Blog Start All Over

京都に住みながら複数の会社・チームでディレクターやチームマネージャーとしてお仕事をしています。

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2011年、たぶん東日本大震災のあとの東京での混乱が落ち着いてきた頃、当時の勤め先でのとある会議でのディスカッションがとても刺激的であったことを思い出しました。

その会議のテーマはざっくり言うと「ソーシャルダッシュボード」的なものでした。当時すでに市民権を得ていたTwitter、いよいよに存在感を増していたFacebook、純国産SNSのmixiの御三家はもちろん、モバイル時代の到来の波に乗ってネット上に大小さまざまな、「フォロー」「お友達」でユーザーアカウント同士がつながる「ソーシャルグラフ」が無秩序にに生まれていた2011年にあって、その会議では、ネットユーザーが自分が関わっている"ソーシャルネットワーク"を各SNSからは独立した場所で統合管理することの可能性について考えていました。また、「ID」「つながり」だけではなく行動履歴をも横断管理することでネット上での個人の「信用」の可視化もできるかもしれない、そんな可能性も話していたように記憶しています。

ただ結局はその会議から具体的なアウトプットを出すことは叶わなかったので、そのディスカッションは単なる思考実験に終わりました。

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この記事の読了時間:5分+実食15分

話題のヒットメーカー文春からこんな記事が公開されたのを見ました。

1番田中商店、2番渡なべ……美味しいラーメン屋で打線組んだ | 文春オンライン
http://bunshun.jp/articles/-/6126

ネットの定番ネタですね。「◯◯で打線組んでみた」。
この記事では3人のラーメン識者がオレオレ打線を披露していて、ふたりは麺都トーキョー近郊のお店が中心で、あとひとりが福岡純血チーム。いいですよねフクオカ、また行きたいです。

・・・ということで、京都をホームとする自分も、SNS越しに勝手に感じ取った期待を受けて、考えてみました!



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年末年始に読んだ本のレビューです。

思えば2017年は、AI(人工知能)という言葉がメディアに溢れるだけではなく、自分の生活・仕事においてもずいぶん身近になった1年でありました。

1年前なら「でーたいえんてぃすとって人気の職種でうらやましいな〜」とどこか他人事であったことが、気がつけば自分自身がAIベンチャーのマーケティングに関わったり、自宅にも職場にもGoogle HomeとAmazon Echoがあったりという環境に移り変わっていました。


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一見地味でもよく考えられているサービス愛のある機能やデザインが好物です。

先日からMediumの記事下についているRecommends ボタンが Claps(拍手)に変わっていました。

どんな風に動くかはこちらの記事のアニメGIFを見ていただくのが早いです。

Medium's new Claps reaction button lets you applaud authors you love
https://thenextweb.com/insider/2017/08/11/mediums-new-claps-reaction-button-lets-you-applaud-authors-you-love/#.tnw_6gT7oBMp

公式ではこの変化はとても慎ましくhelpページでアナウンスされていました。

Claps – Medium Support
https://help.medium.com/hc/en-us/articles/115011350967-Claps

機能的なことをざざっと日本語にするとこんな感じ。

■Fans(読者・要ログイン)
・読者が特定の記事を拍手すると読者のMediumのフォロワーおすすめされる※
・拍手は一人で何度でも押せる(連打ができる)
・最大連打数は50まで
・第三者は拍手した人は見れるけど、連打数は見れない
・拍手を取り消すこともできる

※おすすめされる確認ができてないけど、メールニュースか、Medium内通知でしょうか

■Author
・拍手されるとMedium内で通知される
・autherのみ連打数が見れる

■How it works
・おすすめ記事をリストアップする時に拍手数を参考にする
・特定の記事のあなたの拍手数が平均拍手数と比べて多いかどうかを評価する

■なんで作ったの?
・以前のRecommend ボタンがちょっとチープに感じたから。軽い短い記事でも読み応えのあるロングフォームの記事でも Recommend ボタンの重みはおなじになってしまう。


・・・という感じでなかなかに地味な機能追加ですね^ ^
IoTだ、VRだ、デジタルインスタレーションだ、に慣れているミレニアルでデジタルネイティブな男子女子にはあくびが出るようなボタンかもしれません。

でも、拍手数は著者しか確認できないこととか、短い記事でも長い記事でも同じ1レコメンドはおかしい!という問題意識(普通の人はどうでもいいと思う)など端々に、CGMへのこだわりを感じることができて、個人的にはとても好感が持てます。地味ですが。

ところで実は、、このたびMediumに搭載されたような拍手ボタンはこのブログ記事にもすでに実装されているんです。しかも10年近く前から!リロードすると連打もできます(笑) ※スマートフォン版では出ません

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ソーシャルボタンを設置 - ライブドアブログのヘルプ(PC向け)
http://help.blogpark.jp/archives/52279043.html

ライブドアブログなのですが 拍手ボタンがあります拍手してもらえると 相手のブログに遊びに行けますか? ... - Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10178176205

そうなんです。ライブドアブログでは10年近く前から拍手ボタンがあって、みなさんおなじみの Tweet ボタンやいいねボタン、はてブボタン、Pocketボタンと並んで使うことができてたんです。知らないですよね。でも、その10年の間に墓標となってしまったmixiボタンやGREEボタン(名前忘れた)よりはマシかも(笑)。


