「こまりちゃん、そのお願い事、叶えてみせる」(棗鈴)
最後に屋上で鈴の前こまりんが出てくる所は泣いた・゚・(ノД`)・゚・
なんで初回版パッケージや各種キービジュアルは鈴&小毬のダブルヒロインみたいになってるのか?メインヒロインは鈴で、小毬はその他のヒロインと同格の単純にルート攻略できる一ヒロインに過ぎないんじゃないのか?という疑問を少なからず抱いてたんだけど、最後の最後に解消。やはり、こまりんもメインヒロインだった。最後の、本当に最後のキーパーソン。
個別ルートは修学旅行中のバス事故で皆が死んでしまうという「過酷」な現実を経ても理樹と鈴が生きていけるようにと、理樹と鈴が強くなれるように恭介達がくり返していた虚構の世界に過ぎなかった。そんな虚構の世界が崩壊する最後の最後、現実への帰還の間際、他のどのキャラがいなくなっても、最後にこまりんだけが屋上で鈴を待っている。
どうして個別ヒロインはルートをクリアしてしまうと他のヒロインの個別ルートには出られなくなるのに、小毬だけは出てくることができたのか?鈴ルートで鈴が転校した時、理樹の他にどうして小毬だけが鈴と携帯が繋がっていたのか?全ては、ここで最後に鈴の前に現れるほど、一番深く鈴と友情を結んだのがこまりんだったから。こまりんは、新リトルバスターズにて新しく鈴が築いた人間関係の象徴。初期リトルバスターズの想いは虚構世界の終わりに理樹に届けられた、そして、新規リトルバスターズ組の想いを代表して、鈴と理樹がどうしようもない過酷な現実へと向かう中、最後の最後のカードがこまりんから鈴へ託される。それは、理樹ですら知らなかった、小毬と鈴の約束。最後の伏線、小毬の願い星の髪飾り。
最後に残っていた二つ目の願い星で、
「お願い事、ひとつ、りんちゃんもちゃんと笑っていられますように」(神北小毬)
を願うこまりん。
もちろん、小毬ルートで小毬が獲得した、「悲しいことがあっても最後まで笑ってる」を、幼少時に兄を亡くした過酷を背負っていた小毬が、これから皆の死という過酷を背負う鈴に向けて「ともだち」として送った願い。
ここまでで、ラストシーンは現実に帰還した鈴と理樹が、虚構の世界から託された小毬の願いに守られて、皆が死んで悲しくても、それでも笑っているというラストなのかもと思ったんだけど、そこから最後の逆転が決まるのが泣けた。
先に説明しておくと、「修学旅行」はバッドエンド前とトゥルーエンド前と二回出てきますが、一回目のバッドエンドVerはまだ恭介の作りだしている虚構で、こうなるけどいいな?と理樹と鈴に恭介が説いてる部分で、最後のトゥルーエンド前の二回目の方が、本当の本当の現実。この辺りは、美魚ルートで竹本健治『匣の中の失楽』をキー作品に使って、ルートのストーリーとしても虚構と現実の判別しづらさ(どっちが虚構でどっちが現実なのか分かりづらい)を前もって提示していた所から繋がっている、ちょっとした最後の仕掛けだと思われます(最初の「修学旅行」の方がまだ虚構で二回目の方が現実なのは、ちなみに「パーフェクトビジュアルファンブック」内で麻枝さんも言及済み)。
それを踏まえた上で、最後の理樹と鈴だけが生き残る「修学旅行」の虚構を理樹と鈴が見た後に、
…いいよな、これで?
の恭介の問いかけが挿入。選択肢「よくない」が登場。
何が不服だ?
