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ライブドアに物申す!書籍化決定! ライブドアに物申す!
書籍化担当者の編集日記 企画主旨・条件について livedoorメディアとしての考え方

2006年02月14日

歌田 明弘さんより

評論家・作家の歌田 明弘さんよりご意見をいただきました。

以下、全文を掲載いたします。



・会社「ライブドア」について

 これは、IT業界にはよく見られることかもしれないませんが、「量(数)は力だ」という考え方があまりに強くあるように思います。ブログに掲載した文章でも書いたことですけど、ライブドアのIDを持っていればアクセスできる「livedoor 株主コミュニティページ」(http://finance.livedoor.com/4753/)には、現在もこう書かれています。


「ライブドアグループでは、ポータルサイト『livedoor』を通じ、皆様に様々なサービスを提供させていただいておりますが、皆様が当社のサービスをお使いになると、その分当社の売上、利益がドンドン増えていきます。仮に株主の皆様(2005年9月末時点で約22万人)に当社の『livedoor Wireless』にご登録いただきますと当社の毎月売上が約1億円アップします」


 株主がその製品やソフトを買えば、売り上げが伸び、株主は儲かる、というのは確かですが、それをことさらにいう感覚は少々おかしいのではないでしょうか。会社の仕事によって売り上げが伸びて、結果として株主が儲かるというのが本来で、こうした形での「抱え込み」が健全なのかどうか。

 もちろん、こんどの事件がなければ、こうしたことは些細なことで、とくに目くじらを立てるようなことではないかもしれません。

 ただ、ライブドアのこれまでの仕事について見てきて、厳しいことを言えば、どうも(控えめに言って)「ちぐはぐ」な感じがすることが多いです。

 たとえばいま見ると、アンケートの各回答ページの末尾には書き手の著作の写真が載っていて、ライブドアのオンライン書店「livedoor ブックス」へのリンクになっていますね。
 これは、書き手の意図によるものでしょうか。それとも編集部によるものでしょうか(少なくとも私はお願いしていませんし、いくつか見たのには全部あったので編集部によるものだと思いますが)。
 こうしたリンクが編集部によるものだとすると、こんどの事件について(反省するよりも)、この機会にポータルサイトに人を集めて利益を上げようとしていると取られても仕方がないのではないでしょうか。
 何らかの収入なしではポータルサイトが維持できないということはわかりますが、こうしたやり方を、こうした企画においても歴然と取ることに強い懸念を覚えます。多くの人の意見を求めて、反省し、出直すために考えられた企画とはとても思えなくなります(細かいことを言えば、リンク程度ならともかく、本の写真まで出してレイアウトするというのは、これは、アクセスした人に書き手の情報を提供するという範囲を超えた「商品の陳列」のようなものではないかと思います)。
 こうしたやり方は、堀江さんも「社長日記」で、記事とからめて商品を宣伝し、連日のようにやっていましたね。
 このアンケートの「企画主旨」には、ライブドアのポータルサイトは、「ある種メディアとしての『公共性』を備えているものと考えて」いると書かれていますが、メディアを標榜するのだったら、メディアの公共性の部分と「儲けること」の境をきちんと取ることが必要だと思います。
 そうしたことに対する考慮が欠けていたために、堀江さんがメディアをにぎわせた行為も、その本来の意図がどこにあったにせよ、あらゆる行動が、株の上昇とかポータルサイトへの客集めのためと見られがちでした。

 さらに言えば、このアンケートの依頼のメールには、次のような文章が付いていました。


【取材・掲載にあたってのお約束】

[定義]
1.以下、本件情報とは、株式会社ライブドアが当該プロジェクトにおいて貴方に委託する際に発生する、全ての情報・業務・やりとりを指します。

[目的外使用の禁止]
2.本件情報(その複製物を含む)を本件開示目的以外に、使用または利用しません。
3.本件情報(その複製物を含む)が本件開示目的以外の目的に使用または利用されることを防止するために、必要な合理的措置を講じます。
4.本件情報(その複製物を含む)を本件開示目的以外の目的に使用または利用する場合は、書面による両者の事前の同意を得た場合に限定いたします。