読者がポジティブな気持ちを書き手に伝えるための機能、裏返して言うと「いかに書き手に気分よくサービスを使い続けてもらうか」、これは運営者目線ではとても大事なことで、サービス運営者はボタンのデザインや機能はもちろん位置や表示タイミングに並々ならぬこだわりを持っているということを伝えたくてこの記事を書きました(笑)


さて、Mediumの拍手ボタン。

「評価や分析」の使いみちはまだはっきり見えてきませんが、とりあえずデータを取りはじめて使い方やアルゴリズムは試行錯誤していくのでしょうか。一方で、TheNextWeb の記事のタイトル" new Claps reaction button lets you applaud authors you love" のとおり、読者から筆者に対しての「エモーションの伝達」機能についてはどのように作用するのか、地味ですが(クドい)楽しみですね。



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こちらは昨年の僕のフジロックの投稿。今年は就活中なので参戦できませんでした(←どうでもいい)。

そんなどうでもいいフジロックについてとても共感を集めやすそうな記事が流れてきました。

わざわざ「フジロック行ってきた」と報告される問題 ~無干渉社会を望みたい
http://bunshun.jp/articles/-/3568


それを言うならSNS(Facebook上)には、何かのイベントで一回名刺交換しただけの方の「知らんがな」情報が日夜流れ込んでくるわけで。そして自分たちも無自覚に流し込んでもいるわけです。
  • わざわざ「第一子が生まれました」と報告される
  • わざわざ「サッカー日本代表の応援にきました」と報告される
  • わざわざ「●●さんのセミナーを聞きにきました」と報告される
  • わざわざ「サイゼリヤなう」と報告される

ただ、このストレスの矛先は無邪気にシェアしちゃう人ではなくって、見たくもないものが流れてきてしまうSNS(Facebook)になんとかせーや、と訴えるべき話だとも思うのです。

これがTwitterが流行りだした10年前ならともかく、今だったら技術的にはFacebookは上記の自分が見たくない投稿(人ごとアンフォローするんじゃなくて)を出ないようにすることはそんなに難しくないはず。

ユーザーは投稿ごとに「投稿を非表示」することができるのだから、その傾向(例:画像にラーメンが映っている、特定のイベントや会場がタグ付けされている)を蓄積して学習して次に類似の投稿があった場合に気を利かせてニュースフィードで表示しないことはある程度以上の精度では可能なはず。

Facebook広告を初めて使うと「こんな属性・趣向・行動傾向でターゲッティングできるのか」と驚くように、広告用途では「CTRが少しでも高そうなものをユーザーごとに選別して表示する」ことにエンジニアリングの叡智が絞られているわけで、その努力をちょっと割いてもらえれば、僕のニュースフィード上から赤の他人の結婚式の投稿を減らすことは、「やればできる」ことの部類であるはずです。さらに冒頭の記事のようなストレスを感じているヘビーユーザーなら課金オプションでも使う人はたくさんいる。でもFacebookはそれをやらない。




あるプロダクトやサービスが新しい機能を追加する場合に明確な理由や目的があることは理解しやすいですが、実は、ニーズが顕在化している、やればできる、そんな機能追加をずっとやらない場合においての方が、ずっと頑強で明解な理由があります。

理由は大きくふたつにわかれます。

「サービスの思想の根本に触れるから」もしくは「大人の事情」。

(もちろん「大変だからやらない」というときもあるけど、課題感が強ければなんとかする方法を見出すもの)

Facebookのミッションは「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する」。言葉は成長に応じて変わっていますがビジョンは一貫しています。ですから、いちユーザー個人の発信がプライベートな投稿なのかビジネス的な投稿なのかを区別することをやりません。「取引先のおじさんがたまに投稿するまじめな考察」を受け取りたければ「毎日のうざいラーメンの投稿」も受け入れなさいという思想。いっぽう発信者に対してはラーメンも真面目な考察も(ミュートされずに)シェアしたいのであれば、別人格(Facebookページ)を使いなさいという思想。

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SNS経由でヤフーニュースの記事ページにブラウザで着地すると、もうあとワンクリックで記事本文が読めるにも関わらず、「アプリで読む」ボタンがページのど真ん中にありますが、こちらはわかりやすい大人の事情。。

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自分は、こういう思想や事情があるとき一般的なUI/UXのセオリーを無視することは、至極当たり前のことだと考えています。外部のコンサルタントや専門家風情がユーザーを観察してなんと言おうとも、中の人の間でしっかりとディスカッションがされた上で揺らぐことのない拠り所のあるサービスが好きです。


ほかにも、やればできるのにやらない機能例としてぱっと思いつくのは、
  • なぜ Instagram は投稿につけたリンクURL文字列にアンカーがつかないのか。アンカーついた方がユーザーは便利なのに。
  • なぜはてなブックマークは収集するサイトのメディア(ドメイン)単位で非表示にできないのか。あると気持ちよく捗るのに。
  • なぜ LINEの公式アカウント・ビジネスアカウントは不要になったとき「ブロック」なのか。「削除」の方がわかりよいのに。

などでしょうか。


新機能を実装して本番環境でテストするコストは下がっているいま、リリースされた新機能がユーザーからしても「?」な思いつきであるということも往々にしてあります。むしろ、新機能の理由を考えるよりも、誰もが思いつきそうな機能がずっとつかない理由を考察することの方が、深くそのサービスの核心に触れることができて面白いと思いませんか。

なんだか冒頭のフジロック記事とはあんまり関係なくなってしまいました。考察が浅いところはありますが、あのサービス・アプリのあれもそうだよねーというのがあれば教えてください。




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