と、問いかける恭介に対して、
みんながいない。
と答える理樹。もう一度虚構世界に飛んで、ナルコレプシーさえ克服すれば皆を助けられるかもしれないという可能性を示す理樹に対して、それでも鈴がいては無理だと諭す恭介。そこに……
あたしも、強くなる。
の鈴の言葉が挿入。
鈴と理樹で作り出される、本当に最後の虚構世界。
ここで、鈴が口にする、
「こまりちゃん、そのお願い事、叶えてみせる」(棗鈴)
ここで泣いた。まじできた。
鈴が「願い星」と一緒に最後にこまりんから受けとったのは、「悲しいことがあっても笑っていられる」だけではなくて、小毬ルートからずっと描かれてきた、こまりんの悲しい物語をハッピーエンドに改変する意志。小毬ルートの意味が、最後に爆発。やはりこまりんもメインヒロインだった。というか、やはり小毬と鈴でダブルヒロインだった。小毬→鈴へのこの意志の継承が最後の最後の切り札に。ハッピーエンドに改変された「フランダースの犬」の映画版を、それは誰かが誰かの幸せを願ったことだからと肯定していたこまりん。ずっとずっと、ハッピーエンドの改変童話を描き続けていたこまりん(時にそれがクドルートなどで本当に人に勇気を与えてきた)。それを、最後の最後に、鈴がこまりんから継承。この悲しい物語で終わるハズだった虚構世界のリトルバスターズ!という物語を、ハッピーエンドに改変するために、あれだけダメダメだった鈴がついに意志を見せる。
そして訪れる、理樹のナルコレプシーの克服。生きることは失うことでも、それ以上に誰かと出会える。それは本当に楽しいことだったから、だとしたらまた僕は生まれたい。出生以前まで遡ってナルコレプシーを克服した理樹と、悲しい物語を改変する意志を獲得した鈴が、ついに本当の現実世界の「修学旅行」へ。
そして成される、悲しい物語で幕を閉じるはずだった虚構世界のリトルバスターズ!という物語の、現実世界でのハッピーエンドへの改変。バカみたいな、本当にバカみたいなハッピーエンド。流れ出す、ハッピーエンドに改変されたオーラスVerリトルバスターズ!のテーマ。大団円。
10人の青春物語、理樹と鈴の成長物語、スタンダードに形容しようとおもえば無難なのはいくつも思い浮かぶけど、あえて、このお話は鈴と小毬の友情物語だろ!「やがてくる過酷」を、人付き合いが苦手だった鈴と、そんな彼女にできた最初の同性のともだちである、幸せスパイラルを願う少女こまりんの友情が凌駕するお話だよ。だから初回限定版のパッケージイラストは、夕日の中で同じ方向を見る鈴と小毬の絵でいいんだよ。
堪能した。本当に良かった。まる24時間一睡もしないでゲームに没頭というのは、4年弱前のCLANNAD以来だった。CLANNADと同様、僕の中に永遠に残る傑作。ほんとうにありがとう。
前回:棗鈴ルート/感想へ
最後に屋上で鈴の前こまりんが出てくる所は泣いた・゚・(ノД`)・゚・
なんで初回版パッケージや各種キービジュアルは鈴&小毬のダブルヒロインみたいになってるのか?メインヒロインは鈴で、小毬はその他のヒロインと同格の単純にルート攻略できる一ヒロインに過ぎないんじゃないのか?という疑問を少なからず抱いてたんだけど、最後の最後に解消。やはり、こまりんもメインヒロインだった。最後の、本当に最後のキーパーソン。
個別ルートは修学旅行中のバス事故で皆が死んでしまうという「過酷」な現実を経ても理樹と鈴が生きていけるようにと、理樹と鈴が強くなれるように恭介達がくり返していた虚構の世界に過ぎなかった。そんな虚構の世界が崩壊する最後の最後、現実への帰還の間際、他のどのキャラがいなくなっても、最後にこまりんだけが屋上で鈴を待っている。
どうして個別ヒロインはルートをクリアしてしまうと他のヒロインの個別ルートには出られなくなるのに、小毬だけは出てくることができたのか?鈴ルートで鈴が転校した時、理樹の他にどうして小毬だけが鈴と携帯が繋がっていたのか?全ては、ここで最後に鈴の前に現れるほど、一番深く鈴と友情を結んだのがこまりんだったから。こまりんは、新リトルバスターズにて新しく鈴が築いた人間関係の象徴。初期リトルバスターズの想いは虚構世界の終わりに理樹に届けられた、そして、新規リトルバスターズ組の想いを代表して、鈴と理樹がどうしようもない過酷な現実へと向かう中、最後の最後のカードがこまりんから鈴へ託される。それは、理樹ですら知らなかった、小毬と鈴の約束。最後の伏線、小毬の願い星の髪飾り。
最後に残っていた二つ目の願い星で、
「お願い事、ひとつ、りんちゃんもちゃんと笑っていられますように」(神北小毬)
を願うこまりん。
もちろん、小毬ルートで小毬が獲得した、「悲しいことがあっても最後まで笑ってる」を、幼少時に兄を亡くした過酷を背負っていた小毬が、これから皆の死という過酷を背負う鈴に向けて「ともだち」として送った願い。
ここまでで、ラストシーンは現実に帰還した鈴と理樹が、虚構の世界から託された小毬の願いに守られて、皆が死んで悲しくても、それでも笑っているというラストなのかもと思ったんだけど、そこから最後の逆転が決まるのが泣けた。
先に説明しておくと、「修学旅行」はバッドエンド前とトゥルーエンド前と二回出てきますが、一回目のバッドエンドVerはまだ恭介の作りだしている虚構で、こうなるけどいいな?と理樹と鈴に恭介が説いてる部分で、最後のトゥルーエンド前の二回目の方が、本当の本当の現実。この辺りは、美魚ルートで竹本健治『匣の中の失楽』をキー作品に使って、ルートのストーリーとしても虚構と現実の判別しづらさ(どっちが虚構でどっちが現実なのか分かりづらい)を前もって提示していた所から繋がっている、ちょっとした最後の仕掛けだと思われます(最初の「修学旅行」の方がまだ虚構で二回目の方が現実なのは、ちなみに「パーフェクトビジュアルファンブック」内で麻枝さんも言及済み)。
それを踏まえた上で、最後の理樹と鈴だけが生き残る「修学旅行」の虚構を理樹と鈴が見た後に、
…いいよな、これで?
