融資型クラウドファンディング「LCレンディング」代表取締役社長の山中健司です。

 【承前】

 では、日本リテールファンド投資法人サイドから見てみるとどうなのか。

 同社のIRによると「競争環境の激化、あるいは周辺競合施設との比較におけるポジショニングの低下等により、将来収益性の低下が見込まれております…売却損は発生するものの…現時点で資産売却を図ることが最も適当との判断により譲渡を決定いたしました」ということです。

 分かりやすくいうと「このまま保有していてもジリ貧だし、ボロボロの状態でも買ってくれるというところがでてきたので、今、売ってしまった方がベター」ということでしょう。

 リートが保有資産を売却することは珍しいことではなく、総合的な観点から常に保有資産の入れ替えを念頭においています。

 資産の入れ替えに際しては当然ながら得することもあるし、損することもあります。
 買った値段よりも高く売れれば売却益が出るし、買った値段よりも安くしか売れないなら売却損が出るだけです。

 なお、日本リテールファンド投資法人は今回、岸和田で「53億円」の売却損失を出す一方で、同時に「57億円」の売却利益を出しています。
 同リートのIRによると、岸和田のディールと同時に「イオンモール東浦(愛知県)」・「寝屋川底地(大阪府)」を売却しています。
 この2物件合計の簿価は「81億円」ですが、今回「138億円」で売却しています。
 つまり「138億円-81億円=57億円」の売却益になるわけで、岸和田での53億円の損失をカバーしていることになります。
 http://www.jrf-reit.com/upd/ir_news/pdf/1608021600311906.pdf

 さらにこのような分かり易い資料も公開してくれていますので、ご興味のある方はご参考にしてみると良いかと思います。
 http://www.jrf-reit.com/upd/ir_news/pdf/1608021603311909.pdf

 我々もこのように詳細な情報開示をしたいのですが、当局の指導により融資型クラウドファンディングに関しては、詳細な情報開示が認められていません。なるべく早く現状の規制が緩和されることを願っています。