細川良先生 昨年6月に成立したいわゆる「働き方改革」関連法案において、労働時間規制をめぐる改正と共に大きな注目を集め、また実務に対しても大きな影響を与えると考えられるのが、いわゆる「同一労働同一賃金」についての改正です。この改正をめぐっては、「同一労働同一賃金」という言葉が独り歩きをしているような印象を受けていますが、他方で、本来の改正の目的であるはずの、非正規労働者の処遇の改善をどうするのか、日本の賃金制度・人事管理システムにおいて「同一労働同一賃金」は実現可能なのか、といった基本的な問題が十分に解決されないままに見切り発車された印象を抱く人も少なくないのではないかと思います。

 そこで、本講座では、まず「同一労働同一賃金」の立法がなされる背景となった、日本における非正規労働者の処遇をめぐる問題状況や、しばしば引き合いに出される諸外国のシステムの問題を確認していきます。その上で、今後の実務的な対応を考える際に重要な参考となる、厚生労働省から示されているガイドライン等の内容を解きほぐし、近年の非正規労働者の処遇をめぐる裁判例のポイントを整理しながら、今後の実務対応のあり方について考えていきたいと思います。今年後半から2021年にかけ、人事管理における最大のテーマとなる同一労働同一賃金の問題に今後取り組むにあたって、その本質的な理解を深めるための講座と位置付けています。
コンサルティングスキルアップ講座【第37講】
同一労働同一賃金を本質的に理解する
~働き方改革最大のテーマへの対応を前に押さえておきたいポイントと制度見直しの進め方
講師:細川良氏 青山学院大学 法学部 教授(労働法)
「同一労働同一賃金」立法の背景にある「非正規労働者の処遇」をめぐる問題状況と、その改善についての議論状況
 「非正規労働者」と「正社員」との処遇の格差それ自体は、日本において、以前から存在していました。それがなぜ近年になって注目を集めるようになったのか。また、問題の解決のためには、本当に「同一労働同一賃金」という手法が妥当なのか、「同一労働同一賃金」法の立法過程における議論も含めて検討します。
「同一労働同一賃金」をめぐる諸外国のシステムと日本との差異
 今回の「同一労働同一賃金」立法の過程では、しばしば諸外国における制度が参照されていることが指摘され、日本でも同様の制度が成り立ちうるという声も聴かれます。しかし、本当にそう言えるのでしょうか。ここでは、「同一労働同一賃金」をめぐる諸外国のシステムと、日本における賃金システムとを比較して解説します。
パートタイム・有期雇用労働法および同一労働同一賃金ガイドラインの内容解説
 「同一労働同一賃金」の改正の是非は議論のあるところでしょうが、現に改正がなされた以上は、実務的な対応は必須です。そこで、同一労働同一賃金を定めたパートタイム・有期契約労働法の内容とともに、厚生労働省が示しているガイドラインが、何を定め、何を定めていないのか、整理しながらポイントを確認していきます。
裁判例からみる「同一労働同一賃金」のポイント
 今回の改正で導入された「同一労働同一賃金」は、条文の形式だけを見れば、2012年労働契約法改正から存在する労働契約法20条の「不合理な格差」の禁止と大きく変わりません。そして、この労働契約法20条をめぐっては、すでに少なくない裁判例が示されています。そこで、正社員と契約社員を比較したハマキョウレックス事件、正社員と定年後再雇用労働者を比較した長澤運輸事件の最高裁判決を中心に、裁判例における判断からわかる実務対応のポイントを確認します。

[開催会場および日時]
(1)東京会場
2019年8月9日(金)午後1時30分~午後4時30分 
 名南経営東京事務所 セミナールーム(神保町)
(2)名古屋会場
2019年10月8日(火)午後1時30分~午後4時30分
 名南経営本社 セミナールーム(名古屋)
(3)大阪会場
2019年10月7日(月)午後1時30分~午後4時30分
 エルおおさか(天満橋)
(4)福岡会場
2019年8月29日(木)午後1時30分~午後4時30分
 名南経営福岡事務所 セミナールーム(博多)

[講師プロフィール]
細川良氏
青山学院大学 法学部 教授(労働法)
 早稲田大学法学研究科博士後期課程満期退学、大東文化大学非常勤講師、武蔵大学非常勤講師等を経て2012年より現職。近年はフランスの集団的労働条件決定システムの研究のほか、解雇紛争処理制度、限定正社員の解雇事例、正規・非正規労働者の処遇のあり方、労働関係にかかる消滅時効、雇用類似の働き方等に関する日本の状況および日仏比較研究に従事。近著に『解雇ルールと紛争解決‐10か国の国際比較』、『現代先進諸国の労使関係システム』(以上はともに共著(「フランス」章を担当)・労働政策研究・研修機構発行)、「フランスにおける労働関係にかかる「時効」」労働法律旬報1906号(2018年)など。

[受講費用]
 コンサルティングスキルアップ講座はLCGメンバー限定講座です。特別会員のみなさまは1事務所2名様、正会員のみなさまは1事務所1名様については受講料無料となっております。当該人数以上参加の場合および準会員のみなさまは1名様あたり25,000円が必要となります。

[お申し込み]
 本講座はLCGメンバーのみなさま限定の講座となっております。メンバーのみなさまは専用サイトMyKomonよりお申し込みをお願いします。

日本人事労務コンサルタントグループの概要は以下をご覧下さい。
http://www.lcgjapan.com/
資料請求はこちらよりお願いします
http://www.lcgjapan.com/sr/contact.html

(大津章敬