先日のMリーグで、錯チー(本来チーできない形でチー)がありました。

この裁定は結構難しく、TLでも話題になってたのでちょっと思うところを書いてみたいと思います。

まず、麻雀のルールというのは基本的にはその場の決めがすべてであり、決めが無い場合は裁定権を持つ人の判断がすべてです。

そしてMリーグはまだ1年目。
なので今回の出来事に対してどうするべきだった、という話ではなく、こうする方がより理想的なMリーグになるんじゃないか、という私の考えということで受け取っていただければ幸いです。


この問題については多くの論点があります。

1.打牌完了前の晒し間違えと見せ牌の違い(定義)はどこにあるのか?
2.晒し間違えであるとした場合、チーを成立とみなすか不成立とみなすか
3.その場合のプレイヤーに対するペナルティは?

実際に今回とられた裁定は
1.牌を倒した時点で打牌完了前であっても晒し間違えとする
2.晒し間違えた時点でチーは成立とみなす(間違った晒し形で鳴いたものとして続行)
3.和了放棄

それぞれ語りたいことはあるんですがTLを見てると主に皆さん違和感を感じているのは2のようですね。

確かに間違った晒し形でチーが「成立する」ものだと考えると、どんな牌を切られても適当な牌を2枚消費することで一発を消したり海底をズラしたりできるということになります。

もちろんそんなことする人はいません。
それはわかります。

ただ「そういうことが考えられるルールはどうなんだ」ということですね。
例えば
【画像】優勝者5000万円の麻雀大会でとんでもない反則技するやつが現れるwwwwww

こちらの掲示板だと「こんな裏技があるのか」みたいに言う人も結構いるわけです。
もちろんこういうこと言う人は普段麻雀の放送なんて見てない人たちだと思います。

けれど、そういうあまり麻雀をやらない人や、普段放送を見ない人にこのコンテンツを届けるのも、Mリーグの重要なテーマの1つだと(運営されてる方々も選手の皆さんもおそらくそう考えていると)思うんです。

この問題に限らず、麻雀というのはモラルや倫理的な観点に任せ、ルールに明記されていない事象がよくあります。

けれど、モラルとか、倫理観というのはその人の持つバックグラウンド、すなわち環境や文化によって多様の捉え方をされるものです。

競技によっては「ルールの中で最大限できることをやる」のがむしろ「かっこいい」「さすがプロだ」と言われる世界もある。

逆に「もろひっかけリーチは汚い」とか「オーラスにアガラスするなんて素人か」なんてのも、そう言ってる人たちにとってはモラルです。

結局モラルや倫理観というのは人それぞれ微妙に線引きが違う。

ましてやMリーグはオリンピックを目指しているんですよね。

オリンピック競技にするというのはすなわち

あらゆる環境、文化、宗教の中で育った多様な倫理観を持つ選手同士が公正に戦える競技にする

ということではないでしょうか。
そう考えたときに「ルールで明文化しなくてもモラル的にそんなことはしない」という理屈は、少しお粗末だと思います。

じゃあMリーグのルールがダメなのかというと、それも違うんですよね。

Mリーグには「審判制度」があります。

先ほども書いた通り、麻雀のルールの中には明文化するのが困難である程度モラルに任されている部分が存在します。
そして実際問題としてすべてを厳密に明文化するのが難しい側面もあるでしょう。

例えば「故意の晒し間違えは認めない」と明文化したら「どうやって故意かどうかを定義するんだ」という話になります。

そこで「審判が故意と認めたものは故意だ」と定義することによって、ルールとして成立させるわけで、これはいたって合理的だと思います。

Mリーグでは審判制度があるので、審判が自らの責任の下で「これは故意とは認められないため、規定に則ってチーは成立したうえで和了放棄とする」と表明するプロセスを踏む(省略してもいいけどそのプロセスがあることが周知されている)のならば問題ないと思います。

したがって今回の件は(煮え切らない説明とかに不満は感じるものの)、起きた事実としては特に問題ないかな~というのが私の感想です。

ただこの理屈が成立するのは審判制度がしっかり機能しているという前提の話です。
見せ牌や強打など、TLでは「当初発表されたルール内容と逸脱するのではないか」と話題になっている場面が散見されます。
判断はどちらでも良いので、審判が自らの責任によってこれはこっちです、と裁定しているところを見せれば、今後も起こりうる各種の問題にも対応しやすくなると思うんですけどどうですかね。

ある意味で「審判の判断に委ねる」というのは最強の明文化(もちろん誤審問題など責任がつきまとうけど)とも言えるので、その理は生かせる方が良いと思います。

晒し間違えにせよ少牌にせよ、ずっと続けてれば必ず起きる事象じゃないですか。
今回朝倉プロはTwitterですごく謝られていて、少し気の毒にも感じてしまいます。

細かく明文化されたルールというのはねちねちと選手を縛り付けるものではなく、むしろ
「ルールに則ってペナルティを受けたのだから選手にそれ以上の責任はないぞ」
と言って、選手を守ってくれる存在だと思っています。