最近、みーにんさん、nisiさん、とつげき東北さんという著名な麻雀研究者3人による研究組織、麻雀数理研究会が発足されました。

麻雀数理研究会

詳細については上記リンクからどうぞ。

書籍等で広く使われ、一般の方の目に特に触れる機会の多い研究、という意味においてもっとも多くの麻雀研究をされている3人が会員となることで、主にマネタイズの部分等を組織的に管理するための会、ということですね。

私自身、書籍においても、また1人のプレイヤーとしても、この3人の研究には非常に助けられておりますし、またプライベートにおいても交流を持たせていただき、大変お世話になっています。
麻雀研究をさらに発展させるという意味でも、やはり相応のリターンを受け取ってほしいなと思います。
(私は何度も無償でデータを使わせていただいているのでそんな立場で何を言ってるんだという感じもしますが、それもふまえてこれからはしっかりと報酬をお支払いした上でお互いの利益になる関係を築けたら良いなと思ってます。)

で、代表を務められるみーにんさんのnoteでこんな話題が


麻雀数理研究会への入会条件に関する私見



この質問への回答で、簡単に言うと「麻雀数理研究会に入会できるのは数理的麻雀研究ができる人であるのが条件」ということでした。

そりゃそうだ、っていう話ではあるのですが、質問者の方の考えもわからんでもないので私の所見をブログにしてみようと思います。


記事内で麻雀数理研究会の目的は

麻雀について数理的観点から調査・研究し、その結果を公開することで、麻雀文化の発展・向上を図ること

とされています。
この目的を達成するためには、実際の研究者の他にも

・プレイヤーの視点からデータに関するディベートができる人材
・生まれたデータを一般のプレイヤーが使えるように分析するアナリスト
・そうして生まれたデータや戦術論を広く発信するクリエイターやインフルエンサー

といった役割が必要であると考えることできます。

現状は御三方がこれらの役割もこなしているような状態ですが、それぞれの役割をより専門的にやっている人と手を組んだ方がより目的を達成しやすいんじゃないの?

ってのがこの質問者の方の考えだと感じました。

この考え自体は同意できますし、またその役割の中に私の名前を挙げていただいているのは大変光栄です。

しかしながら

それら全ての役割を麻雀数理研究会という1つの組織だけで賄おうっていうのは違うんじゃないの?

ってのが私の考えで、みーにんさんの回答もそういうことだと理解しています。

麻雀数理研究会はあくまで研究者の組織。
そこに対して、プロの方々や天鳳のトッププレーヤーが(価値のある)疑問を投げかけディベートをする。
私や福地先生のようなクリエイターが、戦術論として世に広げる。


これいいんじゃないのかなって。
一つの会社で全部賄うより、それぞれ専門分野をもつ会社やフリーランスが業務提携して1つのサービスを作るようなイメージ。

ちょっとわかりづらいかもしれないんですが

「麻雀数理研究会の中にプレイヤーもクリエイターも必要でしょ」

って考えは

「数理研究会の外側の僕らは研究の中身には興味ない(結論として出てくる戦術論には興味ある人もいる)よ」

って言ってるような感じがして、それは問題だな、って私は感じるんですよ。

もちろん、興味ない人は興味ないで良い(そもそも麻雀は娯楽だからね)んですけど、「本気で強くなりたい人」とか、「仕事として麻雀を扱ってる人」とかは、数理研究会に属してなくてもある程度のリテラシーを持っておくべきでしょ、ってのが私の考えです。

例えば「場況によるって回答は逃げだ」っていう主張があります。
もちろん言いたいことはわかるし一理あるとも思うんですが

一方で場況を加味した判断に対して「データがあるから」って答えは答えになってないとも思うんです。

例えばピンフドラ1を場況や点数状況判断からダマにした局面があったとしましょう。

平面的にリーチが得だなんてことは百も承知でダマにしてるわけです。

これはすなわち

「この状況というのはデータの前提となっている状況とは大きく乖離するんじゃないですか?」

という質問です。

それを否決したいのであれば答え方は

「いや前提となる状況以上にダマ有利となる要素は見当たらない」



「確かにダマ有利となる要素はあるが判断が覆るほどの大きな影響はない」

のどちらかであるべきでしょ。

日本人は米が主食です、というデータがある。

それに対して「この町は外国人が多いからパン食べてる人も多いんじゃないの?」って聞いてるのに

「いやいや日本人は米が主食ですってデータあるんだよ」って答えたら

会話成立してないでしょ。

そこは

「確かにそうかもしれないね」

とか

「そうはいっても半分以上は日本人が住んでるんだから結局米食べてる人の方が多いでしょ。外国人だって日本の生活長かったら米食べるだろうしさ」

みたいな。それが会話のキャッチボールじゃないですか。
データを出すことはできなくてもデータを使った会話のキャッチボールはできるべきだろうと思うし、それって雀力の問題も多少はあるけど基本的に理科のリテラシーの話だと思うんですよね。

私が実家に帰るとおばあちゃんがよく

「魚を食べると頭がよくなるんだぞ!仕事できるようになるぞ!」

って言ってきます。
私のことを思っていってくれるありがたくて微笑ましい言葉ではあるんですが、さすがにそれはドコサヘキサエン酸の力を過信しすぎだよおばあちゃん。

ドコサヘキサエン酸(DHA)という青魚に多く含まれる必須脂肪酸は、認知症の予防等に効果があるというデータがでている一方で「そんな意味なくね?」って論文もあり、評価は定まっていない、というのが一般的な理解のようです。

「認知症に効果がある」「効果はない」「リーチが良い」「ダマが良い」。データを使っても両方の知見が生まれうるものにおいて、メディアが片方だけを取り上げることはよくあります。
それをみて、その片方だけを真実だと思い込む。果ては「頭が良くなる」という拡大解釈まで生まれる。

なんだかなーという気がしてしまいます。

まあ青魚は食べて悪いことはないんで、このおばあちゃんの言葉なんてのはなんの問題もないわけで、ありがたくうけとって私はサンマやイワシを口に運ぶわけですが、麻雀は、本気で強くなりたいと思ってる人にとっての麻雀は、そういうことじゃないんじゃないかなーと思ってしまいます。

社会ってのはそういうもんだよって言われたらそういうもんなのかもしれませんが

私は「麻雀数理研究会に属していない」「数理的な研究者ではない」人間という立場を活かしながら「麻雀文化の発展・向上を図ること」という目的に寄与できるコンテンツを作っていけたら良いなと思っています。

偉そうに言ってはいますが私だって理解していないことだらけなので、日々勉強しながら、それをコンテンツ作成に活かしていきたいですね。