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fukui
 気がつけば4月、悲願であった京都の会社に就職して早くも8ヶ月が経過していました。

それまで馴染んでいた男子校的なカルチャーとは打って変わってオシャレな雰囲気の会社で、いい年したベテランWebディレクターが果たしてうまくやっていけるのか?という不安もありましたが、上司や同僚から刺激を受けたり、自分でやり甲斐を見つけたり作ったりしながら楽しくお仕事をしております。今も昔もいい感じの環境と愉快な仲間たちに感謝です。

「あたらしい働き方」の実験を再開します
http://blog.livedoor.jp/ldmoriuchi/archives/6774179.html

そして、何がいい感じにはまっているのかと改めて問うてみると、自由な働き方を作っていける環境、具体的には勤務形態であることが自分にとって良い刺激とチャレンジになっています。

いま僕は「週4日勤務の正社員」で働いております。

 週4日ということで、残りの1日は出勤不要なのはもちろん、会社のお仕事を(優先的に)ケアする必要はありません。そして報酬も一般的な正社員に比べるとそれ相応なので、所属会社外で別プロジェクトに関わることになります。

1日中家でギターを弾いたり滋賀で畑を耕したりしていたい誘惑はありますが、もちろんそこまでの余裕はありません。むしろ、Webディレクターとしてやりたいことはまだまだあるので、京都から積極的に複数のプロジェクトに関わりたいと願っています。

このワークスタイルの副産物として、サイドプロジェクトや課外活動で知り合った人脈から本業のプロジェクトや広報につながることもあります。セレンディピティ(言いたいだけ)は1社に閉じた会社員の人間関係の比ではありませんし、何よりも1社のビジネスに染まることなく、いちWebディレクターとしてのスキルアップがより多角的にできるということはとっても贅沢なことだなーと改めて感じております。

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 はじめて自分が「会社員向きではない」と気付いた30歳の頃、将来は起業をするかそうでなければ、フリーランスで野武士的に生きていくものだ思っていました。上司の理解があって、別ルールで働けるように志願して契約社員に変更してもらったりもしました。その後フリーランスになってみたけれど、「自分のためにお金を稼ぐ」ことにセンスが無い(執着が少ない?)自分は、もっと興味の強い仕事・プロジェクトだけに専念できる環境が恋しくりました。

その後ついに縁があってずっと憧れていたWeb事業会社に入ることができました。そこでのプロジェクトは大好きだったけれど住みたい場所に住むことと仕事を続けることは結局両立を許されず、残念ながら離脱をすることになりました。

そのような「めんどくさい」紆余曲折を経て自分は、 「転職とは今までの関係性をリセットして、新しい関係性に染まり切ること」ではなく、「会社員=1社に収入はもちろん成長やモチベーションを依存すること」とは限らない、 そういう可能性を考えるようになっていました。

だからこそ、「週4日」の選択肢を提示された時、「これは乗っかってみるしかない」「どこでも実験できることではない」とよくわからないワクワク感を抱き、このワークスタイルを始めることになりました。



 とは言っても当然厳密に月〜木:本業、金曜:サイドワーク、を厳守しているわけではなく、月曜の夜中出張先のホテルで必死で、CACOOに向かって会社とは関係のないスマホサービスの機能を描いているときもありますし(サイドワーク)、定休日の金曜に鴨川で昼寝しながらワークショップイベントのアイデア出しをしていることもあります(これは本業)。

やることが少ない金曜日には、今ごろ英会話の勉強をしていたりもします。土日の休日を削って行う意識高めの自己投資と比べると、普通の人達が働いている時間のお勉強ですからなんというか余裕のある気持ちで望むことができている気がします。

ちなみに、今の会社には同じような契約で働いている同僚は自分以外にも何人かいて、そういうワークライフスタイルをとっていることを特に憚ることなく社内外に公言しています。(そういうカルチャーの組織であることを誇らしく思います)


サイドプロジェクトで八方よし

machiya
 前職ライブドアで西新宿勤務だった頃も、社外でのイベントへの登壇や書籍などの執筆などサイドプロジェクトを持つことについては自由でした。このようにスタッフを100%を束縛しない会社員の働き方は、中小規模のIT企業だけではなく、実は大会社の中でも増えているんじゃないかと思っています。

今自分は東京から地元に近い京都に帰ってきて生活の余裕や選択肢の多い中で80%を会社にコミットしています。「半農半X」という言葉があったりしますが、今はまだそこまで振り切ることなく段階的にライフワークバランスを考える、実験する過程ではほどよいバランスだと捉えてこの状況を楽しんでいます。

「副業」という言葉には本収入のためのリスクヘッジと言ったニュアンスが含まれますが、「別プロジェクト」と言い換えるとそれ以外の可能性があると実感しています。本業だけではまかないきれない自分の好奇心や想像力に応えたり、別の能力を発見したり活かしたり。回りまわってその知見を本業にも還元できれば八方よし。

企業なり、プロジェクトなり、個人なり、少しずつ「オープンであること」の成功事例が増えてくれば単なる経済成長以外の「はたらく豊かさ」があるかもしれません。

 ディレクター、デザイナー、エンジニアなどなど職種を問わず、日本のWeb・インターネット業界が初めての高齢化を迎えたとき、私たちはこの業界でどういうワークスタイルで豊かな生活と大好きな事のやりがいを両立させるのか、真剣に考える機会が増えてくることでしょう。

ほんの一部の成功者だけでなく、普通に真面目に頑張ってきた人たちが、どのような選択肢をもって自分のキャリアの舵取りができるのか、ほんの数歩先取りして実験していければと思っております。
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