の恭介の問いかけが挿入。選択肢「よくない」が登場。
何が不服だ?
と、問いかける恭介に対して、
みんながいない。
と答える理樹。もう一度虚構世界に飛んで、ナルコレプシーさえ克服すれば皆を助けられるかもしれないという可能性を示す理樹に対して、それでも鈴がいては無理だと諭す恭介。そこに……
あたしも、強くなる。
の鈴の言葉が挿入。
鈴と理樹で作り出される、本当に最後の虚構世界。
ここで、鈴が口にする、
「こまりちゃん、そのお願い事、叶えてみせる」(棗鈴)
ここで泣いた。まじできた。
鈴が「願い星」と一緒に最後にこまりんから受けとったのは、「悲しいことがあっても笑っていられる」だけではなくて、小毬ルートからずっと描かれてきた、こまりんの悲しい物語をハッピーエンドに改変する意志。小毬ルートの意味が、最後に爆発。やはりこまりんもメインヒロインだった。というか、やはり小毬と鈴でダブルヒロインだった。小毬→鈴へのこの意志の継承が最後の最後の切り札に。ハッピーエンドに改変された「フランダースの犬」の映画版を、それは誰かが誰かの幸せを願ったことだからと肯定していたこまりん。ずっとずっと、ハッピーエンドの改変童話を描き続けていたこまりん(時にそれがクドルートなどで本当に人に勇気を与えてきた)。それを、最後の最後に、鈴がこまりんから継承。この悲しい物語で終わるハズだった虚構世界のリトルバスターズ!という物語を、ハッピーエンドに改変するために、あれだけダメダメだった鈴がついに意志を見せる。
そして訪れる、理樹のナルコレプシーの克服。生きることは失うことでも、それ以上に誰かと出会える。それは本当に楽しいことだったから、だとしたらまた僕は生まれたい。出生以前まで遡ってナルコレプシーを克服した理樹と、悲しい物語を改変する意志を獲得した鈴が、ついに本当の現実世界の「修学旅行」へ。
そして成される、悲しい物語で幕を閉じるはずだった虚構世界のリトルバスターズ!という物語の、現実世界でのハッピーエンドへの改変。バカみたいな、本当にバカみたいなハッピーエンド。流れ出す、ハッピーエンドに改変されたオーラスVerリトルバスターズ!のテーマ。大団円。
10人の青春物語、理樹と鈴の成長物語、スタンダードに形容しようとおもえば無難なのはいくつも思い浮かぶけど、あえて、このお話は鈴と小毬の友情物語だろ!「やがてくる過酷」を、人付き合いが苦手だった鈴と、そんな彼女にできた最初の同性のともだちである、幸せスパイラルを願う少女こまりんの友情が凌駕するお話だよ。だから初回限定版のパッケージイラストは、夕日の中で同じ方向を見る鈴と小毬の絵でいいんだよ。
堪能した。本当に良かった。まる24時間一睡もしないでゲームに没頭というのは、4年弱前のCLANNAD以来だった。CLANNADと同様、僕の中に永遠に残る傑作。ほんとうにありがとう。
前回:棗鈴ルート/感想へ
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