October 05, 2007
★米シティが日興CGを「三角合併」方式の株式交換で完全子会社化に
米シティグループは、10月2日に、既に67.2%の株式を保有する日興コーディアルグループの残りの株式を、来年1月に株式交換によりすべて取得して、日興を完全子会社化すると発表した。
今回の株式交換では、シティ以外の日興の株主が保有する株式のすべてを、シティの日本における子会社の「シティグループ・ジャパン・ホールディングス」に移転し、シティ以外の株主には、その対価として、親会社のシティ株式を交付するという「三角合併」の手法が採り入れられているため、今年の5月1日に組織再編行為の対価の柔軟化が解禁されて以来、「三角合併」方式の組織再編行為の初の事例ということになる。
今回の株式交換の規模は5300億円程度になる見通しだが、サブプライムローン問題で業績が悪化しているシティは、多額の現金の流出を避けて迅速に完全子会社化が実現できる手法として株式交換を選択したとみられる。
シティを除く日興の株主には、今春に日興が子会社化された際のTOB(株式公開買い付け)で設定された価格と同じ1株あたり1700円のシティ株が交付されるが、株式交換に反対の株主は、日興に対して株式買取請求を行うこともできる。
なお、日興がシティの100%子会社になった場合、各証券取引所では上場廃止となるが、現在シティは東京証券取引所に上場を申請しており、早ければ年内にも上場が認められる見通しのため、シティ株の交付を受ける日興の株主は、直接、東証でシティ株の売買を行うことも可能になる。
日興は、2006年12月に不正な利益の水増しによる会計処理が発覚し、東証などでは同社株が上場廃止の可能性もあるとして監理ポストに割り当てられるなどの結果を招き、当時の社長や会長らが引責辞任して顧客離れが起きたことから、信用補完のために、TOBでシティの傘下に入ったという経緯がある。
一方、シティは、2004年に富裕層向け部門による違法行為により金融庁から行政処分を受け、同部門が日本から撤退していたため、日本での事業拡大が課題となっていた。
今回、日興を完全子会社することで、シティは、日本国内のシティバンク銀行の支店数を現在の約30店舗から数年間で倍増するなど事業拡大を本格化する方針で、日興の110支店と合わせると、販売網は全国に広がって、大手金融グループに次ぐ規模となる。
世界最大級の金融グループである米シティが「三角合併」方式を活用したM&Aを行うことにより、今後、外資の同手法による日本企業買収が続く可能性もあるといえよう。
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今回の株式交換では、シティ以外の日興の株主が保有する株式のすべてを、シティの日本における子会社の「シティグループ・ジャパン・ホールディングス」に移転し、シティ以外の株主には、その対価として、親会社のシティ株式を交付するという「三角合併」の手法が採り入れられているため、今年の5月1日に組織再編行為の対価の柔軟化が解禁されて以来、「三角合併」方式の組織再編行為の初の事例ということになる。
今回の株式交換の規模は5300億円程度になる見通しだが、サブプライムローン問題で業績が悪化しているシティは、多額の現金の流出を避けて迅速に完全子会社化が実現できる手法として株式交換を選択したとみられる。
シティを除く日興の株主には、今春に日興が子会社化された際のTOB(株式公開買い付け)で設定された価格と同じ1株あたり1700円のシティ株が交付されるが、株式交換に反対の株主は、日興に対して株式買取請求を行うこともできる。
なお、日興がシティの100%子会社になった場合、各証券取引所では上場廃止となるが、現在シティは東京証券取引所に上場を申請しており、早ければ年内にも上場が認められる見通しのため、シティ株の交付を受ける日興の株主は、直接、東証でシティ株の売買を行うことも可能になる。
日興は、2006年12月に不正な利益の水増しによる会計処理が発覚し、東証などでは同社株が上場廃止の可能性もあるとして監理ポストに割り当てられるなどの結果を招き、当時の社長や会長らが引責辞任して顧客離れが起きたことから、信用補完のために、TOBでシティの傘下に入ったという経緯がある。
