとなく争点っつーか捕鯨問題の核みたいなのを理解できたんで、メモ的に纏めてみた。

陣容
捕鯨国
- 日本、ノルウェーとかのクジラを殺して喰う近代的産業捕鯨国
- カリブの島国とかアフリカの沿岸国とか、海洋資源を大国に掠め取られたくない、クジラを食うことには拘らない国々。
反捕鯨国
- オーストラリアとかヨーロッパとか、動物愛護とか大好き諸国。
その他
- なんで君がココにいんの?的国々。いろいろ事情はあるそうで。
あとデンマークみたいに、一応反捕鯨のEU陣ながらも捕鯨地域グリーンランドを擁してるんで、色々とややこしい国もあったり。

大前提 IWCは捕鯨産業の発達をスタート地点として発足
- 日本、ノルウェーなどの捕鯨国の考える「捕鯨産業の発達」とは即ち捕鯨産業の復活、持続的管理。
- 反捕鯨国の考える「発達」とはホエールウォッチとかの観光資源としての開発。非致死産業。

調査捕鯨
- 現状では科学的調査としてのデータは、致死捕鯨を行なっている日本が圧倒的に凄まじい情報量。
- 日本の調査捕鯨に対する評価は反捕鯨国も支持。でも「でも殺しちゃダメ」スタンス。
- クジラを殺さない調査捕鯨では得られるデータが不足。
- 反捕鯨国の捕鯨反対の論拠となるデータも、日本の調査捕鯨を基にしてるものがあったり、非致死調査の根拠の薄いものであったり。

沿岸捕鯨、先住民生存捕鯨について
- 日本とかは沿岸捕鯨を再開したい。凄くしたい。
- 反捕鯨国は「絶対ダメ」。
- じゃぁなんでアラスカとか一部地域海域で先住民生存捕鯨とかいう名目で捕鯨認めてんの? by 日本とか。
- あれは先住民の伝統的な産業っつーか文化だし云々。 by 反捕鯨国
- いやいや、俺らのも十分文化的だし、絶滅危惧種を獲ったりしないぜ? by 日本とか。
- んー、まぁ、ねぇ?
- デンマークとかが色々と紛糾。

日本の狙い
- IWC自体が機能不全。だって捕鯨国と反捕鯨国の論点が交わらないし。意味ないじゃん。
- だったら別のプランを考えようよ。
-- プラン1: 個々の論点を争っても原則論でニッチもサッチも行かないんで、いろんな争点をパッケージで議論しようぜ?
⇒ 色々争議中。
-- プラン2: IWC自体を正常化っつーか、ちゃんと機能するように、小委員会を作ろうぜ?
⇒ 一応その方向で合意。次回ポルトガル総会へ期待。

とりあえず、昔の国際連盟の会場を颯爽と後にする松岡洋右日本全権大使みたいな、サンティアゴSheratonを飛び出す日本森本代表、みたいな画にはならなくて良かった。
つーか構図的には、オージー、ニュージーと欧米の反捕鯨連合がリットン調査団っぽいな。すると捕鯨は満州利権みたいな。実態は全然違うんだろうけど。

なんしか、そういうわけで無事終了っす。