[機密の保持]
5.本件情報は、書面による両者の事前の同意を得た場合を除いては、第三者に漏洩いたしません
6.本件情報は、書面による両者の事前の同意を得た場合を除いては、複製・撮影・持ち出しはいたしません。
7.本件情報は、委託業務が停止・終了したとき、及び掲載有効期間が終了したとき、又は廃棄または返還の請求があったときは、機密情報を直ちに廃棄し、返還するものといたします。
【以下略】


 おそらくこれは、依頼のときにはいつも付けている文章なのでしょうが、会社のやった行為について法律違反を問われているまさにそのときに、相手に「決まりを守れ」といわんばかりの(しかも意味不明の条項の多い)こうした文章を「アンケート」ぐらいのことに付けて送る必要がどこにあるのでしょうか。
 この文章は、書き手の権利を守るもののようにも見えますが、わざわざこうした文章がなければ、アンケートに答えない人はいないでしょうし、ライブドア側だけのことであれば、内規でこうしたことを守ればいいだけのことです。依頼のメールに書いてあるということは、書き手側に求めるものなのでしょう。

 いまライブドアにいる人のほとんどは事件に関係なく、困難な状況に巻きこまれた被害者の立場でもあると思うので、揚げ足取りみたいなことを言うのはほんとうはイヤですし、おもしろいこともやっている会社なので、いい方向に向かうといいと思い、あえて言わせていただければ、商品を売るやり方があまりにせこいし、また、それをすることにどういう意味があるのか、他人がどう見るかについての考えがたりないことも多いように思います。
 堀江さんがいるいないにかかわらず、基本的な考え方において、どこかおかしな歪みが会社のなかにあるのではないでしょうか。

 最後にいい面も書いておきますと、ネットの新しい動きがあったときに、さっと取り入れるスピードは、たしかにほかのポータルサイトよりまさっていたと思います(「未来検索」(ブログ検索)などはテクノラティの日本進出よりもはるかに前で、よくできていたと思いました)。
 こうした例で見ると、よく言われるように、「株が主な商品だった」だけではなくて、技術力もあったのだと思いますし、実際に社員の多くの方は、株以外の仕事を熱心にされていたのだと思います。
 儲けることと、それがどういう意味を持ち他人がどう見るかということのバランスを考えた上で、出直されることを期待します。

・「ライブドア事件」について

 これについては、ブログ「地球村の事件簿」に載せた文章であれこれ書き、またさらに書いている最中なので、それを見ていただければと思いますが、そこでも書いているように、基本的には、まだ堀江さんサイドの言い分がまったく明らかになっていないので、もう少し後にならないと何とも言えないところが多いと思います。

・「堀江貴文」という人物について

 堀江さんは、自分のやっていることは「株主のため」と言っていたのに、じつは決算を偽って株主をだましていたのかどうか、どこまでが意図的だったのかによって、見方は大きく変わると思います。意図的だったとしたら(そうでなくても多少は言えると思いますが)、意外に「文学的」な人だったのかもしれません(まあ、悪い意味で「文学的」ですが)。

 堀江さんは、外国特派員協会の署名のさいに「諸行無常」と書いていたとか、「失敗してもゼロより悪くはならない」と言っていたようですが、「人生はゲーム」「だめでもともと」のように思っていたところがあるのでしょう(そういう意味では「人生ゲーム」にうってつけのキャラクターだったのかもしれません)。

 人生はギャンブルだと思っていたのであれば、かなり無茶なことをやり、なおかつ、もし株主を含めて世間一般を欺いていたとしても、なぜなのか、それはそれで少しわかるような気もします。
 「諸行無常」と書いていた堀江さんは、(外国人記者向けの「受け」も意識したのかもしれませんが)こんなことがいつまでも続くとも思えなかったのでしょう。
 まあ、あれこれの小説(三島由紀夫の「青の時代」やフィッツジェラルドの「グレート・ギャッツビー」とか)の登場人物のような人生ともいえ、自分でもそのことを感じていたのかもしれません。そう考えると、これまであまり親近感が湧かなかったこの人に、少しは理解できるものがあったようにも思い始めています。

ブログ「地球村の事件簿」ライブドア事件について
http://blog.a-utada.com/chikyu/cat2648018/index.html



歌田 明弘(うただ あきひろ)

1958年生まれ
評論家・作家。
歌田明弘の『地球村の事件簿』

※アンケート回答者の意向により、このページでは、著書へのリンクは載せてお
りません。

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