一方、シティは、2004年に富裕層向け部門による違法行為により金融庁から行政処分を受け、同部門が日本から撤退していたため、日本での事業拡大が課題となっていた。
今回、日興を完全子会社することで、シティは、日本国内のシティバンク銀行の支店数を現在の約30店舗から数年間で倍増するなど事業拡大を本格化する方針で、日興の110支店と合わせると、販売網は全国に広がって、大手金融グループに次ぐ規模となる。
世界最大級の金融グループである米シティが「三角合併」方式を活用したM&Aを行うことにより、今後、外資の同手法による日本企業買収が続く可能性もあるといえよう。
September 23, 2007
★足利銀行の受け皿選定が最終段階に突入
2003年に経営破綻し、預金保険法102条第1項3号に基づく措置により、一時国有化されて「特別危機管理銀行」となっている足利銀行の受け皿となる売却先の選定について、9月20日に金融庁は、最終段階となる第3次選定に入る方針を固めた。
そのため、早ければ、今年度内にも足利銀行の受け皿が決まる見通しとなった。
足利銀行の買収に名乗りを上げているのは、横浜銀行を中心とした地銀連合、栃木銀行と大和証券SMBCとの連合、野村証券グループ、みずほグループ系の投資ファンド、外資系投資ファンドのローンスターなどだが、地元では外資への抵抗が強いため、金融庁では地元の意向も踏まえて、国内勢を中心として最終選定に入る方向で調整を進めている。
足利銀行の受け皿となるには、現在国が保有している同行の株式を買い戻したうえで、安定的に銀行経営を行うために必要な自己資本を積む必要があるが、足利銀行の収益力や資産規模を考慮すると、総額で3000億円から4000億円程度の拠出が必要とみられている。
また、足利銀行株の買取価格については、債務超過に陥っている足利銀行に対して国がどの程度の負担金を拠出するかが重要な要素となるため、渡辺喜美金融担当大臣も「国民負担の極少化が具体的な受け皿選びの条件の一つとなる」と述べている。
ところで足利銀行といえば、バブル期に、よみうりランドのアシカと小田茜を共演させた「アシカが、よろしく。」のテレビCMで一躍有名となり、鬼怒川温泉や那須高原のゴルフ場といった地元観光業をはじめ、東京など県外への融資や系列ノンバンクによる不動産担保融資などを積極的に行って、当時は「地銀の雄」などともてはやされていた。
しかし、その融資実態は、融資審査を十分に行わない過剰融資に他ならなかったため、バブル崩壊により不良債権が増加して、総額1350億円の公的資金の投入を受けたものの経営破綻という結果を招いた。
当時、北朝鮮への送金の窓口となっていたことも、足利銀行のイメージを悪くしたといわれている。
また、経営破綻に至るまでの粉飾決算を見過ごしたとして、中央青山監査法人(当時)の責任も問われる結果となった。
足利銀行は、栃木県内での融資シェアの5割を占め、預金量でも県内の金融機関全体の4割にものぼり、栃木県の金融や経済に極めて大きな影響力を有しているため、その売却先となる受け皿に今後注目される。
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そのため、早ければ、今年度内にも足利銀行の受け皿が決まる見通しとなった。
足利銀行の買収に名乗りを上げているのは、横浜銀行を中心とした地銀連合、栃木銀行と大和証券SMBCとの連合、野村証券グループ、みずほグループ系の投資ファンド、外資系投資ファンドのローンスターなどだが、地元では外資への抵抗が強いため、金融庁では地元の意向も踏まえて、国内勢を中心として最終選定に入る方向で調整を進めている。
足利銀行の受け皿となるには、現在国が保有している同行の株式を買い戻したうえで、安定的に銀行経営を行うために必要な自己資本を積む必要があるが、足利銀行の収益力や資産規模を考慮すると、総額で3000億円から4000億円程度の拠出が必要とみられている。
また、足利銀行株の買取価格については、債務超過に陥っている足利銀行に対して国がどの程度の負担金を拠出するかが重要な要素となるため、渡辺喜美金融担当大臣も「国民負担の極少化が具体的な受け皿選びの条件の一つとなる」と述べている。
ところで足利銀行といえば、バブル期に、よみうりランドのアシカと小田茜を共演させた「アシカが、よろしく。」のテレビCMで一躍有名となり、鬼怒川温泉や那須高原のゴルフ場といった地元観光業をはじめ、東京など県外への融資や系列ノンバンクによる不動産担保融資などを積極的に行って、当時は「地銀の雄」などともてはやされていた。
