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ライブドアに物申す!書籍化決定! ライブドアに物申す!
書籍化担当者の編集日記 企画主旨・条件について livedoorメディアとしての考え方

2006年02月13日

山形 浩生さんより

評論家・翻訳家の山形 浩生さんよりご意見をいただきました。

以下、全文を掲載いたします。



Q1. 企業としてのライブドアについて

2004年末に SIGHT 誌の年末書評でライブドア親分(当時)の『儲かる会社の作り方』を読んで感想文を書いたときにも感じたことですが、『儲かる会社の作り方』という割には何をやって儲けているのかはっきりしない企業でした。ライブドアのトップページを見て、Yahoo! との恥知らずなまでのそっくりさ加減には卒倒するかと思ったくらい。ウェブの制作なんてそんな金になるとも思えず、ソフト販売も、ターボリナックスを売っていただくのは嬉しゅうございましたが、そんなに儲かるものとは思えなかったし、各種メディアで日本一とかキャッシュフローとか口走る割にはその根拠になっているものがはっきりしないで、名前だけが一人歩きしていた企業だと考えます。
 オン・ザ・エッヂ時代は、ぼくの連載していた HotWired を持っていたこともあり、多少は中身が見える感じではありました。また買収して名前をもらったライブドアも、最初の無料プロバイダというコンセプトは、ビジネスモデルがはっきり見えたし、それが短期的にはうまく行く可能性があるのははっきりしていました。でも両者がくっついて堀江ライブドアになってからは、そこらへんのビジネスモデルがまったくわからない。放送とネットの融合とか、何でもネットとか、言うことは勇ましいけれど結局アメリカの例などで決して大成功しているとは言い難いものばかり。そして実際の中身であった投資M&A中心の事業についてはなるべく触れずに、そのネット側のイメージだけで煽っては話題づくりをして、話題になった会社を裏で売買するという商売手法は、よく調べればわかるものではありますが、でも堀江が言っていたほどオープンではなかったのも事実。冒頭に挙げた書評対象の本では、抽選で株券をくれるという読者サービスがありましたが、あたったらすぐ売り払え、とその書評には書いておきました。それが結果的に本当になってしまったのは、まあ残念というかやっぱりというか。

Q2. 「ライブドア事件」について

どこまでが事件なのかというのもアレですが……。報道などを見る限り、会計処理などに問題があったのは事実のようですし、またガサ入れが入る前に売り抜けようとしたインサイダー的な売買もまずかった。
 ただしこの「事件」は、二つの部分にきっちり分ける必要があると思います:

1) 株式市場に関する部分
2) 社会的な評価の部分

 まず最初の株式市場的な部分です。株式市場を巡る部分では、ライブドアは粉飾会計や株式分割やM&Aで株価をつり上げてきた、として批判されています。明らかに投資家に対してウソをついている粉飾会計や風説の流布などがあったとすれば、それは問題ではあります。それが、株式分割や、ここでは触れていない派手なM&Aそのもので株価を「つり上げた」としてライブドアが石を投げられるのは、仕方ないとはいえ8割くらいかわいそうだと思っています。ライブドアのやり口には多少クリーンでないところもありましたが、結局はそれにだまされた連中がバカというだけだからです。

http://it.nikkei.co.jp/trend/column/opinion.aspx?i=20060208gc000gc&cp=1

前の質問の答えに、ネットビジネスと称して煽って話題を作り、それで話題になった企業を売買するという手法はオープンではなかった、と書きました。しかし一方で、投資をする人間は自分の金を仮にもつっこむんだから、そのくらいちゃんと調べて見極めるべきだった。見極められずにあっさり釣られ、それが破綻したときも、自分の見識のなさしか責めるものはないと思う。株価を本当につり上げたのはバカな投資家、きちんと中身も見ずに、メディアの露出度と雰囲気だけでライブドア株を買っていた連中でしかない。もちろん、バカだからってだましていいわけじゃないという意味ではアレですし、また証取法などでそういうのを規制することは正当なんですが、でも騒がれているほど大問題だとか人倫にもとることをしたという印象はまったくありません。多少お灸をすえるだけの話かと。

一方、社会的な部分についてです。上に書いた通り、これまではネット側でニュース性を煽って、M&Aのほうで儲けるというやり口を続けてきましたが、それが最悪の形で露呈してしまったのはご愁傷さま。世間的には、それでだまされたと感じる人もいて、そういう人々が義憤にかられるのも無理からぬことではあります。一般社会は、投資家ほど細かく企業の中身なんか見ている余裕も関心もないので、それは仕方ないことでしょうし、別にかれらがバカというわけでもないでしょう。東浩紀が『論座』三月号で、ホリエモンに夢を託すのは現実逃避だ、とかいうどうしようもない後出しじゃんけんも甚だしい駄文を書いていますが(いまの時点でかれに夢を託してる人なんかいないって)、これまでのメディアでの扱いを考えれば、別に現実逃避ではありませんでした。かれが濫造していた各種の著書で書いている、古い仕組みを変えて行こうという煽りの中身自体は、原理的には特にまちがっているわけではなく、具体性はなかったものの、かれ自身がそれを体現しているような印象はありましたから。それを結局は裏切ってしまった以上、世間的な風当たりは仕方ないとは思います。もう同じ形の商売はできなくなってしまったし、先行きはつらい感じかと存じます(とはいえのどもと過ぎればなんとやら、いずれまたちょっと手口を変えて似たようなものは出てくるでしょうが)。

Q3. 「堀江貴文」という人物について

 特に知り合いでもないのでことさら感想はありません。ただ上のような仕組みの中で、かれがどこまでまつりあげられただけの存在なのか、どこまで自覚的にやっていたのか、というあたりには興味がありますが、判断する材料もありませんので特にコメントはできません。



山形 浩生(やまがた ひろお)

評論家・翻訳家
1964生まれ。
YAMAGATA Hiroo: The Official Page

ウンコな議論

ld_opinion at 17:51│TrackBack(9)山形 浩生さん 

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