しかし、その融資実態は、融資審査を十分に行わない過剰融資に他ならなかったため、バブル崩壊により不良債権が増加して、総額1350億円の公的資金の投入を受けたものの経営破綻という結果を招いた。
当時、北朝鮮への送金の窓口となっていたことも、足利銀行のイメージを悪くしたといわれている。
また、経営破綻に至るまでの粉飾決算を見過ごしたとして、中央青山監査法人(当時)の責任も問われる結果となった。
足利銀行は、栃木県内での融資シェアの5割を占め、預金量でも県内の金融機関全体の4割にものぼり、栃木県の金融や経済に極めて大きな影響力を有しているため、その売却先となる受け皿に今後注目される。
September 22, 2007
★米ファイザー社の中央研究所がEBOによる企業買収で独立へ
製薬世界最大手である米ファイザー社の愛知県武豊町にある中央研究所が、来年4月にも、研究者たちのEBO(Employee Buy-Out 従業員買収)による事業買収で、ベンチャー企業として独立する見通しとなった。
これは、米ファイザー本社が、業績不振のために、同研究所を含む世界5ヶ所の研究拠点の閉鎖を決めたためだが、米本社も、閉鎖に伴う混乱や雇用不安などを回避するため、中央研究所の独立を容認する方向だ。
中央研究所は、1985年に設立されて消化器分野や鎮痛剤の基礎研究などを担当してきたが、在籍する約380人の研究者のうち80人程が新会社設立に参画する見通しで、所長の長久厚氏を社長にする方向で調整中が進められている。
今後、ファンドから運転資金の3年分に当る100億円程を調達する計画で、年内にも、米ファイザー本社が保有する新薬候補物質の中から譲渡を受ける品目や条件などを決める予定で、米本社が資本参加する可能性もあるという。
ベンチャー企業としての独立後は、消化器分野などの有望な新薬候補物質を探して国内外の製薬会社にライセンス供与することで収入を確保していくが、事業が軌道に乗った後は株式上場も視野に入れている。
EBO(Employee Buy-Out 従業員買収)は、村上ファンドが、松坂屋とその従業員に対して提案したといわれているが、日本ではまだ例は少ない。
本来、従業員は、勤務先との雇用契約により業務に従事し、勤務先の所有や経営には関与しないのが通常だが、その従業員が、自己資金や借り入れなどにより株式等を取得して経営に参加する企業買収の形態がEBOで、EBOを行った従業員にとっては、自らが向上させた企業価値に対して、所有者(株主)としてリターン(配当)を得ることが可能になる。
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これは、米ファイザー本社が、業績不振のために、同研究所を含む世界5ヶ所の研究拠点の閉鎖を決めたためだが、米本社も、閉鎖に伴う混乱や雇用不安などを回避するため、中央研究所の独立を容認する方向だ。
中央研究所は、1985年に設立されて消化器分野や鎮痛剤の基礎研究などを担当してきたが、在籍する約380人の研究者のうち80人程が新会社設立に参画する見通しで、所長の長久厚氏を社長にする方向で調整中が進められている。
今後、ファンドから運転資金の3年分に当る100億円程を調達する計画で、年内にも、米ファイザー本社が保有する新薬候補物質の中から譲渡を受ける品目や条件などを決める予定で、米本社が資本参加する可能性もあるという。
ベンチャー企業としての独立後は、消化器分野などの有望な新薬候補物質を探して国内外の製薬会社にライセンス供与することで収入を確保していくが、事業が軌道に乗った後は株式上場も視野に入れている。
EBO(Employee Buy-Out 従業員買収)は、村上ファンドが、松坂屋とその従業員に対して提案したといわれているが、日本ではまだ例は少ない。
本来、従業員は、勤務先との雇用契約により業務に従事し、勤務先の所有や経営には関与しないのが通常だが、その従業員が、自己資金や借り入れなどにより株式等を取得して経営に参加する企業買収の形態がEBOで、EBOを行った従業員にとっては、自らが向上させた企業価値に対して、所有者(株主)としてリターン(配当)を得ることが可能になる。

